アインホールディングス、さくら薬局グループ買収で調剤薬局業界の再編進む
調剤薬局大手のアインホールディングス(東証プライム上場)は2025年5月28日、さくら薬局グループを展開するNSSK-WWの全株式を取得する契約を締結したと発表した。取得価格は591億円で、実行は同年8月を予定している。これによりアインの店舗数は2,000店を超え、首都圏、関西圏、東海地方など都市部でのドミナント展開を一段と強化する見込みだ。
NSSK-WWは2021年にファンドNSSKが設立した持株会社で、クラフト株式会社とさくら薬局株式会社を傘下に持つ。株式の92.1%はケイマン籍のNSSKファンドが保有している。2024年3月期の連結業績は売上1,536億円、営業利益127億円、純利益36億円、総資産は1,636億円となっている。
アインホールディングスは、買収による相互ノウハウの融合で地域密着型医療サービスの質向上と企業価値増大を狙うとしている。買収資金には価格調整の可能性もあるが、2026年4月期の業績への影響は現在精査中と説明した。
今回の買収は、医療費抑制の継続に伴い規模拡大が不可欠となっている調剤薬局業界における重要な再編の一環だ。さくら薬局の都市部での強みはアインにとって魅力的な資産であり、ファンド側のEXITとタイミングが合致した格好だ。
ただし、買収後の文化やオペレーションの統合(PMI)は課題が大きく、組織運営や人材維持に失敗すれば逆に混乱を招くリスクもある。アインはこれまでも多数のM\&Aを経験してきたが、今回ほど統合の「質」が問われる案件は珍しい。
また今後、ウエルシアホールディングスやスギホールディングスといった他の大手との競争激化も予想され、アインがこの大型買収を企業価値の飛躍に結びつけられるかは今後の経営手腕にかかっている。





