アイコン ENEOSとBYD提携しEVバス向け蓄電池の循環モデル構築へ

 

 

石油元卸のENEOSのJXTGホールディングスと中国の比亜迪(BYD)の日本法人ビーワイディージャパン(株)(社長:劉学亮)は、EVバス向け蓄電池の「リース・リユース・リサイクル」循環モデルの構築に向けた協業を開始することにつき、基本合意書を締結した。

中国のBYDは車両用二次電池の大手であるとともにEVバス大手、一般EV車両も製造販売している。先般は、トヨタと共同EV車両開発の提携を行っている。

リチウムイオン電池をはじめとする蓄電池は、EVの動力や再生可能エネルギーの調整力、災害時の非常電源など、様々な分野での活用が期待されている。
一方、その複雑な構造・特性から性能評価が難しいため、リユース・リサイクルの仕組みは確立されていない。
JXTGグループは、蓄電池の活用が期待される電力事業および金属リサイクルに関するノウハウを有しており、BYDは、創業以来の事業である蓄電池に高い技術とノウハウを持ち、2015年から4年連続、EV販売台数で世界シェアトップを誇っている。これらの強みを結集し、両社は、EVバスに搭載される蓄電池をバス運行会社にリース(一次利用)、EVバスで使用済みとなった蓄電池を回収して定置用蓄電池としてリユース(二次利用)、さらにリユース後の蓄電池を素材レベルへ分離し、新規材料へ活用するリサイクル(三次利用)を図る循環モデルの構築に取り組む。

循環モデル構築に向け、両社は、2020年春からバス運行会社と共同で、EVバス運行の実証実験を開始し、運行データや蓄電池の消耗度など、EVバス向け蓄電池リースに向けた情報収集を行う。
また、実証実験で使用するEVバスをはじめ、BYDジャパンより提供されるEVバスの使用済み蓄電池を定置用蓄電池として活用するリユースの実証実験も併せて実施する。
本協業の開始によって、両社は循環モデル実現に向けた一歩を踏み出し、リサイクルの技術・運用を含めて2025年を目途に本モデルの確立を目指すとしている。
以上、

ENEOSが日本の蓄電池会社ではなくBYDと手を組んだ。潜水艦電池でご満悦の日本の電池業界、産業用に特化するというが、産業用も車両用二次電池会社が巨額の利益を上げてきたら、即、市場は飲み込まれてしまう。
テスラはパナソニックとメガファクトリーを有しているが、停電の頻発で苦しむオーストラリアで巨大蓄電池施設を構築、発電所の電力を溜め込み送電する仕組みで利用電気代がこれまでの半分以下になり、停電なしを実現させている。
身の保全ばかり気にするサラリーマン経営者の日本電池企業に勝ち目も先もない。
BYDは環境に世界一うるさい米カルアォルニア州にさっさと進出、EVバスの製造工場を現地に持ち、サンフランシスコなどの市営バスに供給している。

車両用二次電池メーカーとしては、テスラの大量生産型EVが動き出し、パナ社と中国CATLが1位2位を争い、3位にBYDが位置づけされている。
韓国のサムスン・LG・SKは欧米自動車メーカーと組んでおり、欧米メーカーのEV車両販売が急増すれば、即上位に食い込んでくる。ただ、EVはまだ電池代が高く、高額の補助金制度を設ける国から浸透していくことになる。

中国は昨年まで大気汚染対策として高額の補助金を支出してきたが、今年から補助金額を大幅に下げ、米カルフォルニア州のペナルティ制度を導入している。しかし、1年目はペナルティ料金が後追いになり、未達成メーカーからEVメーカーへの入金額もわからず、また、今夏から補助金対象を1回充電満タン150キロ走行としていたものの250キロにしたことから、電池代が嵩み販売価格が大幅に上昇、EV等新エネ車の販売台数は大幅の落ち込みを見せている。

米国のEV販売は、パリ協定も脱退したトランプ政権下では伸びず、欧州に限られるものと見られる。
日本でBYDがこうした動きに出るのは、日本のリサイクル技術を早期に習得するためと見られる。それは超大会社になればすぐ圧力をかける中国政府も喜ぶことであり、すでに250万台以上が走っている中国EV+PHV市場で、早期に蓄電池のリサイクル問題も生じてくるものと見られる。

[ 2019年12月24日 ]

 

 

 


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