アイコン 感染者増の中もウィズコロナに入った韓国 ワクチンは神話だったのか


今やワクチンの効能は、当初の感染抑制効果より重症化抑制に重きが置かれている。確かにその効果は接種者の死亡者の減少として実証されている。
集団免疫を主張していた専門家は、感染力の強いデルタ株ではこれまでの常識は通用しなくなっていると言い出す始末、いつもの想定外だと。
ワクチンの接種の有無にかかわらず感染すれば、ワクチン接種のブレークスルー者やワクチン未接種層に対して、感染リスクを増加させ、感染増が拡大すれば病院を逼迫させ、重症者を増加させ、最善の治療が受けられなくことにもなる。
そして中等症・重症では新コロナから完治しても多くの人がダメージを受け後遺症にさいなまれている。

韓国では感染者が増加する中、11月から「段階的な日常生活の回復(ウィズコロナ)」に入った。新コロナ感染症に対し防疫対策より、重症化対策にシフトする。
日常回復委員会が開催されたのは10月13日、事業者・内需経済の疲弊からの回復を念頭に、ワクチン接種も進み、「段階的な日常生活の回復(ウィズコロナ)」の検討に入った。感染者数が大幅に減少していた過程での開催でもあった。
しかし、ワクチン接種効果で減少しているとみた担当局や専門家など委員会メンバーたちをその後の感染者増は裏切るものとなった。
当然、互いに高いワクチン接種率の日本の感染者数が激減、日本ではいち早く10月1日に宣言・措置を全面解除、その後も感染者数が減り続けていたことから、ライバル意識が強い韓国の判断はやむをえない面もある。

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韓国当局は10月18日から緩和の試行期間に入った。ところが、国民の気が緩んだのか翌週から感染者が増加しだし、11月からは酒あり飲食店の24時間営業も可能なウィズコロナ期間に入り、感染者は増加し続けている。
これまでの新コロナと異なり、感染力が強いデルタ株であり、長時間3蜜状態では感染リスクを高めるばかりなのであるが・・・。

11月6日の公表段階で2回接種完了していない人は12百万人、また、接種完了者で接種効果が薄い15%(各種ワクチン計での想定値)のブレークスルー者数約6百万人の計18百万人(人口5,132万人)あまりが現在感染リスクにさらされていることになる。
感染者数が減っていれば、当然そうした人たちの感染リスクは下がるが、感染者数が多ければ多いほど感染リスクも高くなるのは必然。ヒトとヒトの接触による感染であるから。

韓国当局はPCR検査を日々10万件以上実施し続けている。接触者などは罰則規定もありPCR検査を受ける人たちも多い、スクリーニング調査も脆弱施設に対して巡回させ実施している。そうした効果により、爆発的な感染を食い止めてきたことも事実。

しかし、一方で、酒飲み人口が多い韓国にあり、これまで最高の「レベル4」規制でありながら飲食店の営業時間規制は酒ありで午後10時まで、11月からはそれも24時間OKときたら何か片手落ちであるようでならない。
一定空間では、直接飛まつだけではなく、濃度が濃い空中浮遊ウイルスからの感染も判明している。酒が入れば声が大きくなり、飛まつも空中浮遊微小飛まつも増加する。
寒くなってきている、ソウルでは最低気温が10度以下が続いている、12日には1度が予想されている。飲食店では常に外気との換気が必須条件になってもいるがどうだろうか。
  ある程度の感染者数や感染増を容認した、国民が求めたウィズコロナ政策、感染者が増加しても目を瞑るしかない。

世界で一番早く接種しだした英国では感染者が減らないまま、これまた世界に先駆けて7月19日にウィズコロナ政策に切り替え全面解除した。結果、毎日3~4万人(人口6,830万人)の感染者が発生し続けている。ただ、ワクチン効果もあり重症者率や死亡率は相対的には減っているが、絶対数の増加により、日々200人以上が亡くなっている。これ以上増加すれば医療は崩壊すると英医師会は警告している。ジョンソン首相は4ヶ月ぶりに国会でマスクを着用したというニュースも報じられている。

現在の韓国の位置は、感染者数からすれば英国と比較にならないほど低いが、これまでの経過からすれば、今回のウィズコロナ政策は相通じているように見えてしまう。

その英国では、米メルク社が開発した新コロナ治療薬を世界に先駆けて承認し、投与を開始している。また、米ファイザー社も発症3日以内ならば89%の重症化リスクの抑制効果がある治療薬「パクスロビド(Paxlovid)」を開発、治験も終了し、米FDAに承認申請するという。Paxlovidについては米政府がすでに大量に予約契約しているという。

※使用データは、韓国防疫当局、ワールドメーター、アワーワールドインデータ、各種報道記事など利用。

 

韓国の曜日ごとの感染者の発生状況  8月29日~11月6日まで


スクロール→

8/29

1,617

1,483

1,370

2,024

1,956

1,709

1,803

9/5

1,490

1,375

1,596

2,049

2,047

1,892

1,865

9/12

1,755

1,433

1,495

2,079

1,941

2,008

2,084

9/19

1,909

1,605

1,727

1,720

1,716

2,430

3,273

9/26

2,770

2,381

2,289

2,883

2,564

2,484

2,247

10/3

2,085

1,672

1,575

2,027

2,421

2,176

1,949

10/10

1,594

1,297

1,342

1,584

1,937

1,682

1,617

10/17

1,418

1,049

1,073

1,570

1,441

1,440

1,507

10/24

1,423

1,190

1,266

1,950

2,107

2,124

2,103

10/31

2,061

1,686

1,588

2,666

2,480

2,344

2,248

 


