卵1パック308円時代へ 鳥インフルと円安が招く「構造高騰」
卵1パック308円。かつて「物価の優等生」と呼ばれた卵が、いまや家計を直撃する存在になっている。今回の価格高騰は一時的な需給ひっ迫ではなく、複数の構造要因が重なった結果だ。
最大の要因は、2025〜2026年シーズンに過去最悪ペースで拡大している鳥インフルエンザだ。年明け以降、感染事例が急増し、殺処分は700万羽規模に迫る。採卵鶏はすぐには回復せず、再び卵を安定供給できるまでには半年近くを要するため、供給不足は長期化しやすい。
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加えて、円安による飼料価格の高騰、エネルギーコスト上昇が養鶏農家を圧迫している。農業分野の倒産も増加傾向にあり、生産基盤そのものが縮小していることが価格の下支え要因となっている。外食産業では卵メニューの休止や代替素材への切り替えが再び進み、加工用卵の不足も食品全体に波及している。
今後の焦点は三つある。第一に、防疫一辺倒からワクチン導入を含む新たな対策への議論だ。大量殺処分を前提とする現行体制では供給の安定が難しい。第二に、卵の価格と価値の見直し。持続可能な生産体制を維持するには、適正価格の受容と高付加価値化が不可欠となる。第三に、加工分野での代替原料や輸入液卵の活用など、サプライチェーンの多様化である。
300円超えは単なる高騰ではなく、これまでの「安さ優先モデル」の限界を示すシグナルともいえる。2026年は、卵の価格だけでなく、供給のあり方そのものが問われる年になりそうだ。
[ 2026年2月18日 ]
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