震災からパンデミックまで...サプライチェーン断絶が招いた企業崩壊のリアル
サプライチェーンとは、原材料の調達から製品の製造・流通・販売まで、商品の供給に関わる一連の流れや仕組みのことを指す。
例えば、鉱山から採掘された原材料が工場で加工され、その後、輸送を経て小売店や消費者に届くプロセス全体がサプライチェーンである。これが途切れると、必要な材料や製品が手に入らなくなり、生産や販売が止まることになる。
その、サプライチェーンの断絶は企業経営に深刻な影響を及ぼし、最悪の場合には倒産に至るものである。特に、自然災害やパンデミックといった予期せぬ事態により、供給網が寸断される事例が見受けられる。
例えば、東日本大震災では、多くの企業がサプライチェーンの断絶に直面した。震災の影響により、被災地の仕入れ先が壊滅的な被害を受けた結果、必要な部品や原材料の調達が困難となり、生産活動の継続が不可能となった企業も存在する。
また、熊本地震においては、自動車部品を扱うメーカーが被災し、供給先の国内生産が停止する事態が発生し、サプライチェーン全体に大きな影響を与えた。
さらに、新型コロナウイルスの世界的流行により、国際的なサプライチェーンが混乱をきたし、部品や原材料の供給が滞った結果、経営が行き詰まる企業も見られた。
これらの事例から明らかなことは、サプライチェーンの脆弱性を認識し、リスク管理や事業継続計画(BCP)の策定が企業経営において極めて重要であるという点である。特に、中小企業においては、事業承継や人材確保の課題がサプライチェーン断絶のリスクを高める要因となり得るため、早急な対策が求められる。
参考リンク:
- 失敗事例に学ぶ 事業存続の分岐点
- サプライチェーンリスクと危機からの復旧 - 経済産業省
- 新型コロナウィルスの世界的流行に起因するサプライ・チェーンの断絶
- 第17回 「SCM(サプライチェーンマネジメント)」の課題と解決