8月の実質賃金▲0.6%減 早没 +は2ヶ月しか続かず 米暴騰が影響
省が10月8日に公表した8月の毎月勤労統計(速報)によると、実質賃金は前年比0.6%減と、6月・7月と賃上げでプラスとなったものの、再びマイナスに転落した。
賃上げは続いているが、ボーナスの前年比が7月より縮小したうえ、米の暴騰は続き、食品値上げで物価上昇ペースが加速したことが響いた。
<現金給与総額32ヶ月連続プラス・スズメの涙の増加続く>
労働者1人当たりの平均名目賃金を示す現金給与総額は前年比3.0%増の29万6588円となり32ヶ月連続でプラスとなった。
ただ、伸び率は7月の3.4%から縮小した。 ボーナスなど特別に支払われた給与の前年比が7月の6.6%増から2.7%増に縮小したのが響いた。
消費者物価指数(持家の帰属家賃除く総合)の前年比は、生鮮食品の値上げなどにより3.5%上昇と7月の3.2%から加速した。
<米・暴騰続く>
特に米は29.9%(うるち米価格、さらに高率のコシヒカリ除く)も上昇し、9月の先行指数である9月の東京でも42.0%も上昇している。
石破氏は米騒動が起きても不思議でない日本にあり、前政権で米暴騰の責任者であった坂本農相(熊本田舎部選出)を重要ポストに抜擢している。選挙を前に石の潔癖さは消えうせ、意志はすでに破れかぶれのようだ。
生活に直結する食料と光熱費
8月の食料物価指数は117.6、水道光熱費は118.9(水道は値上げしておらず光熱費の上昇を抑えている)。食料や光熱費の上昇率に匹敵して賃金は上がらず、生活に苦しむ人たちが多く、生活費のやりくりに、ほかの商品の購買力が落ち、消費全体が低迷する原因となっている。
欧米では物価とともに賃金が上昇し、国民の不満を吸収している。さらに米国では先の港湾労働者の賃金ストでは6年60%上昇で妥結している。日本人は爪楊枝人になり、病的不感症状態が続いているようだ。
スクロール→
日本の食料インフレ率 |
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22年 |
23年 |
24年 |
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1月 |
2.1% |
7.3% |
5.2% |
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2月 |
2.8% |
7.5% |
4.8% |
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3月 |
3.4% |
7.8% |
4.8% |
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4月 |
4.0% |
8.4% |
4.3% |
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5月 |
4.1% |
8.6% |
4.1% |
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6月 |
3.7% |
8.4% |
3.6% |
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7月 |
4.4% |
8.8% |
2.9% |
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8月 |
4.7% |
8.6% |
3.6% |
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9月 |
4.2% |
9.0% |
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10月 |
6.2% |
8.6% |
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11月 |
6.9% |
7.3% |
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12月 |
7.0% |
6.7% |
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・2020=100、24/8の食品指数は117.6、うち生鮮120.8、生鮮除く食品は117.1と2020年からともに大きく上昇している。 |
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一方、所定内給与は、前年比3.0%増(7月は同2.4%増)の26万4038円と改善した。
残業等所定外給与も同2.6%増(7月▲0.2%減)の1万9599円と2ヶ月ぶりにプラスとなった。
日銀が重視しているとされる共通事業所ベースの所定内給与は前年比2.9%増で7月と横ばいだった。
毎月勤労統計で用いられる消費者物価指数は、2020年基準の持ち家の帰属家賃を除くベース。食品などの値上げにより昨年1月に5.1%まで上昇、その後ほぼ3%台で推移している。