EU J&J製ワクチン接種再開 血栓問題リスクより利益が勝るとの理由
欧州連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)は20日、米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J+ヤンセン)の新型コロナウイルスワクチンについて、ごくまれな血栓の症例と関連している可能性があると発表した。全体的な利益はリスクを上回るとし、接種の継続を推奨した。(日本は購入契約していない)
これを受けてJ&Jは20日、遅らせていたEUへのワクチン出荷を再開するとの声明を出した。
同ワクチンをめぐっては、深刻な血栓の報告を受け米当局が4月13日に接種の中断を勧告、同社は欧州への供給を遅らせると発表していた。
(米国は日に300万回接種、ファイザーとモデルナ製ワクチンで対応できており、AZ製とJ&J製は中断したままにすると見られる。バイデン大統領は7月までに集団免疫を構成すると宣言している。)
EMAは、非常にまれな副作用として血小板の減少にともなう異常な血栓が発生しうるとする警告をJ&Jワクチンの製品情報に追加すべきだと結論づけた。
EMAは米国で同ワクチンを接種した700万人のうちの8件の重い症例を含むケースを評価した。すべての症例は60歳未満で、大半は女性だった。
英アストラゼネカ製(AZ製)のワクチンでもまれな血栓の症例と関係がある可能性が認められ、独仏などが接種対象を高齢者に限ったほか、デンマークは接種プログラムから外すことを決めた。
J&Jのワクチンでも同様の動きが出る可能性がある。
EUの欧州委員会は14日J&Jとアストラゼネカのワクチン供給・接種計画に誤算が生じたことで、独ビオンテックと米ファイザーが共同開発したワクチンを6月までに5千万回分追加で調達することで合意している。
さらに2023年までに18億回分の購入に向け交渉に入るなど、ビオンテック・ファイザーのワクチンへの依存が高まっている。EU27ヶ国の総人口は4億47百万人。ワクチンでの免疫の有効性は1年限り?
年毎にブースター・ショットで2回接種が必要なのだろうか。
米国もファイザー社と来年以降分の交渉を行っている。
以上、
菅首相がファイザー社CEOと電話会談したのは17日、何故か増加購入数量は発表していない。
CEOは検討すると述べたとの報道もなされている。
河野ワクチン大臣は6月末までに1億回分(5千万人分)、9月末までに1億2千万回分(6千万人分)の調達の目処が立ったとしている。
現在、日本で臨床に入っているのはAZ製とモデルナ製。
<接種計画>
高齢者の接種を6月までに完了させる計画であり、その後は高齢者の重症患者数が大幅に減少する。
(EUが6月までの納入分を5千万回分追加購入合意している/河野ワクチン大臣に影響なければよいが・・)
9月までに接種率の増加とともに新規感染者数は大幅に減少し続け、10月にも集団免疫が構成されることになる。
ただし、ファイザー製でもワクチン効果が出ない免疫逃避型の変異株が出現し、猛威を振るった場合はその限りではない。
スクロール→
SARS-CoV2 ワクチン |
||
|
型 |
有効率 |
米ファイザー/独ビオンテック |
mRNA型 |
96.0% |
米モデルナ |
mRNA型 |
94.5% |
英アストラゼネカ |
ベクター型 |
70.0% |
米J&J・ヤンセン(1回型) |
ベクター型 |
66.0% |
露国立ガマレア |
ベクター型 |
接種中不明 |
中シノバック |
不活性化型 |
50~83% |
中国立シノファーム |
不活性化型 |
79.4% |
中国立シノファーム |
不明 |
72.5% |
追、米承認7月頃予想 |
||
米ノババックス |
組換蛋白質 |
96.0% |
2回型 |
||
開発中の日本勢ワクチン(ワクチン後進国) |
||
アンジェス |
DNA型 |
結果次第で2022年中に投入見込み |
KMバイオロジクス |
不活性化型 |
|
塩野義 |
組換蛋白質 |
|
第一三共 |
RNA型 |
|
IDファーマ |
ベクター型 |
|
日本の購入ワクチン |
||
米ファイザー製 |
1億4,400万回分 |
|
追加(菅首相) |
5千~1億回分 |
|
英アストラゼネカ製 |
1億2,000万回分 |
|
米モデルナ製 |
5,000万回分 |
|
何れも2回接種必要分 |