所在不明のダビンチ作「サルバトール・ムンディ」がムハマド王子のヨット『セリーン』号に
2017年に史上最高額の4億5千万ドル(約490億円)で落札された後、所在不明となったレオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)作とされ、聖骸布のイエスとして知られる絵画「サルバトール・ムンディ(救世主)」について、サウジアラビア皇太子の大型ヨット『セリーン』号にあるとの寄稿が6月10日、美術品市場ニュースサイト「アートネットニュース」に掲載された。
サルバトール・ムンディの所在は美術界屈指の謎となってきたが、ロンドンを拠点とする画商、ケニー・シャクター氏は寄稿で、同作はサウジで強い権力を持つムハンマド・ビン・サルマン皇太子のヨットにあると主張している。
「サルバトール・ムンディ」は、暗闇を背景にしたイエス・キリストが左手に透明の球体を持ち、右手で世界を祝福する姿を描いた作品。
2017年に競売大手クリスティーズで落札されて以降、一般公開されていないことから、その所有者や所在、本当の作者について疑問の声が上がっていた。
同作をめぐっては、米紙ウォールストリート・ジャーナルを皮切りに、サウジのバドル・ビン・アブドラ・ビン・ムハンマド王子が、ムハンマド皇太子の代理として落札したとの報道がなされており、サウジ政府はこれを肯定も否定もしていない。
AFPには、シャクター氏の寄稿の裏付けは取れなかった。また、国際美術品取引には不透明性が付きまとう上、同氏自身も「中東の濁った水の中では、本当に明瞭なことなどない」と書いている。
しかし、シャクター氏は、「サルバトール・ムンディ」の売買に関わった2人を含む情報筋の話として、同作は「夜中にMBS(ムハンマド皇太子)の飛行機で運ばれ、彼のヨット『セリーン』号に移された」としている。
同氏は、「サルバトール・ムンディ」は、もともと断片化された状態で発見され、オークションの前に修復する必要があったと指摘した上で、「何かの拍子に海水がかかったとしたら、どんな損傷が起こり得るだろうか」と問い掛けている。
以上、
イスラム教の次期王ムハンマドにとって、価値ある財産としてのみ収集、メジャーがかってに汲み上げ、巨額の利益が転がり込むサウジ、金が有り余り、最高価格であれ、ヨットにでも飾るだけの価値しか見出せない人物。所有権を維持して無償で安定した海外国の美術館にでも貸し出せばよいものを。敵対するフーシ派から船ごと爆沈させられるおそれもある。