アイコン イタリア 赤字拡大予算でEUと衝突か イタリア危機がまた始まる

 

 

イタリアでは、2018年34日の総選挙にてポピュリズムの「五つ星運動」(党首:ルイジ・ディ・マイオ)が大勝し、5月21日に同党は極右の「同盟」(マッテオ・サルビーニ書記長)と共に閣僚評議会議長(首相相当)として、法学者のコンテを指名、大統領選挙で選ばれていたキリスト教民主主義(DC)のセルジョ・マッタレッラ大統領に推薦。大統領は同月23日、コンテを首相に指名し、コンテは、与党となる「五つ星」と「同盟」から組閣した。

ポピュリズム政党と極右が合体したイタリア政権、巨額財政赤字から節約を迫るEUに対して、基本離脱だが、国民の多くは離脱に反対しており、離脱せず、赤字財政から緊縮予算を強いるEUに反発、予算拡大方針を打ち出している。(イタリア救済のため赤字国債を買い取り所有しているはほかならぬEU、債権者としてもイタリア政府に指示命令しているもの)

離脱すれば、国家予算を好きに編成できるが、国債の信用はなくなり、外貨不足に陥り、輸入もできないようになる。
離脱した場合、EUへの影響が強すぎることから、EUも強硬姿勢に出れないのを見越し、イタリア政権は強硬姿勢を貫いている。

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まるで、国民受けする失業対策、年金対策などを行い、国家予算を消費する隣国とそっくり。それも隣国の所得主導経済成長論と同じような屁理屈を主張しているようだ。ただ、そうした政策を採る限り、隣国同様、いつまでも選挙で勝ち続けることにもなる。

左派政権のギリシャさえ、経済の道理をやっと理解し、EU主導の財政改革を受け入れ実行している。
イタリアの強硬姿勢はそのまま、イタリア財政不安となり、世界の証券・債権市場を揺さぶることになる。

<本文>
巨額の債務を抱えるイタリア政府の来年の予算案について、EU=ヨーロッパ連合は、財政赤字の削減を求めた勧告を守っていないとして、制裁手続きを始めるのが妥当だという判断を示した。イタリア政府は強く反発するとみられる。

イタリア政府は10月、失業者などへの所得保障や年金の支給開始年齢の事実上の引き下げなどを盛り込んだ来年の予算案を、審査を担当するEUのヨーロッパ委員会に提出した。
ヨーロッパ委員会は、この案では財政赤字が拡大する見通しだとして、イタリア政府に見直したうえで再提出するよう求めたが、イタリアは大幅な修正を加えないまま今月13日、再提出していた。
これを受け、ヨーロッパ委員会は20日、「財政再建から逸脱するリスクがあり、深刻な違反が確認された」とする報告書を発表した。

委員会は、過剰な財政赤字の是正手続きに入るのが妥当だとし、制裁に向けた手続きを始めることを示唆している。

この手続きでは、財政赤字や債務削減に向けた是正勧告が段階的に行われ、従わなければ、GDP=国内総生産の0.2%の制裁金が科されることになる。

ヨーロッパ委員会は、近く制裁に向けた手続きの開始を加盟各国に正式に勧告し、各国も支持するものとみられるが、イタリアは強く反発するとみられる。

<イタリア政府予算案見直さない姿勢>
イタリア政府の来年の予算案をめぐり、EUの執行機関に当たるヨーロッパ委員会が制裁手続きを始めるのが妥当という判断を示したのに対し、イタリアのコンテ首相は21日、ローマで「われわれは、この予算案が債務を削減するのに最もよい方法だと信じている」と述べ、予算案を見直さない姿勢を強調した。

そのうえで、コンテ首相は、今月24日にEUのユンケル委員長と会談し、予算案の内容を説明して理解を得たいという考えを明らかにした。
以上、

結局、過去の杜撰な予算編成や巨額公共投資のツケが回っているもの。日本はそれどころではない空前絶後の財政赤字であるが、その原資となっている国債を国民(実質日銀による共食い)が所有していることから問題にならないだけ。外国のように国債の外人保有率が高ければ高いほど財政規律を機能させなければ、満期時の返済資金もなく、実質借り換え用の国債発行を行っても金利が高くなければ誰も買ってくれず、国は金利払いだけでも莫大になり、次第に国家予算が組めなくなり、国家財政が破綻する。

破綻させても、政治家自らは何の罪にも問われず、政治から離れて、優雅な生活を送ることになる。
困るのはやはり国民。最悪は、税金は高くなり、公共サービスは大幅カットされ、有料サービスに変化し、公務員の大量解雇、健康保険料は高くなり、年金支給さえ大幅減額される。
それは、目先の利益に票を委ね、財政を破綻させるような人物を国民が選択した結果であり、最後まで国民の責任となる。政治家は人気取りが商売、政治家だけの責任ではない。そのツケを国民はのちのちこうして支払わされることになる。
極貧の貧乏で何もできないのは国も個人も同じだが、個人は貧乏で借金していても自己破産すれば済むが、国はそうはいかない。通常、IMFの管理下に置かれ、超緊縮財政を改善するまで強いられる。
 

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[ 2018年11月22日 ]

 

 

 

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