アイコン スーパーゼネコン4社 業績推移と受注・受注残状況 国土強靭化で土木安泰


スーパーゼネコンの売上高は、大規模再開発が長期にわたり継続しており、一方で国土強靭化政策が地方自治体の投資も含め続き拡大しており、今や2兆円を越える売上高のスーパーゼネコンとなっている。

しかし、一方で、スーパーゼネコンは建築でも土木でも施工問題を抱え、利益を大きく損なっている。大林・清水・大成とも各500億円以上の失敗工事をあらわにしていた。
こうした失敗工事がなければ、一定の利益を出すのであろうが、資材高・労務費の高騰もあり、建設コストは上昇し続けているものの、失敗工事でなかなかそうした数値が見えてこない。

唯一大きな問題工事がない鹿島の営業利益率は、土木では材料費の高騰を少しずつ受けているようだ。建築も少し受けているが、同社は今25/3Q2は大型工事の売上高が少なかった関係で営業利益率も低下したと説明している。
なお、鹿島は、海外は海外事業として分類し、24/3月期の連結では海外事業として8,596億円、営業利益169億円を計上している(海外工事の一部は本体が行っている)。
  なお、スーパーゼネコンの一角で建築主体の竹中工務店の業績推移も下記に掲載。

日本政府の物価高政策続く
今後の注意点、9月24日の総合経済対策を講じた中国、不動産が動き出せば、その過程からスチール価格(鉄骨・鉄筋・厚板ほか)が高騰することになる。
日本は、(政府により)日本経済のための超円安政策により、鋼材価格は高止まりしており、このままトランプ経済に移行すれば、日本は金利を上げない限り、超円安どころか暴落することになる。
トランプ次期大統領と石破首相の電話会談は5分、トランプ氏はすでに主要な国の首脳と電話しているが、日本は電話時間の最短記録を作っている。

先が見えないトランプ政策
唯一救われるのは、トランプ氏が日本の円は安すぎるとしており、日本政府に金利を上げさせる可能性があること。
最悪は、円が安すぎるとして輸入品全部に10%関税を課すとしており、日本だけ20%にする可能性があること。
トランプ氏は対日強硬派を、CIAやNSBなどの情報機関を束ねる国家情報長官(女性)に起用する。
いずれにしろ日本経済を直撃する。



 

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スクロール→

<鹿島/資材高・労務費高の影響度は・・・>

鹿島 土木と建築のセグメント業績 /億円

 

 

売上高

営業利益

営利率

第2四半期(中間決算)

土木

25/32

1,945

141

7.2%

建築

25/32

4,744

190

4.0%

 

 

 

 

 

土木

24/32

1,738

102

5.9%

建築

24/32

5,821

353

6.1%

 

 

 

 

 

土木

23/32

1,420

93

6.5%

建築

23/32

5,029

234

4.7%

通期 (本決算)

土木

24/3

3,633

232

6.4%

建築

24/3

11,042

533

4.8%

 

 

 

 

 

土木

23/3

3,016

293

9.7%

建築

23/3

10,862

466

4.3%

 

 

 

 

 

土木

22/3

2,718

196

7.2%

建築

22/3

9,206

501

5.4%

 

 

 

 

 

土木

21/3

3,347

298

8.9%

建築

21/3

7,822

578

7.4%

 

<スーパーゼネコンの業績推移>

営業利益は鹿島除く3社は大型の失敗工事を噴出させており、利益率は見えにくくなっている。

業績推移 単位:百万円

鹿島

1812

売上高

営業利益

営利率

経常利益

当期利益

22/3

2,079,695

123,382

5.9%

152,103

103,867

23/3

2,391,579

123,526

5.2%

156,731

111,789

24/3

2,665,175

136,226

5.1%

150,112

115,033

 前期比

11.4%

10.3%

 

-4.2%

2.9%

25/3

2,800,000

140,000

5.0%

144,000

116,000

 前期比

5.1%

2.8%

 

-4.1%

0.8%

中間決算 20253月期Q2

24/2

1,302,802

66,439

5.1%

72,856

50,034

25/2

1,321,658

48,090

3.6%

48,958

35,147

 前期比

1.4%

-27.6%

 

-32.8%

-29.8%

大林

1802

売上高

営業利益

営利率

経常利益

当期利益

22/3

1,922,884

41,051

2.1%

49,844

39,127

23/3

1,983,888

93,800

4.7%

100,802

77,671

24/3

2,325,162

79,381

3.4%

91,515

75,059

 前期比

17.2%

-15.4%

 

-9.2%

-3.4%

25/3

2,510,000

93,000

3.7%

98,000

87,000

 前期比

7.9%

17.2%

 

7.1%

15.9%

中間決算 20253月期Q2

24/2

1,081,360

30,843

2.9%

38,009

29,741

25/2

1,240,596

45,497

3.7%

49,719

55,100

 前期比

14.7%

47.5%

 

