【岩手】追報:いわて北上リテールマネジメントが破産開始 負債2億6800万円、旧さくら野百貨店北上店を承継
岩手県北上市の(株)いわて北上リテールマネジメントが2026年8月31日、盛岡地裁から破産手続き開始決定を受けた。
同社は同日、盛岡地裁へ自己破産を申請していた。破産時点の負債総額は約2億6800万円。2026年3月期末時点で判明していた約2億5300万円から増加した。
同社は2023年、青森市の(株)さくら野百貨店から北上店事業を会社分割により承継して設立された会社で、北上市中心部の商業施設で「ツインモールさくら野」を運営していた。
前回記事:「さくら野百貨店北上店」事業を承継したいわて北上リテールマネジメントが自己破産申請
8月31日に破産手続き開始、負債は約2億6800万円
いわて北上リテールマネジメントは2026年8月31日、盛岡地裁から破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人には山崎哲雄弁護士が選任されている。
債権届出期間は2026年10月14日まで。財産状況報告集会、一般調査、廃止意見聴取、計算報告などの期日は2026年12月15日午後2時30分に予定されている。
事件番号は令和8年(フ)第320号。
負債総額は8月31日時点で約2億6800万円。前回の自己破産申請時に判明していた2026年3月期末時点の約2億5300万円から約1500万円増加している。
2023年にさくら野百貨店から北上店事業を承継
いわて北上リテールマネジメントは、さくら野百貨店北上店の事業を地域で継続するため、2023年8月に(株)さくら野百貨店からの新設分割によって発足した。
同月末には、北上市などが出資する第三セクターで、ツインモールプラザを運営していた北上都心開発(株)が新会社の全株式を取得し、完全子会社化した。
北上店の従業員も新会社へ転籍し、(株)さくら野百貨店とは商標などのライセンス契約を締結。「さくら野」の名称を使用しながら、「TMさくら野」「ツインモールさくら野」として営業を継続していた。
なお、青森県青森市に本社を置く(株)さくら野百貨店は今回破産した法人とは別会社であり、今回の破産手続きの対象ではない。
売上高15.5億円から12.2億円へ減少
事業承継後も小売業界の競争激化などから集客が伸び悩み、設立当初から厳しい経営が続いていた。
2025年3月期には売上高約15億5600万円を計上したものの、2026年3月期には約12億2500万円まで減少。同時期に約5100万円の最終赤字を計上し、債務超過が拡大していた。
売上高は1年間で約3億3100万円、率にして約21%減少した計算となる。
売場の縮小やテナント誘致などによる再建を進めたものの収益改善には至らず、直近では同社が直接運営する事業はアウトドア関連店舗とイベントスペースなどに縮小していた。
6月ごろから資金繰りが悪化、従業員18人を解雇
2026年6月ごろから資金繰りが一段と逼迫し、負債解消のめどが立たない状態となった。
その後も事業継続の道を探ったものの改善の見通しが立たず、8月31日付で事業を停止。同日、盛岡地裁へ自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。
報道によると、破産時点の従業員18人は全員解雇となった。
北上市も同社の破産を地域経済に関わる案件として扱っており、9月3日に開かれた市議会全員協議会では「株式会社いわて北上リテールマネジメントの破産手続開始について」が報告事項となった。
クラソ・プレイス北上全体の破産ではない
今回の破産で注意が必要なのは、破産したのは(株)いわて北上リテールマネジメントであり、商業施設「クラソ・プレイス北上」全体ではない点だ。
同社が運営していた「ツインモールさくら野」の売場と、施設内に入居する各テナントは運営主体が異なる。
地元での案内によると、破産後もクラソ・プレイス北上では一部店舗を除いて営業が続けられている。施設そのものが閉鎖されたわけではない。
また、前述の通り、青森県内で店舗を展開する(株)さくら野百貨店についても今回の破産とは別で、同社の事業は継続している。
いわて北上リテールマネジメントの会社概要
| 法人名 | 株式会社いわて北上リテールマネジメント |
|---|---|
| 法人番号 | 1400001016350 |
| 所在地 | 岩手県北上市本通り2丁目2番1号 |
| 資本金 | 1000万円 |
| 事業 | 百貨店・小売事業、「ツインモールさくら野」の運営 |
| 沿革 | 2023年8月、(株)さくら野百貨店から北上店事業を新設分割により承継 |
| 2025年3月期売上高 | 約15億5600万円 |
| 2026年3月期売上高 | 約12億2500万円 |
| 2026年3月期損益 | 約5100万円の赤字 |
| 事業停止 | 2026年8月31日 |
| 破産開始決定 | 2026年8月31日 |
| 負債 | 約2億6800万円(8月31日時点) |
| 従業員 | 18人(破産時点、全員解雇) |
さくら野百貨店から北上店事業を地域会社として引き継いでから約3年。売場縮小や施設再編を進めたものの、売上減少と赤字経営、資金繰り悪化に歯止めをかけることができず、破産手続きへ移行した。
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