アイコン 追、(株)ガイナックス(東京)/破産開始決定 エヴァンゲリオン 関係リリース2件


続報。東京に拠点をおく、(株)ガイナックスが破産開始決定を受けた。

負債総額は約3,8億円。

以下要約。

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倒産要約版 JC-NET版

1

破綻企業名

(株)ガイナックス 

2

本社

東京都武蔵野市御殿山1-4-20

3

本店

東京都杉並区高円寺南4-7-3

4

代表

神村靖宏

5

設立

1984年12月.

6

資本金

1000万円

7

事業

アニメ映像、ゲーム、キャラクター商品の企画制作販売

8

作品

「王立宇宙軍~オネアミスの翼~」

「新世紀エヴァンゲリオン」(竜つ子プロ共同制作)

「天元突破グレンラガン」

「放課後のプレアデス」、「ステラ女学院高等科C3部」

9

売上高

2010年7月期、約35億円

2016年7月期、約2.4億円

 業績・財務

21/7期、純利益▲4,559万円、総資産16,946万円

10

破綻 1/2

2024年5月29日.

 自己破産申請

11

破綻 2/2

 2024年6月5日.

 破産手続きの開始決定

12

破産管財人

村西大作弁護士(村西大作法律事務所)

 電話:03-5541-6305

13

裁判所

東京地方裁判所  

14

負債額

約3.8億円

15

破綻事由

同社はアニメの映像・ゲーム・各種キャラクター商品の企画・制作・販売会社。過去、多角化路線の失敗や巻代表(当時)刑事事件で逮捕されるなど問題も多いなか、現代表になったものの、多くの負債も抱え、業績は不振が続くなか、再建を目指し(株)カラーが支援してきたものの、手が付けられない状態であることが判明、そうしたなか、今年5月に債権回収会社から債権回収訴訟を起こされ、同社は事業継続が困難となり、今回の自己破産申請となった。なお、、「ガイナックス(GAINAX)」の商標やエヴァンゲリオンなどの作品の版権などは(株)からーに譲渡されている。

16

特記

2006年、庵野秀明取締役(エヴァンゲリオン監督)が㈱カラーを設立して独立(カラー社はジブリパートナーでもある)

2012年前後、飲食店・投資会社など多角化問題表面化

2017年6月、㈱カラーと代表の庵野秀明氏(同社元取締役)から請求訴訟を起こされ、1億円の支払命令判決(地裁)

2018年、創業来の代表が株を(業界部外者の)巻氏に譲渡、代表交代

2019年、巻代表(当時)が準強制わいせつ容疑で逮捕、代表交代

2024年5月、債権回収会社が請求訴訟をおこす

関係記事・・・https://n-seikei.jp/2017/06/gainax-tousan.html

↓同社の「リリース」とカラーの「補足表明分」

 

ガイナックスリリース(原文)

お知らせ

 去る529日、弊社 株式会社ガイナックスは東京地方裁判所に会社破産の申立をおこない、受理されましたことをお知らせいたします。

 1984年の設立以来、弊社ではアニメーション制作やゲームソフトの制作販売等を行ってまいりました。
 『新世紀エヴァンゲリオン』(現在は株式会社カラーが著作権を保有)などいくつかのヒット作にも恵まれましたが、2012年ごろから見通しの甘い飲食店経営、無計画なCG会社の設立、運営幹部個人への高額の無担保貸付、投資作品の失注等、経営陣・運営幹部の会社を私物化したかのような運営により、経済状態が悪化していきました。
 当該経営陣の作った多額の負債により、ロイヤリティ未払いによる委員会除名や貸金訴訟等の窮状に陥る中、地方に当該幹部やその関係者を代表としたガイナックスの社名を冠した関連会社が多数設立され、大量の退職者を出しスタジオとしてのアニメーション制作機能も失いました。それらの会社は弊社との無関係を表明し、経営責任を放棄しています。
 そして、1992年より長くその地位にあった代表取締役から、映像制作に知見のない人物への株式譲渡が当時の経営陣の承認のもと2018年に実施されました。さらに2019年、その人物が代表取締役に就任直後に未成年者への性加害で逮捕されるに至り、多額の負債を抱える中、完全に運営能力を喪失するに至りました。

 前代表取締役の不祥事から発した混乱を収拾するため、債権者でもある株式会社カラー様の善意による支援のもと20202月に経営陣を刷新し、新体制下で残された様々な資料を確認し実態把握に努めてまいりました。その結果、多額の金融機関からの借入や、アニメーション業界各社への債務不履行、知的財産や作品資料を正当な権利者の許諾なく、上述の経営陣・運営幹部の会社や個人への売却、譲渡等の事実が判明し、それらの正常化に取り掛かりました。

 カラー様と新体制での取締役各位の協力により、主たる作品について各製作委員会などで今後の作品運用が可能になるよう協力各社とともに作品の権利の確認、作家、クリエイターへの権利保護と、散逸しつつあった知的財産や資料の正常な管理や運用に努めてきましたが、多くの旧経営陣が株主として残る状況に加え、前体制時に積みあがっていた高額負債解消には至りませんでした。

