韓国で感染者が減らない理由 日本との防疫対策・ワクチンの違い
韓国ではデルタ株でも感染者数が最大で3,273人(9/25)、規制強化とワクチン効果もあり、達成している。しかし、1000人台が再び2000人台とワクチン接種が進む中、感染者は増加している。
減らない理由として、
1、旅行増は感染を全国へ拡散
韓国でも報道されているように秋夕節の9月18(土)から22日の5連休、里帰りや旅行者が多く、その後、全国で感染者が増加している。日本では盆・正月以外帰省の習慣はない。
9月25日の過去最高の3,273人の感染者数にしても5連休の旅行による影響、デルタ株は感染して発症までの期間が2~3日間とされ、それまでの株より感染力が強く短い。
2、規制の違い
日本はソーシャルディスタンスではなく、3蜜回避・飛まつ対策に重点を置き、酒類の提供を禁止させた。一方、韓国はソーシャルディスタンスから5人以上の集団での飲食を禁止しているが酒類提供は禁止していない。営業時間の規制は両国とも差こそあれ同じ。
PCR検査は日本の人口の40%でありながら、最近は倍数以上行っているが、多いのはスクリーニング検査、効果的な検査対象も必要だろう。ただ、日本のように感染爆発しないのは、こうしたPCR検査によりウイルスを封じ込めており、有効な防疫対策でもある。
日本は最初から最後までPCR検査でウイルスを封じ込める発想を世界で唯一持たない国のようだ。病院が逼迫すれば、後ろ向きな検査をするなと厚労省が通達している。
3、ワクチンの種類による有効率の違い
韓国ではアストラゼネカ製ワクチンが高齢者を中心に接種されており、全体ワクチン比率でも37%に達している。その有効率は70%前後、接種完了者の3割が感染リスクを抱えている。日本が主力接種しているファイザー製は88%、12%の感染リスクがあるが、接種完了後も高齢者は身の危険から病院へも行かなくなっている。
韓国ではブレイクスルー感染者が、
8月は2,764人、
9月は6,471人
発生し、急増している。
この増加は3割に該当する人たちの中和抗体量がさらに減少し、感染リスクを高めた結果と見られる。
2回接種の人への規制緩和は今後両国とも有効率の有効期間問題を到来することから感染拡大リスクを高める原因となる。
日本でも10%前後の感染リスク者の感染は発生している。
スクロール→
英OX大発表分 |
||||
|
接種完了 |
2ヶ月後 |
3ヶ月後 |
半年後 |
ファイザー |
90% |
85% |
78% |
|
AZ |
67% |
65% |
61% |
|
米メイヨー・クリニック発表分 |
||||
ファイザー |
|
89% |
|
42% |
モデルナ |
|
91% |
|
76% |
各社等の見解 |
||||
ファイザー |
88% |
|
|
|
モデルナ |
90% |
|
|
|
AZ |
67% |
|
|
|
4、 ワクチンの有効期間の問題
ファイザー製は接種後6ヶ月すれば有効率が40%台まで落ちるとされているが、日本では、まだその期間に入っていない。韓国のそうであるが、有効期間の問題は今後両国で発生するもので、日本のこん日の感染者の減少をまだ支えている。日韓とも追加接種を計画している。
ファイザー製も接種完了後、4・5ヶ月後には減衰率が低いAZ製とほぼ同じ有効率になり、半年後にはAZ製の方が有効率は高いとみられている。
ただ、日本の大規模集団接種や職域・職場接種で用いられているモデルナ製は有効期間が一番長いようだが、それでも接種完了2週間後の有効率より大幅に下がる報告がなされている。
韓国のモデルナ製の接種完了率は8%に過ぎない。
5、外国人違法滞在者の多さ
韓国では違法滞在者が今年4月時点で39.2万人おり、潜在的な感染リスクを抱え、感染させるリスクを持つ人たちが多い。それも仕事の関係から主に感染者数が多く発生している首都圏に居住しているものと見られる。
日本の違法滞在者は8.2万人(2021年1月1日現在/出入国在留管理庁)と少なく、それも3大都市圏に分散している。
韓国の一部の人たちにとって、日本の感染者数の急減は不満だろうが、感情や言質ではなく、科学的に分析し、その分析数値に基づき、それに加え国民性を加味して減った原因を推測すべきではないだろうか。
スクロール→
韓国のワクチン接種状況 10月7日 |
|||
人口 |
51,370,000 |
韓国当局発表値 |
|
1回以上接種 |
39,787,211 |
||
人口比 |
77.6% |
||
接種完了者数 |
27,996,194 |
||
人口比 |
55.5% |
||
接種ワクチン種 |
|||
|
1回目 |
2回目 |
2回目比率 |
AZ製 |
11,094,379 |
10,559,412 |
37.0% |
ファイザー製 |
21,227,713 |
14,121,343 |
49.5% |
モデルナ製 |
6,048,288 |
2,371,999 |
8.3% |
J&Jヤンセン |
1,453,601 |
1,453,601 |
5.1% |
計 |
39,823,981 |
28,506,355 |
|
スクロール→
日本のワクチン接種状況 10月7日/官邸公表分 |
|||
人口 |
126,650,000 |
人口には外国人滞在者281万人含む(2021.1.1現在0/総務省) |
|
1回以上接種 |
91,794,890 |
||
人口比 |
72.5% |
||
接種完了者数 |
79,398,361 |
||
人口比 |
62.7% |
||
総接種回数 |
171,193,251 |
||
155,999,618回接種時点の接種ワクチン種 |
|||
|
1回目 |
2回目 |
2回目比率 |
ファイザー製 |
69,862,981 |
61,156,100 |
84.69% |
モデルナ製 |
13,874,105 |
11,053,059 |
15.31% |
AZ製 |
51,324 |
2,046 |
0.00% |
計 |
83,788,410 |
72,211,205 |
155,999,618 |
スクロール→
日韓の感染者の推移 |
||
週の日平均値 |
||
|
韓国 |
日本 |
6/27~7/3 |
698 |
1,556 |
7/4~10 |
1,054 |
1,907 |
7/11~17 |
1,397 |
2,835 |
7/18~24 |
1,552 |
3,903 |
7/25~31 |
1,569 |
8,669 |
8/1~7 |
1,555 |
13,048 |
8/8~14 |
1,840 |
16,044 |
8/15~21 |
1,804 |
21,863 |
8/22~28 |
1,745 |
22,416 |
8/29~4 |
1,709 |
17,364 |
9/5~11 |
1,759 |
10,315 |
9/12~18 |
1,828 |
5,708 |
9/19~25 |
2,054 |
2,705 |
9/26~10/2 |
2,517 |
1,607 |
10/3~10/7(5日間) |
1,956 |
925 |