24年上半期の分譲マンション発売状況▲13.7%減 4年ぶり1万戸割れ
不動産経済研究所が発表した2024年上半期の新築分譲マンションの発売状況は次のとおり。
◎発売は▲13.7%減の9,066戸。上期としては4年ぶりの1万戸割れ。
◎平均価格は7,677万円、㎡単価 115.7万円。昨年の反動で下落も高値を維持。
◎初月契約率は67.0%、前年比で▲5.7ポイントダウンして2020年来 4年ぶり60%台。
◎下半期は大規模案件の供給増で1.9万戸、2024年は年間で約2.8万戸の見込み。
1.発売戸数と契約率
2024年上半期の発売戸数は9,066戸、前年同期の1万502戸比で1,436戸減、率にして13.7%減だった。これは過去最多の2000年の4万6,816戸の▲8割減で、4年ぶりに1万戸も割り込んでいる。
また、初月契約率は 67.0%、前年同期の72.7%と比し、▲5.7ポイントダウンとなり、上期としては4年ぶりの70%割れとなった。全域で契約率がダウンしている。
なお、契約率は発売開始から1ヶ月以内の発売戸数に対する契約率で、上半期の累積契約率は80.5%、前年同期の84.0%と比して▲3.5ポイントダウンしている。
2、地域別別の内訳は
東京 23 区は3,319戸、首都圏シェアは36.6%、契約率は63.4%で前年比▲5.7ポイント減で4年ぶり70%を割り込んだ。
東京都下は 877戸、同9.7%、契約率は61.6%で▲1.8ポイント減
神奈川県は 2,162戸、同23.8%、契約率は68.0%で▲3.9ポイント減
埼玉県は891戸、同9.8%、契約率は60.3%で▲2.3ポイント減、
千葉県は 1,817戸、同20.0%。契約率は78.3%で▲0.9ポイント減
3、平均価格・㎡単価
分譲マンションの戸当り平均価格は7,677万円、1 ㎡当り単価は115.7万円。
これは前年同期比で平均価格は ▲1,196万円ダウン、率にして13.5%ダウンし、㎡単価も 16.4万円ダウン、率にして12.4%ダウンしている。
期としては平均価格、㎡単価ともに過去最高値だった前年同期から大幅ダウン。ダウンは 3年ぶり。
これは、都区部の2億円を超える高額分譲マンションの発売戸数が減少したことによるダウンとなったもの。
4、地域別では、
東京23区は平均発売価格は前年同期比▲16.3%減の1億 855万円、1 ㎡当り単価は同▲10.3%ダウンの172.6万円、
東京都下は 1.7%高の5,704万円、0.6%上昇の85.1万円、
神奈川県は7.7%高の6,188万円、7.0%上昇の93.0 万円、
埼玉県は2.8%高の5,161万円、▲0.3%下落の77.0万円、
千葉県は22.3% 高の5,831万円、19.7%上昇の19.7万円。
5、新築分譲マンションの販売在庫数
6月末の在庫数は5,418戸、
23年6月末は4,951戸比で467戸増となった、
なお、22年6月末の在庫数は5,072戸、21年6月末は6,395戸。
6、2024年上半期の特徴
●上半期としては 3年連続減。都下、神奈川県、千葉県が増加も東京 23 区と埼玉県が 3割減。地価上昇により23区は湾岸エリアも都心も発売戸数が減少、埼玉はサイタマブームが剥離したもの。
●上半期の 1万戸割れは新コロナパンデミックからの緊急事態宣言の影響が大きかった2020年の7,489戸以来 2度目。
●価格はグロス、単価ともに3年ぶりの下落。東京 23区は 16.3%ダウンも2年連続の1億円超え。
●東京23区のシェアは 36.6%にまで低下。上期のシェアが40%を下回るのは 2008年以来16年ぶり。
●初月契約率は 67.0%で4年ぶりに70%を下回る。大型がけん引した千葉県のみ7割を大きく上回った。
7、下半期の供給について
●下半期(7~12月)の供給見込みは 1万9,000戸で、前年同期の1万6,371戸に比し16.1%増を見込んでいる。
●東京 23区を中心に多数の大型案件が販売開始。定借物件の供給増がマイナス要因にも。
●年間供給は約2.8万戸。2023年26,873戸と比し4.2%増の見込み。
以上、不動産経済研究所、NHK参照