アイコン 米FDA ファイザーのワクチン報告書を公表 13日にも承認か


米食品医薬品局(FDA)は8日、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの有効性と安全性に関する臨床試験(治験)データが、緊急使用承認に向けた基準を満たす内容だったとするスタッフ報告書を公表した。

ファイザーのワクチンは緊急使用の承認に向けて、新たなハードルを超えたことになる。

FDAのスタッフによると、同ワクチンは2回の接種が必要だが、治験データからは1回目の接種後にも一定の有効性が示された。

1回の接種では約14日後に最も高い効果が確認され、2回目の接種前までの有効性は52%程度という。

しかし、1回の接種のみで十分な効果があるかどうか見極めるには一段のデータが必要との認識を示した。

さらに、2回目の接種からは少なくとも7日後から高い有効性が確認された。また、限定的なデータではあるものの、過去に感染した人にも効果が見られたという。

安全性については、16歳以下や妊婦、免疫力が低下している人への接種が安全かどうかを示すデータは現段階で不十分とした。
4万4000人が参加した治験では計6人が死亡。うちワクチンを投与されたのは2人、プラセボ(偽薬)を投与された人は4人だったという。

報告書は10日に開催されるFDAの諮問委員会による会合に先立ち公表。

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会合では同ワクチンの緊急使用を巡り討議され、FDAは諮問委の会合から数日もしくは数週間以内に承認を決定する。
FDA諮問委員会の会合を受け、米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会は11日に会合を開き、ファイザーから提出されたデータを検証。
ファイザーのワクチン処方に関する医師向けの所見について、13日にも採決を行う可能性がある。
ただ、FDA諮問委員会が一段のデータが必要と判断した場合は、日程は変更される。

ジェフリーズのアナリスト、マイケル・イー氏はリサーチノートで、FDAのスタッフ報告書は「非常に簡素かつ明確で、承認が近いと考えられる」との見方を示した。
ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)は、10日のFDA諮問委による会合で「非常に集中した」討議が行われる見通しとしつつも、「確固たる治験データを踏まえ、ワクチンは支持されると考えている」と述べた。

ファイザーとビオンテックは11月、治験で95%の予防効果が確認され、重篤な副作用も見られなかったとする最終結果を発表し、FDAに緊急使用認可を申請した。
英国では、この日8日、ファイザーのコロナワクチンの接種が始まり、90歳の女性のマーガレット・キーナンさんが、治験以外で世界で初めて同ワクチンの接種を受けた。
FDA諮問委員会は17日に米モデルナのワクチンの緊急使用承認を検証するための会合を開く。

米国では向こう数週間以内に2種類のワクチンの接種が開始される可能性があり、トランプ政権のワクチン開発計画「ワープ・スピード作戦」の責任者を務めるモンセフ・スラウイ氏はこの日、来年5月半ばまでに全国民の70~80%に接種するワクチンが用意できるとの見方を示した。
集団免疫での新型コロナ感染症の収束・終息は国民の60%が抗体を持つことで可能となる。

 

 

[ 2020年12月 9日 ]

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