アイコン スマホ市場 アップル・サムスンに立ちはだかる中国5社

 

 

アップルの「iPhone(アイフォーン)」とサムスンの「ギャラクシー」の存在感は約5000億ドル(約55兆4400億円)のスマホ市場で圧倒的だが、4~6月(第2四半期)のスマホ出荷台数では、中国の華為技術が初めてアップルを抜き、サムスンに次ぐ2位となった。
サムスンの同四半期決算では純利益が市場予想に届かず、同社の背中はすでに華為の視界に入っている。華為の代表も来年秋には首位になると公言している。

世界のスマートフォン市場は、3四半期連続で減少傾向にある。
市場調査会社ストラテジーアナリティクスによると、2018年4~6月期の世界のスマホ出荷量は3億5040万台で前年同期より▲2.8%減少した。
上位5社のうち販売台数とシェアが同時に減った企業は1位のサムスン電子しかない。
2011年から続いたサムスン対アップルの構図を初めて破ったファーウェイだけでなく、シャオミ、オッポなど他の中国企業もシェアを大幅に拡大。スマートフォン市場の危機ではなくサムスン電子の危機という。
サムスン電子のシェアは20.4%で昨年4-6月期の22.1%から▲1.7ポイント減った。販売台数も7,150万台で昨年4~6月期の7,950万台から8.9%減った。2013年に32.3%でピークに達してから下落傾向を免れなくなっている。

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ファーウェイのシェアは15.5%、昨年4~6月期の3,840万台から今年は5,420万台に1年間で販売台数が41.1%増加させている。
シャオミは9.1%、オッポは8.6%のシェアで、合わせると33.2%、サムスン電子のシェアを大きく上回る。
かつて中国市場で1位のシェアだったサムスン電子は、今や1%台前後まで激落し、中国市場において、昔の面影はない。

アップルは4~6月期に4,130万台のiPhoneを販売、シェアは11.7%だった。高価格帯に注力しており、業績に大きく寄与している。
サムスンとアップルの大きな収益構造の違いは、サムスンはグーグルのOSを使用していることから、付加価値利益をグーグルにすべて持っていかれることにある。
アップルは自社OSを使用していることから、ユーザーがゲームなどで利用する販売利益を享受し続けることができる。
こうしたことから、サムスンは自社OSのTIZEN(実際はインテル主導の共同開発品)を搭載したが、スマホでは徒労に終わり、スマートウォッチなどに搭載している。

現在は、サムスン電子は、半導体が収益頭、しかし、半導体は常に価格競争・開発競争に巻き込まれ、山と谷の落差が大きい市場でもある。

<華為=ファーウェイ>米国撤退も検討か
中国テクノロジー産業の中心地となった深圳に本社を置く華為(ファーウェイ)が市場シェア拡大を狙い資金を投じているのがカメラ。フラッグシップ端末の「P20プロ」は3枚のレンズから成るカメラを搭載。104年の歴史を持つドイツのカメラメーカー、ライカと共同開発した。
中国での小売価格は約800ドル。1000ドルを超える「アイフォーンX」やサムスンが9日発表した「ギャラクシーノート9」より安い。ノート9の価格は999.99ドルからで、最上位機種は1249.99ドル。
中国のZTEがイラン販売で、米制裁違反により10億ドル(約1100億円)の制裁金を支払い、ほかの取り決め事項が課せられていた。その取り決め事項の関係幹部社員たちの制裁を行っていなかったとして米トランプ政権は、インテルなど米企業が同社に販売しているスマホの基幹部品の販売を停止させ、同社は破綻同然となった。さらに10億ドルの制裁金と4億ドルの保証金を支払わされ、倒産状態に陥っている。米トランプ政権の華為に対するバックドアなどの疑惑も常にあり、華為は米市場から撤退を検討しているという。華為は米市場ではアップル・サムスンに次ぐ3位に位置している。

<小米(シャオミ)>海外進出急
北京の中関村に本社を構える小米は、ネット販売で安価に販売して支持された。あらゆる点でためらうことなくアップルをまねようとしている。アップルと同じように自社ブランドによる生態系の構築も図っており、独自のアプリストアや音楽ストリーミングのアプリケーションを展開。
だが、最近では、アップルに先行しフルスクリーンディスプレーなど一部のデザイン面で新機軸を打ち出している。
小米のスマホは、有名ブランドと比べるとずっと安い。デュアルカメラでセラミックボディーの最新モデル「MIX2S」は500ドル前後。
これまでインド市場で首位だったサムスンを追い抜いている。

<伝音=テクノ(トランション)>アフリカに強力な地盤
欧米の消費者がほとんど見かけることはない伝音(トランション)のテクノ(Tecno)ブランドだが、アフリカ市場では競合相手を圧倒している。
深圳の伝音は2006年に創業。アフリカ大陸で緒に就き始めたばかりのスマホ市場に早くから着目し、まずエチオピアに組み立てラインを設置した。アフリカ市場で売られているスマホのうち10台に3台以上はテクノブランド。
フルディスプレーにフェ-スIDアンロック、高品質カメラを備えた伝音の「スパーク2」は、アフリカの電子商取引サイト「ジュミア」ではわずか100ドル前後で売られている。
  エチオピアの通信インフラはすべて中国政府により構築された。当然借款だが・・・。そのインフラ事業に連動してエチオピアに進出している。

<OPPO>映像に力点、BBK傘下
中国とインドで、初めてスマホを使う消費者に狙い定めた安価な端末で成功したオッポ(Oppo)は、欧州市へ上位機種で参入。パリで今年6月、「ファインドX」を999ユーロ(約12万7800円)で投入した。ボディーの93.8%を占めるスクリーンが特徴。アイフォーンXの割合は81.5%にすぎない。
歩歩高(BBK)エレクトロニクスの傘下でAV部門が独立したブランド

<Vivo>音響に注力、BBK傘下
ビボ(Vivo)は2012年、世界で最も薄いスマホ「X1」を投入。ハイファイ水準の良質な音で同社の主要市場である中国と東南アジアで人気が広がった。オッポ同様に、主なターゲットはミレニアル世代。最新機種「NEX」は中国の同社ウェブサイトで570-730ドル前後で売られている。ボディーの91.2%をスクリーンが占め、オッポのファインドXに近い。
BBKエレクトロニクスの傘下で通信部門が独立したブランド会社

<ワンプラス>価格とデザインに注力、BBK傘下
中国発のブランドとしては珍しく、中国以外で人気を博しているのがワンプラス。つややかな見た目やイメージが消費者を引き付けている。ザネクストウェブ・ドットコムで「世界で最も望ましい電話」とされたこともある。最新の「ワンプラス6」はアイフォーンやサムスン製よりも安く、ワンプラスのウェブサイトでは500ドル程度で売られている。
同社はOPPO傘下で、OPPOの副社長が立ち上げたブランド会社、歩歩高(BBK)エレクトロニクスの孫会社になる。
以上、各社報道参照

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[ 2018年8月13日 ]

 

 

 

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