アイコン 貿戦 米クアルコムを直撃 米トランプ政権のZTE制裁 二律相反

 

 

米政府が4月17日、米企業による中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)に対する製品販売を7年間禁止すると発表したことは、米半導体大手クアルコムにとっても打撃となりそうだと報道されている。

米商務省は16日、ZTEが米国による対イラン制裁措置に違反し、イランに米国製品や技術を輸出していたとして今回の禁止措置を発表した。

この問題はクアルコムにとって
(1)重要な顧客を失う
(2)ライバル企業に空いた穴を埋められる
(3)中国が報復措置に出る
という3つの脅威をもたらす。

クアルコム製品は、ZTEのスマートフォンに搭載される半導体の中で大きなシェアを占めている。
カウンターポイント・リサーチの調査ディレクター、ニール・シャー氏によるとシェアは約半分。ZTEの世界でのスマホ販売台数が年間4500万台程度で、搭載されているチップセットが平均25ドルだとすると、ZTE向けの売上高は5億ドル近くに上る計算。
ハイテク・コンサルタント会社カナリーズの推計では、シェアは65%とさらに大きい。

中国としては、半導体を製造している華為技術(ファーウェイ)のシェアを伸ばしたいところで、米中貿易紛争を巡る制裁措置としてクアルコムを標的にする可能性もある。

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コントロール・リスクスの中国・北アジア分析ディレクター、アンドルー・ギルホルム氏は、「中国国内の姿勢は二律背反で、華為などにとってクアルコムは敵だが、より小さな中国スマホメーカーはクアルコムに大きく依存している」と説明した。

クアルコムは米国政府から防衛関連の事業を請け負うなど、米政府と緊密な関係にあるが、ZTE問題は皮肉にも中国より米国内でクアルコムに打撃を及ぼす可能性がある。

カナリーズによると、ZTEのスマホ売上高はここ数年、中国では上位10社から外れたが、米国ではアップル、韓国のサムスン電子、同LG電子に次いで第4位、昨年のシェアは11.2%となっている。

ZTEのウェブサイトによると、米国で販売しているスマホはクアルコムのベースバンドチップ含むチップセットとプロセッサを使用している。

米中貿易戦争の影響は既に出ている。
クアルコムは、中国商務部(商務省)の要請を受け、オランダ半導体大手NXPセミコンダクターズの買収について反トラスト当局への申請を14日に取り消し、再申請する計画とした。

以上、ロイター参照

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ZTE制裁ではインテルも影響を受ける。
アップルは現在クアルコム製の半導体を多用しているが、現在、自社開発中でもある。

中国がブラジル産大豆を大量購入して価格が高騰する中、アメリカ産大豆は欧州勢や凶作のアルゼンチンの購入があっても上がらない。それも輸入規模からして一時的な価格維持はあっても、ブラジル産より安いことから購入しているに過ぎず続かない。

米国産コーリャンは主に中国輸出向けに作付けされており、中国の報復制裁で行き場を失うことになる。
極端な貿易制裁を声高々にTV中継させ、人気取りに奔走する米トランプであるが、自国産業が首を絞められる結果を招いている。損害の政府補助も長期には続けられず、他国からWTOに提訴される可能性もある。
中国により、ボーイング機の購入予約の大量キャンセルにでも発展すれば、ボーイング社の屋台骨も揺らぐ。
何であっても極端な政策は必ず歪を生む。歪は犠牲を伴う。
 

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[ 2018年4月19日 ]

 

 

 

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