リクルート、米HR事業で1,300人削減──「成長神話」に陰り?雇用市場の鈍化が背景に
リクルートホールディングス(東証プライム:6098)は米国時間の7月10日(日本時間7月11日)、米国の子会社IndeedおよびGlassdoorにおいて、従業員の約6%にあたる1,300人の人員削減を実施すると発表した。対象はHRテクノロジー事業で、本年4月時点の人員規模に対するものであり、リクルートが成長の柱と位置づけてきた事業分野でのリストラとなる。
同社は5月に公表した2026年3月期の業績予想に、今回の人員削減によるコスト削減効果をすでに織り込んでいると説明しており、現時点で業績予想の修正はないとしている。
雇用ブームの終焉?世界的な鈍化が影
Indeedはパンデミック後の米国を中心とした雇用回復の波に乗り、一時は求人メディア業界で圧倒的な存在感を示していた。しかしここにきて、米国をはじめとした先進国での求人件数の減速や企業の採用抑制、広告単価の低迷が響いており、業績面での調整局面に入っていると見られる。
加えて、生成AIなどの登場により求人広告の自動化が進む中で、従来のマンパワー中心の運営体制では競争力維持が難しくなっている。人員削減はこうした構造変化に対する“守りの一手”とも取れる。
国内経済にも波及か──外需依存モデルの見直し迫られる
リクルートは国内での成長が鈍化するなか、Indeedなどの海外事業を収益の柱としてきた。この外需依存モデルに陰りが見え始めたことは、日本のグローバル企業に共通する課題でもある。
為替や金利といった外部要因に加え、雇用や消費といった現地経済の影響を強く受ける中で、海外展開のリスクが改めて浮き彫りとなった。リクルートの人員削減は、単なる企業再編にとどまらず、ポストコロナ経済の構造転換を象徴する出来事とも言える。
今後は、国内外を問わず「人材×テクノロジー」領域での新たなビジネスモデルの模索が求められる。リクルートにとっても、Indeedの次を見据えた成長戦略が急務となるだろう。





