尾身氏と政府に断られた43.6人の長崎市のまん防措置要請 長崎県
長崎県は、長崎市の感染急拡大により逼迫する医療体制下、政府に対してまん防重点措置の対象指定を申請していた。
しかし、政府は14日の基本的対処方針分科会で、長崎県に対する追加適用を見送った。
理由として「福岡県からの(感染の)にじみ出しが原因と考えられるため、(福岡県に対する)緊急事態宣言効果の分析を進めている」と説明した。
福岡県の感染が宣言により下火になれば、長崎県の状況も連動して改善する可能性があるとして、もう少し様子を見てもよいとの判断を下したという。
長崎県は12日時点で、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数が25.6人、病床使用率は62%、いずれもステージ4(爆発的感染拡大)の水準だった。
なかでも、長崎市を含む医療圏の病床使用率は98.6%と危機的状況にあり、県は4月30日から長崎市内の飲食店に営業時間短縮要請を行っている。また、長崎市も5月8日から市独自に「緊急事態宣言」を発令している。
ところが、長崎市の場合、5月15日現在、10万人当たりの1週間の感染者数は43.6人と危機的状況に陥っている。
<5月5日と5月12日の比較>
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長崎市 |
県全体 |
最大病床占有率 |
65.0%⇒98.6% |
34.9%⇒58.2% |
新規報告者数(10万人/週) |
41.0人⇒49.7人 |
17.6人⇒25.6人 |
療養者数(10万人/日) |
58.5人⇒83.5人 |
26.9人⇒39.4人 |
<第4波の特徴>
1、第3波と比べ感染力が高く、感染者の発生ペースが1.5倍。
・第3波:1,341人(90間=3ヶ月)⇒第4波:929人(41日間)
※3ヶ月換算では2,039人
・直近1週間で検査した検体のうち、94%が変異株の疑い
2、第3波と比べて重症者数が増加。
1日当たりのピーク 第3波:10人⇒第4波:14人
昼カラオケ等において高齢者の感染者が多数発生。
第3波:0人⇒第4波:55人【平均年齢73.5歳】
2次感染事例における職場関連の感染事例が増加。
・第3波:33事業所70人(3ヶ月)⇒第4波:43事業所71人(41日間)
3、感染研はN501Y変異株の重症化確率は、第3波までのウイルスより1.4倍高いとしている。
中村知事は14日、重点措置の見送りについて「大変残念。感染経路不明の割合など、さまざまな指標を総合的に分析し判断した結果と受けとめている」とした上で、政府に対し、蔓延防止重点措置の適用基準を明確に示すよう求めた。
諮問委員会・分科会の専門家は新コロナに対して、政治的配慮をすべきではなく、政治的な判断や配慮は、政府が決定するもの。
当然、政権者のそうした判断は英断とも取られ、一方では猛批判にもさらされる。
また、専門家は政治家と異なり、全国を網羅して把握し、政治家=政府に対して進言する立場にあるが、政治家と同じ視感に立脚し、最初から政治家もどきになってしまっている。尾身氏が政治家にとって都合のよい、医療分野の官僚出身であることによろうか。
因みに福岡県の感染状況は、これまで福岡市を基点に鉄道の大牟田線沿いで急増していた。しかし、これまで落ち着いていた北九州市でも感染者が増加しており、朝・昼・夜、人の市中での動きがある以上、減少の見通しはつかないのが実態だ。
福岡県はここまで感染者が発生し続け、医療機関がすでにパニック状態に陥っているにもかかわらず、やっと12日から宣言が発令された。
全国へ拡散されるCOVID19-N501Y型ウイルス、国家経営者は、地方にどこまで任せるのか、今回ばかりは限りなく問われている。
福岡市の高島市長や福岡県の服部知事の本末転倒な経済優先策から、ウイルスを九州全域に拡散させてしまった。
福岡県は4月19日、まん防措置要請を行うと表明、宣言に至ったのはそれから22日間も過ぎた5月12日だ。その間に感染は爆発している。政府は何を躊躇し地方の要請を弄んでいるのだろうか。
4月25日、東京都を関西3府県の宣言に組み入れた時、予防的措置として首都圏3県に対してまん防措置を取ったが、政府の一貫性のなさは、ただただ政治的な判断だけからきているようだ。
14日、政府は分科会から押し切られたと報道されているが、地方の悲鳴に対しては尾身-菅氏間の茶番に過ぎない。
早期、梅雨入りは朗報か
湿度では、
新コロナウイルスは人の呼気から感染する。乾燥していればウイルスは空気中を遠くへ伝播し感染させるが、湿度が高ければ、近接でない限り、ウイルスは床や地面に落ち、その伝播力は大きく損なわれる。ウイルスの半減期も湿度が高いほど短くなるというデータが示されている。
N501Y英国株のように感染力の強度の問題はあるにしても、インフルエンザウイルスのように湿度が高くなれば収束する可能性がある。
気温では、
新コロナウイルスは、37℃で1日間、22℃で7日間、4℃で14日間の感染力を維持することが知られており、温度でも半減期は高くなるほど感染力は短くなる。しかし、熱帯のインドでの猛威は、インド変異株に関しては通用しない可能性も高い。
そうしたウイルスの生存=活性期間は、間接感染に対してのみ有効であり、直接、感染者の呼気からウイルスを体内に取り込んでしまえば、こうした道理は通用しない。
新コロナウイルスは、鳥でも動物でもなく、人が人に感染させる疫病だ。
感染防止策は、間接感染防止のため消毒・手洗いの遵守、直接感染を減らすためにはマスク着用、また人との接触機会を減らすしかない。
昨年2月、クルーズ船ダイアモンドプリンセス号から感染者たちが病院に移動する際、岸壁で人数をカウントしていた厚労省職員が感染。業務はそれだけだった。移動する際、感染者たちで特に咳をする人はいなかったという。しかし、感染者が歩いた通路から2メートル以上離れ、マスクをしていたにもかかわらず職員は感染していた。
考えられることは、風向のみ、岸壁では一方向に風が吹く、通常のマスクをした感染者の息から漏れ出たウイルスが、通常のマスクをした職員に感染したとしか考えられないという。2月は低温・乾燥の時期だった。
道路だった、スーパーマーケット内だった感染しない保証はない。ましてや相変わらずラッシュの通勤列車では・・・。
因みに記者はマスクと花粉症対策用メガネをして、買い物に出かけている。
政治家が福岡県(5/12宣言)の様子を見るとして長崎県のまん防措置要請を断った福岡県の感染状況。
福岡県の感染者は160万都市の福岡市から大牟田線沿いに南下して感染者数が拡大。ここにきて100万都市の北九州へ飛び火している。
福岡市は4月22日から午後9時までの時短要請を行ってきていた。福岡県の感染者数の半分以上が福岡市の感染者で占められている。
福岡大学病院はすでに悲鳴を上げている。
うち、北九州市での感染者数
北九州市からは福岡市への通勤客も多い。人口93万人。