アイコン 集団免疫論は破綻か  第6波は避けられないのか ワクチンは万能薬ではなくなった


日本ではワクチン接種が八尺瓊勾玉であるかのように、感染者が25,992人とピークに達した8月20日にはワクチン接種完了率が41%に達し、その後は接種率が増加するとともに感染者は激減してきている。宣言・措置を解除した10月1日には接種率は65.1%に達し、10月29日現在では71.2%と増加し続け、それとともに感染者は激減し2週間400人未満が続き、ここ3日間は200人台で推移している。
当然、国による宣言・措置+自治体独自の規制+国民一人ひとりの防疫対策強化などとの相乗効果によるものだろうが。

一方、韓国でも接種完了率は日本とほぼ同じであるが、9月25日に3,273人のピーク感染者が発生、同日の接種完了率は45.3%だった。それ以降、徐々に感染者は減り、10月18日には1,049人まで減少したものの(完了率66.0%)、それ以降再び増加に転じ28日から30日まで2,100人台が続いている。一方完了率は10月30日現在74.6%と高く、18歳以上については86.7%と非常に高くなっている。

デルタ株では、日本も首都圏で感染爆発、大阪・福岡など全国へ波及して行ったが、韓国の場合はこれまでレベル4(最高レベル)の規制を敢行している首都圏の感染比率が高く、地方で3ケタ台の感染者が発生するのは稀れとなっている。10月30日の首都圏比率73.1%、9月25日のピーク時でも76.7%と首都圏の感染者が慢性化している状況にある。

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<日韓規制の違い>
ワクチン効果はほぼ一緒だとした場合、規制内容の違いだろうか。
日本は宣言中、酒の提供を禁止し、営業時間も午後8時までとしていた。
一方、韓国の場合は酒類の提供 OK、営業時間は午後10時までとしていた。
お酒が両国の減増を分けた可能性もある。お酒が入る食事ならば午後8時ではほとんど酒は飲めず、飲んでもほろ酔いの初期段階で終了、午後10時だと、お酒でハシゴしている時間帯、お酒が入り、感染の原因となる大声を出し飛まつを飛ばすのは仕方ないことだろう。

<集団免疫論の破綻>
今年7月、尾身会長は、「仮に国民の70%にワクチンを接種したとしても、残りの30%の人がプロテクトされることはないと思う」と収束しないとの見解を示した。
今年8月には、米国感染症学会も、デルタ株の流行で集団免疫の目安は人口の80%を大きく超え、恐らく90%に近い水準に上昇したと指摘している。

<未接種層>
ワクチン接種は義務ではなく任意であるため、主義主張、宗教、感化されたり、考え方により接種しない人たちが一定割合いる。そうした割合が2割以上いたら、そうした人たちは感染リスクをもち、感染した場合、さらに感染させるリスクを持つ。
別途接種していない12歳未満の人口構成率は1割前後いる。
主義主張の激しい欧米の国では接種完了率の限界は70%と予想される。それを証明するかのように、英国(完了率66.9%/10月28日現在)でも米国(57.1%/29日現在)でも、接種完了率が頭打ちになって久しく、感染者数が高止まりしたままになっている。

<ブレークスルー層>
ブレークスルー層はワクチン種による有効性から最小10%前後~最大50%の人が、ワクチン接種完了してもなお感染リスクを持つ人たちがいる。
そのうえワクチンには有効期限があり、追加接種が求められている。
有効率が低ければ最初から3回接種が必要性もあろうか、中国製ワクチンを接種した国ではすでにそうした国もある。

集団免疫論は限定した一定地域内に生活する人たちを対象として構成されるもの、関所でも設けなければ、あらゆる交通手段により人的交流・接触が経済の前提になっている今日、その空間が広域化するほど不可能に近い。
新コロナウイルスが少しずつ姿かたちを変えながら急速に世界に広がったのは、その逆説的な理由にもなろう。

<水際作戦では成功事例国なし>
水際作戦も世界のあらゆる接点(港湾・空港・関所)で採用されているが、いとも簡単に英国株を世界で感染拡大させ、続いてデルタ株も拡大させ、水際作戦が口だけで実際はほとんど機能しないことを証明している。
水際作戦は、しないよりしたほうが少しはましだろう程度、その多くは政治が決定しており、政治が国外から国内にウイルスを持込見させ続けているといっても過言ではない。今回も10月以降、水際作戦を大幅に緩和しており、さらにあらたなデルタプラス株などの侵入はたやすくなっている。
人が媒介するウイルス、人と人が接触する限り、その接触度数に応じて感染は拡大する。

<人口密度の問題>
ワクチンを接種しない人は、集団心理により人口密度が高い大都市により多くなる。逆に地方では集団心理により未接種者数は少なくなる。
しない人が全体での率が低くとも、都会では人口密度が高く、人口密集地帯の未接種間で感染させ続ける可能性が高い。