30.8%

85.3%

大成

1801

売上高

営業利益

営利率

経常利益

当期利益

22/3

1,543,240

96,077

6.2%

103,247

71,436

23/3

1,642,712

54,740

3.3%

63,125

47,124

24/3

1,765,023

26,480

1.5%

38,910

40,272

 前期比

7.4%

-51.6%

 

-38.4%

-14.5%

25/3

1,990,000

87,000

4.4%

97,000

83,000

 前期比

12.7%

228.5%

 

149.3%

106.1%

中間決算 20253月期Q2

24/2

738,133

13,069

1.8%

18,306

14,873

25/2

952,298

40,533

4.3%

49,748

44,849

 前期比

29.0%

210.1%

 

171.8%

201.5%

清水

1803

売上高

営業利益

営利率

経常利益

当期利益

22/3

1,482,961

45,145

3.0%

50,419

47,761

23/3

1,933,814

54,647

2.8%

56,546

49,057

24/3

2,005,518

-24,685

 

-19,834

17,163

 前期比

3.7%

 

 

 

-65.0%

25/3

1,860,000

56,000

3.0%

54,000

60,000

 前期比

-7.3%

黒転

 

黒転

249.6%

中間決算 20253月期Q2

24/2

936,878

165

0.0%

5,155

16,249

25/2

837,387

17,700

2.1%

18,685

10,676

 前期比

-10.6%

10627.3%

 

262.5%

-34.3%

スーパーゼネコン4社合計

 

売上高

営業利益

営利率

経常利益

当期利益

22/3

7,028,780

305,655

4.3%

355,613

262,191

23/3

7,951,993

326,713

4.1%

377,204

285,641

24/3

8,760,878

217,402

2.5%

260,703

247,527

 前期比

10.2%

-33.5%

 

-30.9%

-13.3%

25/3

9,160,000

376,000

4.1%

393,000

346,000

 前期比

4.6%

73.0%

 

50.7%

39.8%

中間決算 20253月期Q2

24/2

4,059,173

110,516

2.7%

134,326

110,897

25/2

4,351,939

151,820

3.5%

167,110

145,772

 前期比

7.2%

37.4%

 

24.4%

31.4%

 

<受注と受注残>

今中間期、スーパーゼネコン4社合計では、土木の官庁工事が大幅に増加し36.8%も増加している。連れて官庁土木の受注残も19.2%増の3.8兆円となっている。

建築工事は官民合計でほぼ変わらないが、受注残は増加している。

受注状況 2025年3月期Q2まで (4社とも単体)/単位:百万円

・総受注は建設のみで本体の海外工事を含む。鹿島は海外事業は別会社で一括計上。

鹿島

 

国内土木・受注

国内建築・受注

総受注

  

官庁土木

民間土木

官庁建築

民間建築

24/2

108,198

71,535

24,895

620,337

825,666

25/2

118,138

92,820

4,352

536,276

751,243

 前期比

9.2%

29.8%

-82.5%

-13.6%

-9.0%

中間期末受注残(9月30日) 

24/2

444,226

194,504

81,271

1,196,584

1,928,316

25/2

496,641

238,904

93,019

1,442,286

2,280,351

 前期比

11.8%

22.8%

14.5%

20.5%

18.3%

大林

 

国内土木・受注

国内建築・受注

総受注

  

官庁土木

民間土木

官庁建築

民間建築

24/2

53,871

58,289

15,765

380,811

528,815

25/2

95,023

104,449

47,026

601,802

895,785

 前期比

76.4%

79.2%

198.3%

58.0%

69.4%

中間期末受注残(9月30日) 

24/2

2,079,695

123,382

0

152,103

103,867

25/2

2,391,579

123,526

0

156,731

111,789

 前期比

15.0%

0.1%

-12.9%

3.0%

7.6%

大成

 

国内土木・受注

国内建築・受注

総受注

  

官庁土木

民間土木

官庁建築

民間建築

24/2

119,111

61,183

30,550

252,999

507,541

25/2

180,388

33,215

51,306

366,966

632,682

 前期比

51.4%

-45.7%

67.9%

45.0%

24.7%

中間期末受注残(9月30日) 

24/2

460,857

288,240

344,995

1,240,857

2,517,747

25/2

647,029

293,044

277,677

1,339,612

2,705,148

 前期比

40.4%

1.7%

-19.5%

8.0%

7.4%

清水

 

国内土木・受注

国内建築・受注

総受注

  

官庁土木

民間土木

官庁建築

民間建築

24/2

65,555

77,426

46,361

797,074

1,013,371

25/2

80,792

36,570

17,169

411,501

579,276

 前期比

23.2%

-52.8%

-63.0%

-48.4%

-42.8%

中間期末受注残(9月30日) 

