アイコン 新コロナ辛口解説 韓国の感染死亡者数 日本の1/3はどうして実現しているのか


韓国の人口は日本の人口の約4割、年齢構成はほぼ同じ、それでいて感染者数と死亡者数が大幅に少ないのはどうしてだろうか。

一つは、昨年2月18日から大邱市で発生した新興宗教団体の教会での集団感染だろう。それに対して政府当局も医師団もパニック状態、教団は犯罪者扱いされたが、政府が立て直し、陣頭指揮を執り、大学病院なども総動員させ対策に当たり、ソウルからも医師団を派遣するなど、政府主導が確立した。当教団の感染は韓国中の信者へ感染拡大、その強制検査において、貧弱だった検査体制が全国の大学病院でも行われるようになった。

それを支えたのが韓国の医療機器メーカー、元々ジェネリック医薬品メーカー、医薬品受託メーカー、医療機器メーカーがあり、多くが米国へ輸出される品質レベルにあった。2015年5月に中東の帰国者から発生したMERSコロナウイルス感染拡大を経験し、検査キットの開発に多くの企業が参入、昨年2月段階で2万件以上の検査体制を確立していた。
病院や施設の隔離施設は当然足りず、宗教団体の感染者は全国に広がり、自宅隔離も行われた。そのときに確立したのが、自治体の感染者一人を自治体職員一人がスマホで管理する方式。その後は、自宅隔離の感染者の移動記録までスマホで捉え、違反者に対しては罰を与えた。

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韓国政府は、その後、国や地方などの大規模研修施設を隔離施設に変更させ、医師・看護師・救急車を常時配置して、軽症未満の感染者に対し隔離措置をとった。ただ、感染者が急増した場合、それも対応できず、自宅隔離も常態化しているが自宅隔離の感染者の管理体制は自治体職員一人が自宅隔離者一人に対応している。

検査体制は、世界に先駆けてドライブスルー検査所や病院敷地や体育館などでのウォークスルー検査場など矢継ぎ早に登場させ、それを政府主導で医師を派遣したり、病院自身が設営し検査体制も検査数も強化した。

その後、新コロナウイルスは全国各地に拡散されたが、中国方式の検査体制をとり、一方で感染者の感染までの足取りをスマホで公開するなどして、国民に対して検査するように呼びかけ、昨年5月になるとソウルのクラブなどで感染拡大、スマホの行動記録により、付近にいた人たち数万人に対して強制して検査を行わせた。それも検査を受けない人に対しては罰則が適用されるというものだった。

感染者が発生するたびに教会や職場などの関連施設での検査を行う一方、余力は全国で療養病院や高齢者施設、コールセンターなどをスクリーニング検査し、感染者を見つけ出し隔離した。
こうしたことが早期発見、早期隔離、感染拡大防止になり、重症者の増加を食い止めた。

このように韓国では、検査キット機器メーカーが競って開発、政府の審査も精度・簡易性など基本検査をパスすれば短期間で採用していた。
全国各地の有力大学病院に治療だけではなく、PCR検査での機器による判定を行わせる体制が確立した。
自宅隔離者一人に対して公務員一人が対応する体制も確立した。
スマホで感染者の移動記録を公開した。
最初は商店などが風評被害で大打撃を受けるなどしたことから、その後は商店名などの名は開示されなくなるよう修正された。
新コロナでは医師や医師会が完全に政府に従属した(大韓医師会は新コロナ以外では鋭く政府と対立した)。
このように、検査キット、検査体制、スクリーニング体制、自宅隔離者の管理体制、デジタルのフル活用がなされた結果、感染者数も死亡者数も日本より少なくなっている。

ただ、問題は、昨年秋口まで感染者が増加しなかったことから、ワクチン価格が適正価格に落ち着くまで待ったことから手配が大幅に遅れたことに、今日の感染者の高止まりを招き、この間の死亡者数の増加となった。これは政府の責任でもある。(当初はCOVAXからの導入に依存した)

<日本の場合>
一方、日本はどうだろうか。
新コロナ感染クルーズ船が横浜・大黒ふ頭に到着したのが2020年2月4日、しかし、政府は経験も検査体制もなく、対応が後手後手に回った。

PCR検査機器問題は遅くとも3月中旬には解消できるものであったが、政府はなぜか検査体制を拡充しなかった。
新コロナウイルス検査では、世界で使用されているロシュ製の大量自動検査装置(日に10万件以上検査可能/計36台)が、日本には2019年までに36台導入され、全国の大学や医療研究機関にあり、ロシュ製薬は検査試薬を日本では3月中旬に提供できる体制を整え公表していた。
しかし、なぜか、ロシュ製検査機器を日本政府は極々一部しか利用しなかった。そうした検査機器は国民の税金で購入したものだった。
そのため、韓国では日に2~3万件の検査体制がとられていたにもかかわらず、日本では3~5千件止まりが長い期間続いた。
政府が日の検査能力数を開示し始めたのは2020年6月17日の28,258件からであった。
2月から6月15日までの4ヶ月半で累計検査数は582,451件と厚労省が報告している。日本の医療機器メーカーも新製品の検査キットを3月下旬からリリースしていたが、政府はいつものように審査に時間をかけ、なかなか普及させなかった。なぜだろうか不思議にならない。

