政治的対立で通商手段を武器として用い圧力をかけるのであれば、現実問題として原則的に誤りであり愚かなことだ。
そのような行動は韓国国民の怒りを買い、文大統領が同じような手段で報復せざるを得ない状況を事実上つくり出し、対立のエスカレートを招いた。

韓国は対立を激化させる誘惑に抵抗すべきだった。
対日輸出に同じような制限を課し、そこでとどめることもできただろう。
文大統領は８月15日の「光復節」の演説で、日本と対話の余地があると述べ、肯定的な評価を受けたが、その１週間後にＧＳＯＭＩＡを破棄する方針を発表し、対話を一層困難なものにした。
　
　さらにいえば、主な敗者は韓国の方だ。
日本には偵察衛星と対潜水艦能力があるが、韓国にはない。
北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）を開発する現状で、これらの能力は決定的に重要な意味を持つ。
少しでも協力者が欲しい地域情勢にあって、文大統領は日本との防衛協力をはるかに難しいものにした。

　文大統領は、韓国にとって最も欠くことのできない米国との同盟にもダメージを与えた。
今回の動きは、米政府からの明確な助言を無視するものであり、北東アジアの８万人の米軍の駐留を危険にさらす可能性もある。
アジア地域での中国とロシアの合同軍事演習がますます大胆に行われる状況で、新たな緊張は中ロが勢いづくことにつながる。
トランプ米大統領は、朝鮮半島への米軍の駐留に関し、既に不満を表明しており、文大統領の動きはその意味でもためにならない。

　韓国はＧＳＯＭＩＡが１１月に失効するまでの３ヶ月の間に今回の決定を撤回する必要がある。
日本は対韓輸出管理を巡る対立の解消に向け話し合いを始めることで、前進を促すことができる。
日本政府当局者が言う通り、それらの懸案事項が元徴用工の問題と別だとすれば、解決は可能だ。
だが、歴史的主張の問題決着に向けた措置も同時に不可欠だ。

＜米国への注文＞　
　米国はとっくにもっと強力に介入すべきだった。
外部から強制される和解は長続きしない公算が大きいが、米政権からの外交的圧力は、少なくとも高官対話を促すことに役立つだろう。
この愚かで危険な対立を長引かせれば、情勢が悪化するばかりだ。
以上、
　
２０１７年１０月３１日の中国政府に対する韓国文政権の「３不の誓い」により、その後の日韓の軍事関係が崩れたが、ブルームバーグはどう見ているのだろうか。
　この３不の誓いは米国との同盟関係にも言及しており、「米国のＭＤに加盟しない」と中国政府府に誓っている。
　米国が北朝鮮との緊張で最高潮に達していた時、文在寅氏は、中・長距離ミサイルばかりであり、米朝の緊張関係にあり、韓国は関係ないとばかりに、３不の誓いを中国に対して発表していた。
　文政権は米国が何を言おうと、米国との軍事関係を解消したくてしょうがないようだ。米朝が和解すれば、本腰になろう。　
文政権の大統領安保外交特別補佐官の文正仁氏は、北朝鮮核の容認論者でもある。そうした容認論者たちが政権与党の大半を占める。
それに対して、米トランプ政権は、銭に執着し、東アジアの安全はそれぞれの国が守ればよいとしている。そうしたことから、韓国を自らの陣営に誘導せず放置、オバマ時代より大幅に管理が緩くなっている。
すべての原因は米トランプ政権にある。
今では文政権から米政権は、　国家主権に関わる問題だとして、ＧＳＯＭＩＡ破棄についての否定的な言及を控えるように忠告されている。ハリス大使は韓国政府に呼びつけられ、ハリス大使が本国に伝えている。

ブルームバーグオーナーは次期大統領選で民主党から出馬するともされていた、ごりごりの民主党派。
米政権は韓国民を揺さぶるしか、韓国現政府はもう米国に本心で戻ってこないのかもしれない。

米国の韓国を一緒のレベルで考えるべきでもない。感情豊かで価値観がまったく異なる。