アイコン 原油 WTI 74ドル台 1年前より安価に 日本は円安でまだ2割高


インフレ退治の米金利の大幅上昇により米国の生産経済指標が悪化する中、世界最大の原油輸入国の中国はゼロコロナ策による経済低迷が続き、ロシアに対してはG7+αが露産原油に60ドルの上限設定、これにより原油価格は下がり続け、やっと前年並みになってきた。
OPEC+αは200万バレル減産(1億バレル/世界生産量/日)で価格を引き上げようとしているが、一方で、OPEC内でこれまで生産枠を持ちながら老朽化のため生産できなかったベネズエラ(米シェブロン)が今後、数十万バレルの増産に入る。ベネズエラに見られるように実際はOPEC.+αの200万バレル減産に設定していてもそれ以上の大幅減産となっている。ベネズエラの生産枠は150万バレル、実際の生産量は50万バレル水準。

<米国では非製造業部門がインフレ圧力に>
米金利高はインフレ退治、米金融当局はこれまで金利を上昇させ(2月0.25%⇒11月4.00%)、物価高の沈静化に務め、製造業の指数はほとんど下落してきた。しかし、非製造業では、物価高騰、サービス価格の高騰を受けてもなお堅調、12月のFOMC金利決定会合を控え、金利をこれまでのコンセンサスである0.5%もしくは0.25%引き上げではなく、これまで4回も連続して大きく引き上げた0.75%を継続するか、重大な局面に入っている。

原因は雇用が堅調で計算どおり下がっておらず、食料やサービス価格はまだ高く、賃貸住宅の賃料も上昇が続いている。
非製造業が堅調で労賃も上昇して購買力=インフレ圧力にプラスに作用している。

 

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高くても購入すれば物価は上がる。
さらに、これまで高騰していたガソリン価格が下がり、下がった分がほかの消費に回され、そうしたことも非製造業の景況感を押し上げているとも推察される。
米国は消費天国、GDPの70%(日本は53%前後)は消費活動によるもの。消費活動を支える賃金が上昇している以上、購買力が上昇し、高くても購入しインフレを加速させる。

現在の米政権は、製造業中心に見ているが、非製造業部門の動向が内需型製造業の動向を左右し、購買力が強ければ貿易赤字も拡大する。
一方、高価格の米国物はどこの国も輸入しなくなり、貿易赤字だと騒ぎ、兵器を売りつける。日本など米国物を購入するのは米政府が暴利の言い値で売りつける兵器ぐらいだろう。
日本がバブル時代、米国は貿易赤字だと通商交渉を求め、日本の半導体等の産業を崩壊させたのは当時の米国であり、それがトランプ時代には鉾先が中国となったが、今度はどこを血祭りに上げるのだろうか。

実際は、その方法を変え、IRA法など制定し顕著な保護主義に入っている。
うっぱらぱんの新自由主義の最先端を行く日本は、米製ネオコンの尖兵隊長がうろうろしている限り、そのタガは外れない。
正面切って喧嘩もしきらず、中途半端なホワイト国除外では笑ってしまえるほど軟弱。足元は大人の対応ができる状況ではまったくない。

 


スクロール→

原油価格

 

 

対ドル円

原油/月末

 

 

月末

WTI/$

東京/

 

 

 

米相場

日本相場

 

21/10

113

83.42

55,708

 

21/11

113

67.03

48,142

 

21/12

114

76.02

53,155

 

22/1

114

89.88

59,686

 

22/2

115

109.62

66,406

 

22/3

122

102.77

72,988

 

22/4

129

102.72

75,640

 

22/5

128

114.67

82,900

 

22/6

135

105.76

81,940

 

22/7

133

97.34

74,690

 

22/8

138

89.55

76,300

 

22/9

144

79.49

69,910

 

22/10

148

88.37

75,190

 

22/11

138

80.55

66,990

 

127

136

74.31

62,810

 

増減率

19.3%

-2.2%

18.2%

 

WTIは米国の原油先物取引相場、東京取引所のプラッツドバイ原油先物相場

 
 

 

12月の米金利はどれほど上がるのだろうか

米国の各種インフレ率

 

インフレ率

 

全体

食料

コア

家賃

サービス

エネルギ

21/9

5.4

4.6

4

3.16

3.2

24.83

21/10

6.2

5.3

4.6

3.48

3.65

29.97

21/11

6.8

6.1

4.9

3.84

3.77

33.29

21/12

7

6.3

5.5

4.13

4.01

29.3

22/1

7.5

7

6

4.36

4.58

26.98

22/2

7.9

7.9

6.4

4.74

4.8

25.55

22/3

8.5

8.8

6.5

4.98

5.12

32.05

22/4

8.3

9.4

6.2

5.14

5.37

30.27

22/5

8.6

10.1

6

5.45

5.74

34.06

22/6

9.1

10.4

5.9

5.61

6.22

41.62

22/7

8.5

10.9

5.9

5.70

6.25

32.93

22/8

8.3

11.4

6.3

6.24

6.81

23.81

22/9

8.2

11.2

6.6

6.59

7.37

19.80

22/10

7.7

10.9

6.3

6.90

7.20

17.60

・コアインフレ率はエネルギーと食料を除いたもの。

・食品とエネルギーを除くコアインフレ率は下がってきている。

 

  米国 2022

 

可処分

個人

小売

基準

 

所得

消費

販売

金利

21/9

億ドル

0.6

前年比

0.25

21/10

 

1.4

 

0.25

21/11

18,367

0.5

18.5

0.25

21/12

18,396

-0.9

16.8

0.25

22/1

18,080

3.0

13.7

0.25

22/2

18,175

0.7

17.7

0.25

22/3

18,270

1.2

7.0

0.50

22/4

18,320

0.4

7.8

0.50

22/5

18,424

0.7

8.7

1.00

22/6

18,537

1.2

8.7

1.75

22/7

18,616

-0.2

10.0

2.50

22/8

18,700

0.6

9.7

2.50

22/9

18,771

0.6

8.5

3.25

22/10

18,818

0.6

8.2

3.25

22/11

 

 

 

4.00

 

[ 2022年12月 7日 ]

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