アイコン 米上院 記者殺害サウジ関与説明でCIA長官無断欠席 共和党議員もカンカン

 

 

サウジアラビアのジャマル・カショギ記者殺害事件をめぐる対応を連邦議会の上院で28日、ポンペオ米国務長官とマティス国防長官が説明した。
しかし、サウジの事実上の最高権力者、ムハンマド皇太子の関与を曖昧にした説明したことに加え、事件をめぐる情報収集を指揮した米中央情報局(CIA)のハスペル長官が参加を見送ったことに与野党から反発が広がっている。

米メディアによると、トランプ大統領が率いる身内の共和党・グラム議員は、両長官からの説明では「不十分だ」との認識を示し「CIAからの説明がなければいかなる予算編成にも協力しない」と述べた。
政府閉鎖回避のために来月7日までに必要となる一部の連邦予算の手当を盾にとってさらなる説明を迫っている。

野党・民主党のダービン議員も「ハスペル氏が欠席した理由の説明はなかった」と不満を示した。
ハスペル氏は、記者殺害事件が起きたトルコの捜査当局に接触し、殺害時の音声記録も聞いたとされており、事件の真相に最も精通した人物。

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トランプ米大統領は、10兆円超のサウジに対する武器輸出が、カショギ記者の殺害事件より大事だとして、ムハンマド皇太子の関与を断定していないが、複数の米メディアはCIAが殺害についてムハンマド皇太子の命令だったと結論づけたと報じている。

ホワイトハウスが、政権内の見解の違いを隠すため、ハスペル氏の出席を認めなかったとの見方が広がっている。ハスペル氏が嘘の証言をしたら偽証罪となる。ハスペル氏が情報提供したトルコ政府がハスペル氏の議会証言を審判することになる。

米議会では、記者殺害は深刻な人権侵害と位置づけてサウジへの強硬策をトランプ政権に引き続き求めていく構えで、来春までにムハンマド皇太子の関与を判断するよう要請している。
それまで、サウジへの武器輸出を承認しないと公言する議員も目立っているという。

米紙ワシントン・ポストによると、駐米大使でムハンマド皇太子の弟のハリド王子は、カショギ氏に電話し、事件の現場となったイスタンブールのサウジ総領事館で結婚に必要な書類を受け取るよう促したという。その際、身の安全を保証するとも話したという。
CIAが傍受した通話記録によると、ハリド氏にこの電話をするよう指示したのがムハンマド皇太子で同氏の関与を示唆する証拠の一つになっているという。
米議会では、著しい人権侵害にあたるとして、トランプ政権に武器輸出の停止や駐米大使の国外追放など厳しい措置を求める声が多く、CIA長官の証言次第では、トランプ政権はこれまでに関与したサウジ人17人の個人に対して経済制裁したものの、追加制裁を迫られる。
殺害されたカショギ氏はサウジ政府を批判している米ワシントンポストでコラムを受け持つサウジアラビア人の記者、米国に居住し米国とかかわりを持っていた。

トランプはアメリカ大統領として、サウジアラビアの次期国王と称されるムハンマド皇太子が関与したとされる記者殺害事件より、サウジを訪問して約束した10兆円超の武器輸出の方が大事だと公言している。アメリカ合衆国の大統領も中国の守銭奴並み、米国のハゲタカ並になっている。
トランプには、何を言っても何をやっても許される強固な信望者が米国民の43%もいる。おかしな国になってしまったものだ。

上院は与党の共和党は53議席、野党の民主党は47議席
下院は与党の共和党は200議席、野党の民主党は234議席(残り1議席)

上院でも4人の共和党議員が民主党に同調すれば、トランプの政策は潰される。
11月6日の中間選挙で、共和党はトランプ党になったとされるが、決して1枚岩ではない。

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[ 2018年11月29日 ]

 

 

 

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