アイコン 沖縄科学技術大ら 世界初エボラウイルス構造解析 データオープンへ

 

 

沖縄科学技術大学院大学・生体分子電子顕微鏡解析ユニットのウォルフ・マティアス准教授と大阪大学の杉田征彦特任研究員らは東京大学などと共同で、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスの核となる構造を突き止めた。

エボラ出血熱は現在、有効な予防や治療法がなく、新たな治療薬の開発につながる。成果は英科学誌ネイチャー(電子版)に18日掲載される。
エボラ出血熱は、主にアフリカで流行する感染症で、致死率は50%以上に達する。2013年末から西アフリカを中心に起こった流行では1万3千人を超える死者が出て、欧米にも感染が広がった。

エボラウイルスは、感染すると細胞内で増殖し、細胞を破って外に出て広がる。ウイルスの核となる部分は、たんぱく質がらせん状につながった構造と、遺伝情報を伝えるリボ核酸(RNA)でできている。

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研究グループは、極低温でたんぱく質などを観察する「クライオ(極低温)電子顕微鏡」を使って核となる部分を解析した。
らせん状に連なったたんぱく質の外側に溝のような構造があり、RNAがその溝に巻き付いていた。たんぱく質同士やたんぱく質とRNAとの結合の方法、らせんの大きさなども分かった。

実際のウイルスは今回の核となる構造に、脂質の膜が付いている。今までは核となる部分がらせん状の構造であることは知られていたが、解像度が低く詳細な構造は分かっていなかった。

たんぱく質同士やRNAとの結合を阻害させ、ウイルスの増殖を防げるとみられる。
今後は、ウイルス全体の構造を解析することで、さらに治療薬の標的となる部分を探索する。
また構造データはインターネット上で公開し、治療薬の開発につなげるという。

なお、大阪大学の杉田征彦特任研究員は、2017年まで沖縄科学技術大学院大学・生体分子電子顕微鏡解析ユニットの研究員であり、ウォルフ・マティアス准教授の元同僚、研究は電子顕微鏡/クライオ電子顕微鏡/インフルエンザウイルス/エボラウイルス/ウイルス学分野。

エボラは現在でもアフリカ中央部のコンゴ民主共和国で感染が拡大している。

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[ 2018年10月18日 ]

 

 

 

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