アイコン 李完九首相在任63日間で辞任 成完鍾京南企業前会長の自殺メモの余波

韓国の大統領は歴代、親族や側近たちが汚職で摘発されなかった大統領は皆無。

元国会議員で建設会社の京南企業の成完鍾前会長(63)からの裏献金疑惑が浮上していた韓国の李完九首相が4月20日、中南米を外遊中の朴槿恵大統領に辞意を伝えたと与党セヌリ党幹部などの話として聨合ニュースが報じた。

李首相ら朴大統領の側近など8人をめぐって浮上していた裏献金疑惑について、検察は12日、特別捜査チームを設置していた。

李首相に関しては、2013年4月の国会議員補選に際し、元国会議員で京南企業(=慶南企業、キョンナム)成完鍾前会長(63)が、現金3000万ウォン(約330万円)を渡したと新聞社の取材で証言し、成前会長が残した自殺したメモにも名前が記載されていた。
李首相は、金銭の授受だけでなく成前会長との親交すら否定したが、二人が1年間で210回以上電話をしていたと有力紙が報じるなど疑惑が深まっていた。

朴大統領は外遊に出る直前の16日、李首相の去就を27日の帰国後に決めると述べていたが、野党は首相解任建議案を大統領の帰国前に国会に提出する構えを見せていた。
一方、29日に国会議員補選を控え、与党内からは李氏に対し辞任を求める声が強まっていた。

朴政権は、前李明博政権で行われた資源外交が大失敗に陥っていることから、不正がなかったか検察が調査に入っていた。そうしたなか、李政権時代の資源外交で急成長しベトナムでも大開発を行った京南企業(=慶南企業、キョンナム)の成完鍾(63)前会長が槍玉に挙がり、捜査に乗り出したところ、成氏は耐えられず4月9日自殺、そして自殺メモを残した。

自殺メモには
1、金淇春前大統領秘書室長10万ドル(約1200万円)、2006年9月26日・ドイツ、ベルギー。
2、許泰烈元大統領秘書室長7億ウォン(約7700万円)、
3、劉正福仁川市長3億ウォン(約3300万円)、
4、洪文鐘議員(セヌリ党組織委員長)2億ウォン(約2200万円)、
5、洪準杓慶尚南道知事1億ウォン(約1100万円)」
などと書かれ、また、実名や金額を挙げず
6、「釜山市長2億ウォン」
7、「李丙琪大統領秘書室長」
8、「李完九首相」
らの名前と金額、受け渡し場所?の記載があった。

また、自殺前に成前会長は、自殺直前の9日午前6時ごろ、京郷新聞の取材を受け、同新聞は、(1) 「2006年9月、大統領選候補を選ぶハンナラ党(現与党セヌリ党)予備選の候補だった朴槿恵氏のドイツ訪問を前に、朴氏に同行した金淇春前秘書室長がVIP(朴大統領を指す)に付き添ってドイツを訪問する際、10万ドルを両替し、ロッテ・ホテルのフィットネスクラブで手渡した。」
(2)07年には許泰烈元秘書室長とソウル・江南地区のリベラ・ホテルで会い、7億ウォンを現金で3-4回に分けて渡した」。
(3)洪準杓(慶尚南道)知事に1億ウォン、
(4)12年には洪文鐘議員(朴政権の組織委員長)に2億ウォン、
(5)劉正福(仁川)市長(元安全行政部長官)に3億ウォン
を手渡したと証言した」と報じていた。
(京郷新聞は成前会長とのインタビューの音声をネットで公開し、問題を拡散させた)

ほかにも新聞社の取材を受け、その中では、国連事務総長の潘基文氏の名前も挙がり、潘基文氏は「(成前会長は)知っているが、関係は一切ない」と関係を全面否定するのに躍起になっている。

また、検察の捜査による裏金リストに野党の国会議員たちの名前も浮上、汚職議員たちばかりが大浮上している。

成前会長は京南企業の元会長であったものの元国会議員でもあり、政界に深くかかわっていた。

朴大統領が誕生した大統領選挙組織の解団式(2012年12月20日)の写真にも写っている。
赤丸印内が成完鍾京南企業前会長。

李完九首相在任63日間で辞任

[ 2015年4月21日 ]
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