アイコン ISD条項 韓国政府相手にローンスター裁判始まる 5500億円請求

米ワシントンの国際投資紛争解決センター(ICSID)で15日に審理が始まった米国系ファンドのローンスターと韓国政府間の国際仲裁事件は、韓国政府が投資家・国家間訴訟(ISD)の実行能力を評価される初めての試験台になる見通し。
韓国政府が米韓のFTA条約に基づくISD制度で訴えられた初の事例であることに加え、訴訟規模も超大型事件。
ローンスターは当初43億ドルだった請求金額を「為替相場変動による損害」などを理由に最近46億7900ドルに増額している。

ワシントンの韓国政府側法律代理人は17日、「初日から相当なつばぜり合いだったが、ローンスターが要請した外換銀行売却当時の韓国側金融政策責任者が来週から証人として出席すればさらに激しい攻防が展開されるだろう」と予測。
韓国政府合同対応チームを率いる法務部のキム・チョルス国際法務課長は、「妥協の可能性は常に存在するが、ローンスターからはいかなる提案も受けていない」と話しているという。
争点は大きく
「売却遅延損害それに税金賦課」による損害の2種類。

ローンスター

<裁判内容>
1、<逸失利益>

今回の訴訟戦の最大の争点は、ローンスターの外換銀行売却承認遅延問題。ローンスターは2003年10月、外換銀行を1兆3834億ウォンで買収後、2006年から売却しようと国民銀行、香港上海銀行(HSBC)と売却交渉を行ったが、成果を上げられないまま2012年に至り3兆9157億ウォンでハナ金融持株に売却して差益を手に入れた。
 しかし、ローンスターは、2007年9月にHSBCに外換銀行持分51%を5兆9376億ウォンで売却することで契約、韓国政府が売却承認を遅延させたことにより2兆ウォン(18億42百万ドル、0.000921/米ドル)安く売却することになり大きな売却差益を上げることができなかったとし、韓国政府が損害賠償責任を負わなければなければならないと主張している。
これと関連してローンスターは2012年、李明博前大統領に送った仲裁意向書に韓国当局の「嫌がらせ」と「敵対的世論」を数回にわたり取り上げている。不必要な適格性審査で売却の適正なタイミングを逃したというもの。

一方、韓国政府は、当時外換銀行の安値売却訴訟など司法手続きが進行中だったため売却承認ができなかったという立場をとっている。

15日から24日まで10日間にわたり開かれる1回目の審理で双方は外換銀行売却遅延が外国企業に対する差別のためだったかをめぐり争う。韓悳洙元経済副首相、全光宇・金錫東元金融委員長ら当時の金融政策責任者が証人として出席して尋問に応じるものとみられる。

2、<税金問題>
また、6月29日から10日間にわたり行われる2回目の審理では、ローンスターに課された各種税金が正当だったかをめぐり激突する。
2003年に外換銀行はローンスターのベルギー法人であるLSF-KEBホールディングスに買収された。このため、韓国とベルギーの投資保障協定の適用対象だというのがローンスター側の主張。
ローンスターは、外換銀行が、ハナ銀行に売却される当時、国税庁が源泉徴収した3915億ウォンなどローンスターに課された各種税金8500億ウォンも返却すべきとしている。それに利子と為替差損、ベルギーに納付する予定の税金などが加算された。

韓国政府側関係者は、「ローンスターは奇想天外な計算方法で9年間に韓国で得た収益4兆7000億ウォンより多い金額を請求している」と話した。

今回の仲裁手続きは、すべて非公開で行われる。だが、過去、韓国で行われたローンスター関連の税金をめぐる裁判結果がある。「ローンスターのベルギー法人は、実質ペーパーカンパニー」というのが大法院(最高裁に相当)の判例。国際協約が締結された場合でも、租税の回避や脱税を防止するための課税は正当なこととみられている。

問題は、国際仲裁では、国の政策的考慮の正当性を認めないという点。投資家の資産価値減少が投資協定に違反するのかだけを見るため、韓国政府が不利になるとの見通しも出ている。今回のISD仲裁は、3人で構成された仲裁判定部の多数意見により決定される。
 以上、

韓国当局は、外換銀行をローンスターが購入し、リストラなど敢行し経営を立て直し、売却する価格が高いとして、難クセを付け、株価操作だとして家宅捜査し、一審でローンスター敗訴、二審で逆転勝訴している。しかし、韓国当局は最高裁に持ち込んでおり、こうした一連を動きに対して、韓国の常識は世界の常識に相容れないとして、外資撤退の引き金になったとされる。

韓国での裁判ならば、ローンスターが100%負けようが、韓国版世界の常識がまったく通用しないローンスターの母国のアメリカ国のワシントンだ。
  ローンスターは税金部分を譲歩し、和解を目指しているのだろう。いくら大きな投資会社であっても所詮ローンスターも人様のお金を預かり運用するハゲタカに過ぎないのも事実。
ローンスターは、これまでに日本でも山ほど儲かっている。それが竹中平蔵が大好きな金融のグローバル化というもの。ハゲタカ経済=新自由主義経済。導入したからには逆に最大限利用するしかないが、アメリカ様にへっぴり腰の日本政府や日本企業ではどうにもならないだろう。

 

[ 2015年5月18日 ]
スポンサード リンク

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 
JCNET注目記事!
PR いま建設業界の求人が急増中、当サイトおすすめのワークポートが便利です。


PICK UP

↑トップへ