 そして本年5月に債権回収会社から債権請求訴訟の提訴を受けるに至り、業務の継続は困難との判断から、このたびの破産の申し立てを行った次第です。

 十全に目的を果たすことができず破産を選択せざるを得なかったことは、債権者の皆様およびご協力いただいた各社様に、そしてファンの皆様にたいへん申し訳なく存じます。

 旧経営陣がこの窮状を一切顧みずガイナックスのブランドを用いて活動継続している中、無報酬にもかかわらず協力して頂きました新体制取締役各位と、取締役所属各社様、作家、クリエイターを第一に知財の整理譲渡等にご尽力賜りましたカラー様を始めとする関係各社に改めて感謝申し上げます。
 また、なによりもファンの方々からの40年間のご支援に心から感謝いたします。

202467
株式会社ガイナックス
代表取締役 神村靖宏

付記:
 弊社の屋号やブランドの他者による悪用、乱用を避けるため、「ガイナックス(GAINAX)」の商標はすでに株式会社カラー様に譲渡され管理をいただいています。
弊社ガイナックスは、「株式会社ガイナ(スタジオガイナ)」および「福島ガイナ」(以上いずれも、旧「福島ガイナックス」)、「ガイナックスインターナショナル(GAINAX International)」「GAINAX京都」「米子ガイナックス」「株式会社ガイナックス新潟」「GAINAX WEST」等の法人とは無関係であり、今後、株式会社カラー様との間での利用許諾の無いガイナックス商標の運用は、不正使用となる可能性があります。
 弊社が管理しておりました作品の今後の運用については、破産手続きによる確定後、別途お知らせする所存です。

 

<カラーリリース/補足説明表明分(原文)

2024.06.07

株式会社ガイナックスからのお知らせに関して

ガイナックス公式サイトで発表された破産手続きに関する表明を受け、弊社の立場からいくつか補足を致したく、ガイナックス社・現経営体制との関係性も考慮した上で、公式サイトにて本コメントを掲載申し上げます。

ガイナックス社は、弊社カラー代表取締役である庵野秀明の元所属会社でありましたが、庵野は2006年にカラーを設立、翌年2007年にガイナックス社を退職し、その後、ガイナックス社の株主の立場となっております。

弊社としましては、かねてよりガイナックス社の経営不振及び負債の存在を確認しておりましたため、経営に対し、庵野より懸念を申し上げたり、経営改善に向けた提案をしておりましたが長きにわたり受け入れられず、そのような状況であっても、当時の経営陣からの申し出を許容し、カラーとして援助的な融資などを行ったこともありました。しかし、ガイナックス社の状況は変わらず、事態はさらに悪化を続け、2019年には当時の代表取締役が法人運営とは関係のない刑事事件で逮捕されるという事態にまで陥りました。

ガイナックス社前代表取締役逮捕の後、弊社代表取締役の庵野秀明は、『エヴァンゲリオン』シリーズを中心とする関連作品への風評被害を防ぐため、KADOKAWA様、キングレコード株式会社様、株式会社トリガー様にご協力をお願いしまして、各社から取締役に就任して頂く形で経営陣を刷新し、ガイナックス社の内情を把握、アニメーション業界内のスタジオや作家、クリエイター様への未払いだけでも解消をし、知的財産や資料の散逸を防ごうと、各協力会社と共に動いて参りました。

しかし、ガイナックス社のリリースの通り、内情を把握した段階で既に、手の施しようのない状況の債務超過を抱えている状態にあり、ガイナックス社として、業務の継続が困難になるとの判断が伝わって参りました。

そういった状況を踏まえ、作品と知財に関し、クリエイターや原作者、作家がどうにか今後も作品制作・運用が継続可能となるよう、各製作委員会の協力も得て、弊社が権利確認・整理を進め、最適と思われる会社や個人に権利等が譲渡されるよう取り組みました。

そして、多くの業界関係者への負債を少しでも解消するためにも、弊社からの支援を視野に検討を致しましたが、旧経営陣、前代表取締役の債務も保障せねばならないという理不尽な状況に繋がり、十全に返済を厚くする事が叶いませんでした。

新体制取締役各位及び取締役所属各社様におかれては、知財や今後の運用に関し、作家、クリエイターを第一にお考えいただいた整理譲渡等にご協力して頂き、誠にありがとうございました。ご尽力賜りました製作委員会各社へも改めて感謝申し上げます。

最後に、40年弱の歴史を持つアニメーションスタジオがこのような最後を迎えてしまい、残念でなりません。 なおガイナックス(GAINAX)の商標、称号に関しては、ガイナックス社からのリリースにもある通り、弊社にて取得管理しております。

加えて「ガイナックス社」とは、「株式会社ガイナ(スタジオガイナ)」および「福島ガイナ」(以上いずれも、旧「福島ガイナックス」)、「ガイナックスインターナショナル(GAINAX International)」「GAINAX京都」「米子ガイナックス」「株式会社ガイナックス新潟」「GAINAX WEST」などの、類似社とは別の法人であり、弊社と上記類似会社との間での商標使用許諾契約は行われておりません。
本件についてはダイヤモンド・オンラインでの過去取材記事もご参照頂けます。

以上、

 

関連:大阪府門真市の海洋堂(フィギア製造等)の常連たち岡田斗司夫、武田康廣、赤井孝美、山賀博之、庵野秀明、村濱章司ら関西の学生らが設立した「DAICON FILM」。『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(監督:山賀博之)を制作するためガイナックスを設立。

ガイナックス設立メンバー

代表(初代):岡田斗司夫・山賀博之(共同代表)

副社長:井上博明(「レンズマン」プロデューサー/DAICONメンバー)、

取締役:庵野秀明

 

 

 

 

[ 2024年6月13日 ]
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