アイコン 大阪万博 パビリオンの落札者なしで最初から苦戦 円安が資材高を大きく助長


日建連の宮本洋一会長(清水建設会長)は7月21日、2025年大阪・関西万博の準備が停滞し「(4月の開幕に間に合うか)厳しい状況だ」と危機感をあらわにした。
23年末までの着工で予定通り開幕できるとした日本国際博覧会協会の認識に対しては「何が根拠なのか分からない」とも語った。
万博は海外の国・地域によるパビリオン建設の手続きがまったく進んでいない。
宮本会長は、資材調達や発注など着工前に終える準備にも時間がかかると指摘し、「各国から精度の高い設計図面が一日も早く出されることを期待する」とした。
2022年秋以降、準備の遅れに対する懸念は繰り返し関係者に示していたという。
以上、報道参照

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日建連がそうした懸念を以前から示しても、開催する協会が受け持つ施設も入札業者が現れず、このままでは間に合わなくなるため、随意契約にすると発表していた。
ド官僚組織の国交省は融通は効かず、日建連が図面に基づき見積額を算定し、大阪万博協会に提示すべきではないだろうか。予算の問題が生じるならば、建設環境の大きな狂いであり、協会が再考する必要がある。

世界は万博どころではない。
1、インフレ、欧州の天然ガスがLNG製に変わり、欧州ではガス代が高騰している。
2、インフレ退治の金利高、
3、米ドル高に対する為替安、為替安によるインフレを抑制するため金利高政策
4、新コロナ経済回復途上における金利高による経済疲弊、
5、新コロナ対策でこれまで多額の出費による財政悪化、
6、そして欧州国はウクライナ戦争で多大な出費が続き、更なる財政悪化。
結果、経済も財政も疲弊している。

日本のように紙切れを時の首領が好きなように切れる国など、世界中どこを見まわしても存在しない。日本は財政規律がない珍しい絶滅危惧種の国。
夢洲万博は、大阪商人らしく、万博誘致と賭博場開設を100%絡め、万博開催の大義により政治的密着プレーにより、国からインフラ整備費をほとんど調達しようとし、当初からいかがわしいものになっていた。このままでは2021年東京五輪のように・・・

大阪万博協会は、日本館建設では予算額66億円だったものの、入札不調で、随意契約より10億円高、15.1%高い76億円で清水建設と契約した。
清水建設の23年3月期の粗利率は8.33%、営業利益率は2.82%。資材高が直撃していた。

↓木材とスチールの国際相場に為替を組み入れた単純日本価格の推移
日本の調達価格となる物流経費は入れていない。
また、こうした先物相場は現場に影響するには時間がかかる。


スクロール→

北米産木材価格推移/Lumber (USD/1000 board feet)

月末基準

対ドル円

ドル価格

日本価格

18/12.

112

331

37,072

19/12.(新コロナ前)

109

404

44,036

20/6.

107

435

46,545

20/12.

103

873

89,919

21/5/7.

109

1,686

183,774

21/6.

110

800

88,000

21/12.

113

1,157

130,741

22/3/4.

118

1,441

170,038

22/6.

134

617

82,678

22/10/20.

150

533

79,950

22/12.

134

373

49,982

23/3.

132

371

48,972

23/5.

139

478

66,442

23/6.

144

531

76,464

7/20

140

546

76,440

6/30日相場と新コロナ前の相場比較

32.1%

31.4%

73.6%

 

スチールの国際相場は、元建の国際相場では新コロナ前よりすでに安くなっているが、日本価格は元に対しても円安で、まだ25.2%高くなっている。なお、対ドル元は新コロナ前と今日ではほとんど変わらない(22年には現高となっていたが現在は元安となり、新コロナ前水準となっている)。

スチールは、世界生産量の半分を中国が石炭をボンボン燃やして生産しており、元建て相場となっている。

 


スクロール→

スチールの国際相場の推移 

月末基準

CNY/T(元)

日本価格

対元円

18/12.

3,836

62,488

16.29

19/12.(新コロナ前)

3,746

58,288

15.56

20/6.

3,733

56,704

15.19

20/12.

4,220

66,929

15.86

21/5/7.

5,552

94,273

16.98

21/6.

4,909

84,140

17.14

21/12.

4,548

81,364

17.89

22/3/4.

4,985

93,269

18.71

22/6.

4,501

90,155

20.03

22/10/20.

3,668

75,047

20.46

22/12.

4,001

77,419

19.35

23/3.

4,105

79,350

19.33

23/5.

3,474

68,056

19.59

23/6.

3,676

73,005

19.86

7/20

3,714

73,166

19.70

6/30日相場と新コロナ前の相場比較

-1.9%

25.2%

27.6%

 

[ 2023年7月22日 ]

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