韓国には今年6月末時点で39.8万人の外国人の不法滞在者がいる。当然、そうした人たちは、正社員として正規に働くことは困難、裏・表の就業機会が多い首都圏に居住しているものと推察される。どこの国でもそうであるように多くが大小のコミュニティを形成し、連携しているものと見られ、それだけでも感染拡大の起爆剤になる可能性はある。
韓国のソウル市は昨年、ソウルの事業所の外国人従業員に対して検査の義務付けを課したが、反対にあい頓挫していた。


スクロール→

 

外国籍人居住者

不法残留者

備考

日本

2,887,116

79,013

20年末/1971日現在

韓国

2,216,612

398,518

20111日/21/6月末現在

・韓国は最低賃金の急増により外国人労働者も不法残留者も急増している。

こうしたことを受け、世界の政治は、感染者に対してではなく、ワクチン接種により死亡者数が減少しており、インフルエンザのように発症者・重症者に対して対策を講じる方に政治は動いているようだ。
だが、世界市民からしてみれば、死亡者は確実に発生し続けており、感染者の後遺症問題はインフルエンザどころではなく、就労にもつけない状態の人も多発している。
また、感染者を多く出しても死亡者が減ればという、ワクチン接種前との比較論で処理すれば、感染が大量に続くことになり、さらに感染力が強く・重症化率も高い超悪玉菌の新型コロナウイルス変異株を世に創り出すことにも繋がる。

現在の新コロナウイルス変異株に対する万能薬となるワクチンや治療薬はない。それはウイルスそのものがより感染力が強く、より重症化率の高いウイルスに変異し続けていることにある。
米国や英国のように、感染者が大量に発生する限り、ワクチンにより育成される中和抗体を回避・逃避する、より強力なウイルス変異株が出現する可能性も高くなる。
最近の変異株ではスーパーデルタプラス、データプラス株が英国で発見され、すでに欧米各国で見つかり、ロシアでは急速に感染を拡大させている。

 

↓World Meterによる世界の感染者数と死亡者数、および接種完了率
ワクチン接種完了率はOurWorldinDataの10月30日更新分
9月29日に2000以上の感染者が発生した国のみ掲載。

スクロール→

 

 

感染者数

死亡者数

ワクチン

 

 

累計

10/29

累計

29

完了

 

World

246,728,058

469,715

5,004,026

7,647

 

1

USA

46,771,979

80,469

765,722

1,556

57.1%

2

英国

8,979,236

43,467

140,392

186

66.9%

3

Russia

8,432,546

39,849

236,220

1,163

37.4%

4

Ukraine

2,878,674

26,870

66,852

648

23.1%

5

Turkey

7,985,944

24,409

70,207

209

65.1%

6

Germany

4,577,488

23,758

96,176

114

68.8%

7

India

34,259,719

14,189

457,773

552

52.3%

8

Romania

1,628,501

12,474

46,929

480

33.8%

9

Brazil

21,793,401

11,965

607,504

379

74.4%

10

Iran

5,909,402

9,893

125,998

123

61.4%

11

Poland

3,008,302

9,395

76,875

102

53.5%

12

Belgium

1,351,913

9,195

25,976

30

74.8%

13

Thailand

1,893,941

8,968

19,070

64

58.7%

14

オランダ

2,115,938

7,389

18,384

13

76.0%

15

France

7,153,188

6,433

117,649

27

75.7%

16

Serbia

1,131,819

6,217

9,826

65

45.6%

17

Malaysia

2,460,809

6,060

28,832

63

77.6%

18

Austria

819,195

5,861

11,333

17

65.0%

19

Italy

4,762,563

5,335

132,037

33

77.2%

20

Bulgaria

598,199

5,256

23,872

154

20.4%

21

Vietnam

910,376

4,899

21,966

56

56.6%

22

Slovakia

474,595

4,587

13,000

23

45.7%

23

Mexico

3,798,286

4,503

287,631

357

54.8%

24

Croatia

462,482

4,392

9,168

26

46.6%

25

Czechia

1,752,101

4,354

30,729

24

58.0%

26

シンガポール

192,099

4,248

380

16

80.7%

27

Hungary

863,419

4,041

30,729

37

61.8%

28

フィリピン

2,779,888

3,988

42,621

44

25.1%

29

Georgia

711,255

3,965

9,961

43

25.5%

30

Greece

734,778

3,611

15,856

55

63.9%

31

Lithuania

402,864

3,116

5,812

38

67.3%

32

Latvia

214,460

2,758

3,198

25

61.5%

33

Canada

1,712,125

2,596

28,951

23

78.3%

34

Ireland

440,665

2,541

5,436

0

76.5%

35

Slovenia

331,206

2,510

4,730

7

57.2%

36

Chile

1,690,735

2,281

37,729

10

84.8%

37

Spain

5,011,148

2,261

87,368

46

81.3%

38

Azerb.

526,920

2,132

7,021

26

 

39

S. Korea

360,536

2,124

2,817

9

74.6% 

40

Armenia

304,546

2,096

6,232

43

 

 

↓スキあらばどこからでも忍び寄ってくる。シュール。

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[ 2021年10月31日 ]

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