マクロン大統領、ルノー・日産は大臣時代からの因縁 関与強める
ロスチャイルドの元バンカー・マクロン大統領が、オランド政権時代、ルノーの担当大臣だったときの2014年、ルノーへの関与を強めるため15%保有していた政府所有株を、2年以上の持株の議決権を2倍にするという「フロランジュ法」という法律をわざわざ制定すると共に、計算上33.3%以上の株を持つために国費を1500億円以上投じルノー株を4.7%買い増していた(当時、株価が98ユーロまで急騰していた)。
しかし、ゴーンが仏政府関与強化を猛烈に嫌い、日産が対抗策を取るよう画策、仏政府=マクロン大臣は、ルノーにも日産にも関与しないとの約束をゴーンと交わし、マクロン大臣としては屈辱の撤退となっていた。
マクロン元大臣は昨年5月大統領に就任、自らが大臣時代に買い増していた4.7%分のルノー株を昨年11月に1600億円で売却した。
今年2月には、ゴーンCEOは今年6月の任期切れでルノー退任説が報じられていた。
そこで、マクロンはゴーンと裏取引し、マクロン大統領が筆頭株主としてゴーンのCEO再任を認める代わりに、日産の吸収統合を再燃させ、ゴーンにその手続きに入るように指示した可能性がある。
今年3月には、ゴーンは仏政府の関与を除去するため、仏政府所有の15%の株を日産に買い取らせる動きをしていると報じられていた。しかし、肝心の仏政府との交渉はまだこれからだとされていた。
意外と、この報道はゴーンが新聞社にリークし、日産に対してフェイクニュースを流させた可能性もある。
ただ、こうした動きを2月にマクロンが察知していたとしたら、ゴーンの再任と絡め大臣時代の策略を再燃させた可能性もある。
11月8日、マクロン大統領がゴーンCEOの案内でルノー工場を訪問しているが、マクロン大統領の笑顔に対し、ゴーンCEOの顔は終始ひきつっていた。
日産側はゴーンによる、ルノーの日産吸収統合の動きを察知、そこで日産は一連のゴーン不正問題を浮上させたものと見られる。
経産省の世耕はゴーン逮捕事件時の20日、たまたま大阪万博のためフランスにおり、フランスのルメール経済相と話し合い、両国政府はルノー・日産に関与しないことで合意したと報じられていた。しかし、まったくのデタラメ。
仏政府はルノーの筆頭株主であり、日産をルノーに統合させようとしているマクロン大統領の指示を受けたルメール経済相が、仕切りに日産の動きをけん制しまくっている。
安倍首相は日産と話し合い、ルノーとの関係において、日産の許容範囲を聞き、11月30日のブエノスアイレスでのG20会合で、マクロン大統領と直接話し合い、ルノーの持ち株はそのまま、日産がルノー株を10%買い増すこと、アライアンス関係は維持することで、談判すべきではなかろうか。
日産の配当金がルノーの収益の根幹を成すことに代わりはない。持ち株により一定数日産の業績をルノーの決算に取り込むことも出来る。
ただ、日産が工場を空けて日産車をルノー工場(韓国とフランス)で生産することは日産にとって原価高となり、時間を持って解消させることも必要だろう。完全自動運転車の共同開発などはこれまでどおり、部品関係は一部見直しが必要だろうが、それは今後の話し合いとした方が賢明だろう。