アイコン 韓国経済の苦境(2) 韓国へ中国製が浸透

1回目は、韓国からの対中輸出が減っているのは、中国経済の低迷と中国製造業の生産性向上にあると記載したが、2回目は、韓国勢が優位であった半導体などが中国から逆流している点を取り上げてみた。

現代経済研究所は「韓中間相互輸入浸透率の特徴と示唆点」の報告書で、韓国製造業全分野の中国産製品浸透率が上昇していると発表した。
中国産製品の韓国輸入額は、2000年の128億ドルから2013年には831億ドルと6.5倍増え、韓国市場内の中国産製品の浸透率は2000年の2.6%から2013年には6%に大幅に増加した。  

一方、中国市場での韓国産製品は2000年の232億ドルから1831億ドルと7.8倍増えたが、浸透率は2.5%から1.4%に低下し下落傾向にあるとしている。これは経済成長により市場規模が2000年当時より飛躍的に拡大していることにある。
(輸入浸透率とは、内需市場で輸入製品が占める市場占有率をいう)
  2000年以後、韓中間の貿易規模は年平均20%ほど増加、特に韓国の中国交易依存度が高まり、今では25%まで対中輸出依存率が高まっている。
だが、2013年以後には中国製品の輸入増加率が、韓国産の対中輸出増加率を上回り、貿易収支の黒字幅が2013年の628億ドルから2014年には553億ドルで、100億ドル近く減った。

その原因は、中国産の半導体やコンピュータなどの先端技術製品などが急増しているとことにあるとしている。中国産の半導体やコンピュータなどIT産業製品の浸透率は、2000年には3.9%に過ぎなかったが、2013年には15.5%と4倍に増加している。 反面、韓国産の中国市場浸透率は全般的下落傾向が続いている。

中国製品の韓国での浸透率推移を産業別に見ると、2000年には中国産食糧品の輸入比重が12.6%と最も大きく1位だったが、2013年には半導体が19.3%で1位、中国産コンピュータが4位、映像・音響・通信機器が5位に入るなど先端技術製品(=IT・電子製品)が上位圏に占めるほど浸透率を上げている。

  韓国では、今後、韓中間の自由貿易協定(FTA)が発効すれば、対中国貿易収支の黒字幅が減少する可能性が高く、対策が至急必要だという指摘も出ている。
以上、

製造機械さえ入手できれば、どこでも造れる汎用製品は中国勢には適わず、それもロボットの大量導入など生産性も上げ、価格競争力も強めている。また、製品の開発力もあり、製品化スピードも増している。
サムスンは中国に半導体の大規模工場をいくつも有しており、そうした半導体が韓国へ逆流し、LGなども含め奏した部品・部材が輸入して、韓国製の電子・電化製品に使用されていることにもある。
ただ、貿易の観点からは、中国生産のサムスンやLGなど韓国メーカー品に関係なく、中国生産材の部材・部品となる。

あらゆる分野の製品について、価格・技術・品質において競争力を失した海外輸出製品は中国勢の餌食になり、駆逐されることになる。
上記データは、それが徐々に韓国に浸透していることを現している。

[ 2015年4月13日 ]
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