不況と失業率の関係の「サーム・ルール」に今回も該当 米不況へ
米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム氏が提唱した「サーム・ルール」。
直近3ヶ月の失業率平均が過去12ヶ月で最も低かった失業率を0.5ポイント上回ると、リセッション(景気後退)の確率が高いという経験則。
1970年代以降に7回抵触、すべての景気後退を先取りした。セントルイス地区連銀の「サーム・ルール景気後退指標」は0.53に上昇している。
FRBの金融政策をめぐる見通しは激変。
雇用統計前は0.25%の利下げが年内2~3回あると幅広く予想されていたが、JPモルガンとシティグループは9月と11月に0.50%ずつ、12月にさらに0.25%の年内合計1.25%の利下げがあるとの見通しに大幅修正している。
ゴールドマン・サックスは9月以降に3回の利下げがあると予想。
12月まで利下げはないとみていたバンク・オブ・アメリカのアナリストは9月利下げ着手に見通しを変えた。
市場関係者の一部は、9月18日のFOMCの金利決定会合の発表を待たずして緊急利下げの可能性もあると考えている。
以上、
「サーム・ルール」は、2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックでも綺麗に現れている。
米景気は、新コロナから回復、バイデン政権の1.9兆ドルの新コロナ経済対策投資により世界で資源高・穀物高・食料品高のインフレを生じさせた。
今度はインフレ退治の高金利、一方でChips法やIRA法というバイデンインフレ促進策が講じられ、巨大工場が米国のあちこちに建設され、景気の落ち込みを食い止めてきた。
また、ウクライナ戦争・イスラエルガザ戦争における戦争特需も景気を押し上げてきた。結果、5.5%の金利を1年以上続ける結果となっている。
この5.5%の金利は新コロナストックをなくした消費者、借金を負う企業にとってボディーを直撃し、ダウン寸前になっているのが、5月・6月・7月と悪化し続ける失業率に現れてきている。
30年住宅ローンの金利が5月1日は7.22%、7月31日は6.73%まで下がっているが、こうした高金利もあり、住宅産業も今年2月を最後に下落に転じている。
高金利の自動車ローンにより6月・7月は両月とも前年同月比で▲3.0%自動車販売台数を落としている。
スクロール→
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アメリカ の景気 |
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米国 |
CPI |
小売高 |
ADP |
失業率 |
|
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コアコア |
前年比 |
雇用変化 |
総合 |
若年 |
|
|
|
|
|
千人(増) |
|
|
|
23/1. |
5.4% |
7.7% |
131 |
3.4% |
8.1% |
|
23/2. |
5.3% |
5.5% |
275 |
3.6% |
8.1% |
|
23/3. |
5.1% |
2.2% |
103 |
3.5% |
7.5% |
|
23/4. |
4.6% |
1.6% |
293 |
3.4% |
6.6% |
|
23/5. |
4.2% |
2.3% |
206 |
3.7% |
7.5% |
|
23/6. |
3.5% |
1.9% |
543 |
3.7% |
7.5% |
|
23/7. |
3.3% |
2.9% |
307 |
3.6% |
8.0% |
|
23/8. |
3.1% |
3.0% |
135 |
3.5% |
8.6% |
|
23/9. |
2.8% |
4.2% |
137 |
3.8% |
8.4% |
|
23/10. |
2.7% |
2.7% |
111 |
3.8% |
8.8% |
|
23/11. |
2.5% |
4.0% |
104 |
3.7% |
8.0% |
|
23/12. |
2.4% |
5.5% |
158 |
3.7% |
8.0% |
|
24/1. |
2.5% |
0.3% |
111 |
3.7% |
7.3% |
|
24/2. |
2.4% |
2.1% |
175 |
3.9% |
8.8% |
|
24/3. |
2.6% |
3.6% |
211 |
3.8% |
8.8% |
|
24/4. |
2.6% |
2.8% |
188 |
3.9% |
8.2% |
|
24/5. |
2.5% |
2.6% |
157 |
4.0% |
9.2% |
|
24/6. |
2.5% |
2.3% |
150 |
4.1% |
8.9% |
|
24/7. |
|
|
122 |
4.3% |
9.1% |





