アイコン フォードもイギリスの工場を閉鎖へ 英EU離脱  生産・販売・メーカー

 

 

EU=ヨーロッパ連合からの離脱に揺れるイギリス(英国)で、自動車メーカーが離れる動きが強まる中、米自動車メーカー、フォードは、英国にあるエンジン工場を閉鎖する方針だと発表した。

フォードは、ヨーロッパでの販売低迷に伴う事業の見直しが理由だとしている。
フォードは6日、英国にある2つのエンジン工場のうち英国西部のブリジェンド工場を来年中に閉鎖する方針を決め、労働組合と協議を始めたと発表した。
 
この工場は約1700人を雇用してヨーロッパ域内の組み立て工場にエンジンを輸出している。
フォードは工場を閉鎖する理由について、ヨーロッパ市場での販売が低迷していることに伴う事業の見直しだとしている。
 
英国では今年10月に予定されているEU離脱に伴って先行きへの不透明感が広がっており、今回の判断には経営環境が悪化することの懸念もあるとみられる。
 
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英国ではホンダが2021年中に自動車工場を閉鎖するほか、日産自動車が高級車ブランドの生産終了や新型モデルの生産計画の撤回を決めるなど、自動車メーカーの間で離脱に揺れるイギリスからの撤退や事業縮小の動きが強まっている。
 トヨタやBMWも縮小を検討している。
ホンダは、欧州市場での販売不振から英工場を撤退させるもの。ホンダは日本では軽に、中国や米国に全精力を注いでいる(経営陣が販売市場も選択と集中に舵を切っているようだが将来的には非常に危うい)。
 
<英国の自動車産業>
英国の自動車産業の2017年の生産台数は175万台、直接雇用で約17万人、サプライチェーンなど産業全体で80万人の雇用を創出している。英国で最も重要な産業の1つとなっている。
日系メーカーも古くから英国に進出し生産活動を行っており、日系メーカー3社(日産、トヨタ、ホンダ)で英国における自動車生産台数の約半数を生産している。
英国には、日本勢のほかジャガー・ランドローバー、ロールスロイス、マクラーレン、ベントレー、アストンマーチンなどが生産拠点を持ち、フォードなど完成車以外のエンジン工場を持つなど、サプライチェーンの生産会社も多い。

 

<生産台数>
2017年イギリス
生産台数
ジャガー・ランドローバー(印・タタ系)
544,401
日産
507,444
BMW
210,973
トヨタ
180,425
ホンダ
134,146
その他
171,996
合計
1,749,385
 
 
<販売市場>
2017年の新車(乗用車)登録台数は前年比▲9.8%減の254万617台。
米車が強いようだ。
 
2017年 イギリス 車名販売ランキング
フォード・フィエスタ
94,533
VW・ゴルフ
74,605
フォード・フォーカス
69,903
日産・キャシュカイ
64,216
ボクスホール・コルサ
52,772
ボクスホール・アストラ
49,370
VW・ポロ
47,855
ミニ
47,669
メルセデスベンツ・Aクラス
43,717
ボクスホールは、PSA・プジョーシトロエンがGMから買収した独オペルのバッジエンジニアリングによるPSAブランド名。
 
トランプ米大統領がEUを嫌い、英EU離脱を支援している。そうした中で、米フォード社がエンジン工場を撤退させる。
自動車産業は、自動車革命が生じ、新エネ車・完全自動運転車生産へ順次移行、それに加え新興国の経済拡大による販売市場戦略など大変な時期を迎えている。

 
[ 2019年6月 7日 ]

 

 

 

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