アイコン 指定管理者ゼロで休館へ 館ケ森高原ホテルが映す公共施設の限界


岩手県一関市藤沢町の「館ケ森高原ホテル」と温浴施設「まさぼうの湯」が、指定管理者不在を理由に休館へ追い込まれる。背景には、地方自治体が全国で直面している「公共施設の維持限界」と、指定管理者制度そのものの機能不全がある。

最大の要因は、事業として「利益が出ない」構造だ。宿泊・温浴施設は光熱費の比率が高く、エネルギー価格の高騰が直撃する。一方で地方施設は客単価を引き上げにくく、赤字を抱えやすい。客足減少により修繕や投資が後回しになり、施設の魅力が低下する悪循環も深刻だ。周辺に民間観光施設がある館ケ森エリアでは、公共施設の機動力の低さがより浮き彫りになる。

 

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指定管理者制度の限界も露呈した。補助金を受け取っても、赤字リスクは基本的に事業者負担。営業時間や料金体系が硬直的に定められ、柔軟な経営改善ができない条件下では、民間にとって「割に合わない事業」と判断されやすい。今回の応募ゼロは、その象徴と言える。

市は今後、「民営化」か「廃止」かという厳しい選択を迫られる。赤字施設を引き受ける民間は限られ、売却には大幅な条件緩和や改修費の公的負担が不可欠となる。一方で、人口減少が進む中、税金を投じて維持し続ける妥当性も問われる。

館ケ森の休館は一自治体の問題ではない。かつて全国で整備された公共宿泊・温浴施設が、同様の理由で次々と岐路に立たされている。用途転換や役割の再定義を含め、公共施設の在り方そのものが、いま改めて問われている。

 

[ 2026年1月29日 ]
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