日本政府に巣食う感染症の専門家たちは、感染症SARS COV2感染症のガンなのか。
検査を多くすれば感染者が多く発生し、医療機関が対応できないとして、日本医師会や感染症の専門家たちが挙って、政府に検査させない方向に導いた結果だとしか考えられない。政府が主導した韓国と真逆である。

デジタル化も昨年5月には全国統一の感染者情報のソフトが制作され、政府は全国自治体に導入させたが、現場がデジタルそのものに慣れず、戸惑い、現在もフル活用はなされていない。  
日々の感染者数でさえ、厚労省の担当は現在でも全国の都道府県のHPを見て、感染者数を集計している有様。
大枚はたいて導入した接触アプリ「ココア」もどこの馬の骨か分からないソフト会社に政府主導で作成させ、初歩的な試験運用の検証もせず、納品し、機能不全のまま厚労省は運用、利用する国民もいなくなった。   
人の命がかかった接触アプリでも、間違いが少ないソフト開発大手に責任を持たせて発注もしなかったのはなぜだろうか、なぜだろうか、なぜだろうか。

自宅隔離者の管理も保健所に任せ、感染者が増加すれば、保健所はパニック状態を繰り返す中、反省もなく、4波・5波でも自宅隔離中に多くの感染者を死亡させた。

感染症に対して政府が主導権を握らず、専門家・学会に依存したところにすべての問題が帰結する。
昨年2月中旬までに、3月はじめから感染が急拡大すると予見し、医療機関がパニック状態に陥ることを前提に緊急作成された基本方針、しかし、パニックは4月上旬まで生ぜず、専門家たちはその方針の修正も変更もしなかった。昨年2月から一貫して専門家をリードしているのは元官僚技官の尾身氏。今年3月から豹変して政府も相手にしなくなったが、特に昨年までは学会の専門家会合のリーダーであり、政府に迎合しひどすぎた。菅首相に海老デンス発言を認証していた。お上には伊勢海老や鯛ばかり喰い、子飼いに喰わせる人たちばかりのようだ。

今年2月、疫病に対して法改正された。
しかし、なぜか感染者の違反者に対して罰則規定が導入されなかった。憲法などいくらでも拡大解釈してきた人たちでもある。自治体でも条例で違反者は制裁することが可能だったが、どこの自治体も導入していない。

スクリーニング検査については、政府が嫌い、費用負担を渋り、政府が試験的に行う程度で、一部自治体がたまに行う検査は自治体負担となり、どこの自治体も積極的にスクリーニング検査を実施してこなかった。

すべてが、感染者の早期発見、早期隔離、早期治療を実施せず、感染者の発生に応じて検査、感染者の急増、規制、緩和を繰り返してきたのが日本のSARS CoV2に対する防疫対策の基本となっている。

率はともかくとして感染者数に比例して人の命を損なっている。マスコミもそうしたときだけ欧米の感染者数や死亡者数を利用しアジア各国を参照しなかった。
日本は5度も同じパターンを繰り返し、まったく学習しない日本國の政府・厚労省のお役人、それを支える専門家たちではないだろうか。
今の国民もすでにのど元を通り過ごさせている。現在ね7000人以上が感染に苦しみ、重症者も300人以上いる。感染して隔離解除されても多くの人たちが後遺症にさいなまれている現実がある。

 


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日韓比較 10月18日現在更新分

 

日本(厚労省)

韓国(疾病庁)

日本の場合、厚労省の感染者数は報道機関の数値と異なる。日本の人口には281万人の外国人を含む/総務省。

人口

126,650,000

51,350,000

累計感染者数

1,714,720

343,445

死亡者数

18,103

2,668

 致死率

1.06%

0.78%

 人口比

0.014%

0.005%

隔離解除者数

1,688,963

311,781

現在感染者数

7,654

28,996

重症者数

312

345

PCR検査数

25,792,247

15,246,350

日本は検査のハードル高い、韓国は低い。

 10万人当たり

20,365

29,691

 10/17日検査数

21,292

71,884

 感染数累計倍数

15.1

44.4

感染者一人当り検査数

ワクチン

 1回以上接種数

95,356,325.0

40,400,262

デルタ株では接種完了で大幅感染リスク減少

  人口比

75.3%

78.7%

 接種完了数

84,862,796.0

33,185,615

  人口比

67.0%

64.6%

 未完了者数

41,787,204

18,164,385

感染リスク者数

  人口比

33.0%

35.4%

・感染リスクは接種ワクチンにより有効率が異なる。

 

[ 2021年10月19日 ]
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