アイコン (2/5)世界最大のワクチンメーカー 世界が注目するインドSII社/どんな会社

<COVAX経由>
COVAXは、世界保健機関(WHO)と貧困国のワクチン予防接種促進を目指すGAVIアライアンス、そしてワクチン開発に資金を支援する感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)が主導する新型コロナウイルスワクチン合同購入・配分プロジェクト。
COVAXは年内に20億回分の新型コロナウイルスワクチンを発展途上国に供給することを目的としている。
2月16日オンライン開催のG7首脳会議で、COVAXに対して75億ドル(約7875億円)を支援することで合意している(米40億ドル、日本2億ドルなど)。

<SIIが製造するアストラゼネカ製ワクチン、COVAXを通じて世界の低貧国へ>
SIIが生産するアストラゼネカ製ワクチンは、国際ワクチン合同購入プログラムの「COVAX(コバックス)ファシリティ」を介して、先進国が拠出した資金で発展途上国にワクチンを供給するプログラム「COVAX事前買取制度(COVAX AMC)」の供給対象の92ヶ国へ今年上半期中に約3億回分を供給する計画となっている。価格も米ファイザー製などに比較し1/5以下となっている。

一方、米ファイザー社+独ビオンテック社が開発したワクチン(ファイザー製ワクチン)は、最初にイギリスで認可され12月8日から世界で初めて新型コロナワクチンとして接種が開始された。
しかし、欧米のワクチン工場で生産されており、欧米の熾烈な分捕り合戦から、上半期は日本のような購入契約を早くからしていても域外国として回されず、COVAXへの供給にしても僅かなものとなる。

 

<SIIは臨床試験4000万回分提供、委託生産権>
SII社は、アストラゼネカとオックスフォード大学と共に「ワクチン開発」に昨年4月から参画し、ワクチン候補物質の「ChAdOX1」の開発に支援と投資を行ってきた。
当ワクチンは昨年12月30日に英国で、31日にはインドで、今年2月15日にWHOの緊急使用の認可を受けた。

ただ、昨年4月段階では、ワクチン候補物質の1つに過ぎず、安全性や有効性は未知数という状態、成功するかどうか分からない巨額のカケだった。
ベクター型で軽い風邪を引き起こすアデノウイルスに新型コロナウイルスの遺伝情報を入れ、人体に接種して免疫反応を引き起こすこのワクチンのバイオ技術であり、一般的なワクチンの製造技術とも異なっていた。
しかし、SIIの創業者サイラス・プーナワラ会長は、科学技術の力を信じていた。プーナワラ会長は果敢な投資をした。
SIIの持株会社のサイダス・プーナワラグループの会長、SIIのアダール・プーナワラCEOは会長の息子。

<1億2000万ドル投入で臨床試験を支援>
プーナワラ会長は2020年9月までに候補物質を4000万回分生産し、臨床試験を支援することにした。候補物質を生産してガラス瓶に入れてはじめて、人間に注射して臨床試験を行うことができる。
1回分に今のワクチン価格の3ドルだけ計算しても1億2000万ドルの巨大な投資となる。初期生産設備と品質検査の投資等を考慮すると、実際の投資は更に多いかもしれない。

フォーブスによると、プーナワラ会長の個人財産は115億ドルに及ぶが、これほどの果敢な投資は容易ではない。ワクチン開発に失敗でもしたら、企業や個人に戻ってくる打撃は並大抵のものではない。企業と企業家の信頼失墜問題にも至る。

しかし、プーナワラ会長は果敢に投資と支援を決定。結果、オックスフォード大学の技術力、アストラゼネカのビジネスセンスに加えてSIIの生産性が相乗効果を生み出し、ワクチン開発の牽引車の役割をした。
SIIはリスクを冒した果敢な共同投資により、このワクチンのインド・開発途上国委託生産権を確保した。

 

[ 2021年2月25日 ]

 

 

 


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