24/2

243,967

240,704

142,618

1,522,965

2,381,062

25/2

312,304

217,698

144,363

1,455,242

2,338,847

 前期比

28.0%

-9.6%

1.2%

-4.4%

-1.8%

スーパーゼネコン4社合計 受注と受注残

 

国内土木・受注

国内建築・受注

総受注

  

官庁土木

民間土木

官庁建築

民間建築

24/2

346,735

268,433

117,571

2,051,221

2,875,393

25/2

474,341

267,054

119,853

1,916,545

2,858,986

 前期比

36.8%

-0.5%

1.9%

-6.6%

-0.6%

中間期末受注残(9月30日) 

24/2

3,228,745

846,830

568,884

4,112,509

6,930,992

25/2

3,847,553

873,172

515,059

4,393,871

7,436,135

 前期比

19.2%

3.1%

-9.5%

6.8%

7.3%

 

<スーパーゼネコン 4社+竹中>

建築主体の竹中工務店、通期業績で見る限り、営業利益率は減少し続けている。

営業利益率の減少は、建築では五輪特需がなくなり受注競争激化、資材や労務費・外注費の高騰による建築コスト高が想定される。

同社の営業利益率が低いのは、ほかのスーパーゼネコンのように儲けさせてくれる官庁土木工事の売上高が少ないため、その恩恵に授かれないことも要因。

竹中工務店グループで、土木を担当している竹中土木の23/12月期の売上高は877億円で同期の連結売上高の4.6%にすぎない。

竹中工務店 非上場  12月決算 連結/百万円

 

売上高

営業利益

営利率

経常利益

当期利益

22/122

636,350

16,028

2.5%

22,671

17,465

23/122

741,432

-1,347

 

7,338

13,235

24/122

771,909

32,893

4.3%

43,613

30,496

 前期比

4.1%

黒転

 

494.3%

130.4%

通期

18/12

1,353,627

85,063

6.3%

93,977

63,638

19/12

1,352,064

80,235

5.9%

89,502

68,918

20/12

1,237,758

39,788

3.2%

46,954

30,528

21/12

1,260,430

46,367

3.7%

57,799

39,346

22/12

1,375,410

28,333

2.1%

39,392

30,266

23/12

1,612,423

45,678

2.8%

59,301

37,464

 前期比

17.2%

61.2%

 

50.5%

23.8%

・なお、24/12期の予想は公表していない。

             

 

<北米産木材とスチールの国際相場>

日本価は為替に相場価格を掛け算した単純日本価格。

世界指標の木材価格

スチールの国際相場

米シカゴ先物取引市場等

木材 Lumber (USD/1000 board feet)

スチール価格 CNY/T

月末

対ドル円

ドル価

日本価

対元円

元価

日本価格

 

 

相場

 

 

相場

 

18/12.

112

331

37,072

16.29

3,836

62,488

19/12.

109

404

44,036

15.56

3,746

58,288

(コロナ前)

20/6.

107

435

46,545

15.19

3,733

56,704

20/12.

103

873

89,919

15.86

4,220

66,929

21/5/7.

109

1,686

183,774

16.98

5,552

94,273

21/9.

 

 

 

17.25

5,835

100653

21/12.

113

1,157

130,741

17.89

4,548

81,364

22/3/4.

118

1,441

170,038

18.71

4,985

93,269

22/10/20.

150

533

79,950

20.46

3,668

75,047

22/12.

134

373

49,982

19.35

4,001

77,419

23/3.

132

371

48,972

19.33

4,105

79,350

23/5.

139

478

66,442

19.59

3,474

68,056

23/6..

144

531

76,464

19.86

3,676

73,005

23/7.

142

514

72,988

19.92

3,674

73,186

23/8.

145

509

73,805

20.05

3,757

75,328

23/9.

149

501

74,649

20.48

3,670

75,162

23/10.

150

546

81,900

20.73

3,802

78,815

23/11.

148

542

80,216

20.91

3,866

80,838

23/12.

141

542

76,422

19.88

3,956

78,645

24/3.

151

583

88,033

20.96

3,421

71,704

24/4.

157

529

83,053

21.79

3,493

76,112

24/5.

157

506

79,442

21.72

3,519

76,433

24/6.

160

450

72,000

21.62

3,448

74,546

24/7..

158

499

78,842

20.77

2,944

61,147

24/8.

146

492

71,832

20.40

2,950

60,180

24/9.

143

521

74,503

20.46

3,417

69,912

24/10.

153

545

83,385

21.36

3,253

69,484

 11/15

154

606

93,324

21.33

3,178

67,787

コロナ前比

41.2%

50.0%

111.9%

37.0%

-15.2%

16.2%

23年末比

9.2%

11.8%

22.1%

7.3%

-19.7%

-13.9%

 

対弗安

 

 

対元安

 

 

 

[ 2024年11月18日 ]

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