スクロール→

感染増の中でウィズコロナの韓国

9/1822

秋夕節前後連休(お盆相当)

10/911

ハングル前後連休

1013

日常回復委員会、11月からの緩和仮決定

10/1831

段階的緩和措置試行期間入りで緩和

1031

ハロウィン 、1289人が検挙

111

段階的緩和措置執行/1日夜、酒酔い運転299人検挙

10/31まで飲食店の営業時間は酒あり午後10時まで、11/1から酒あり24時間営業可能

 


スクロール→

韓国の感染者数とワクチン接種完了率の推移

2021

累計

日平均

前週比

ワクチン

612

148,273

 

 

 

完了率

6/1319

150,720

2,447

350

 

8.0%

6/2026

154,457

3,737

534

52.7%

9.2%

6/277/3

159,342

4,885

698

30.7%

10.5%

7/410

166,722

7,380

1,054

51.1%

11.6%

7/1117

176,500

9,778

1,397

32.5%

12.9%

7/1824

187,362

10,862

1,552

11.1%

13.5%

7/2531

198,345

10,983

1,569

1.1%

14.1%

8/17

209,228

10,883

1,555

-0.9%

15.2%

8/814

222,111

12,883

1,840

18.4%

19.1%

8/1521

234,739

12,628

1,804

-2.0%

22.7%

8/2228

246,951

12,212

1,745

-3.3%

28.6%

8/299/4

258,913

11,962

1,709

-2.0%

34.8%

9/511

271,227

12,314

1,759

2.9%

39.2%

9/1218

284,022

12,795

1,828

3.9%

43.3%

9/1925

298,402

14,380

2,054

12.4%

45.3%

9/2610/2

316,020

17,618

2,517

22.5%

52.7%

10/39

329,925

13,905

1,986

-21.1%

59.4%

10/1016

340,978

11,053

1,579

-20.5%

64.7%

10/1723

350,476

9,498

1,357

-14.1%

70.2%

10/2430

362,639

12,163

1,738

28.1%

75.4%

10/3111/6

377,712

15,073

2,153

23.9%

76.5%

 


スクロール→

韓国のワクチン接種・種別/116日発表分

 

1回目

2回目

 

回数

構成比

回数

構成比

AZ製

11,110,247

26.8%

11,001,609

28.0%

ファイザー製

22,273,842

53.7%

20,998,040

53.5%

モデルナ製

6,597,027

15.9%

5,777,278

14.7%

J&Jヤンセン製

1,489,197

3.8%

 

41,470,313

 

39,266,124

 

人口比

 

80.8%

 

76.5%

未接種者数

9,854,332

 

12,058,521

 

 

1108_01.jpg

 

参考、日本とインドネシアに見る感染者の激増と激減


スクロール→

日本とインドネシアの感染者数推移

 

日本

インドネシア

人口

126,650,000

277,400,000

5/306/5

2,632

4,881

6/66/12

1,905

7,326

6/1319

1,448

10,669

6/2026

1,486

16,827

6/277/3

1,556

23,270

7/410

1,907

33,451

7/1117

2,835

48,821

7/1824

3,903

42,153

7/2531

8,669

40,262

8/17

13,048

32,851

8/814

16,044

27,704

8/1521

21,863

19,072

8/2228

22,416

14,194

8/294

17,364

8,173

9/511

10,315

5,731

9/1218

5,708

3,542

9/1925

2,705

2,532

9/2610/2

1,607

1,698

10/39

888

1,271

10/1016

558

996

10/1723

252

769

10/2430

264

634

10/3111/6

202

555

 

感染者激減の一つの理由?

新コロナでは4ヶ月周期説とか、感染拡大に対する規制強化効果、市民の防疫対策強化など挙げられているが、日本の国立遺伝学研究所は「ウイルス自死説」を発表している。

新コロナウイルスに対して、人が元来持つウイルスのコピーを阻害する酵素「APOBEC酵素」がウイルスにくっ付き、ウイルスが持つ変異修復酵素「nsp14」を混乱させ、修復できないようになりウイルスは自死するというもの。

当研究所によると、日本人や東南アジアの島国やオセアニアの先住民族などに当該の「APOBEC酵素」が多くあるという。ただ、当研究所は日本ではゲノム解析した結果に基づき10月30日に学会で発表したが、インドネシアの激減についてはゲノム解析しておらず、まだどうして激減したのかは解明されていない。

11月に入り、海外の研究者も特定されたウイルスの遺伝子に変化が生じ自死して感染が減少したと発表している。既存株や英国株での感染拡大が収束した理由としている。ただ、新たに変異したデルタ株やデルタプラス株に対してはまだその段階ではないとしている。

 

意外と「APOBEC酵素」こそが山中iPs教授が言う「ファクターX」の正体なのかもしれない。

まだ、新コロナウイルスの生態については未知の世界、いろいろ減少の理由が取りざたされるだろうが、一つの参考程度にはなるだろう。

1108_02.jpg


スクロール→

ワクチン接種状況

 

日本

インドネシア

人口

126,650,000

277,400,000

 

接種数

接種率

接種数

接種率

 

11/6日更新分

11/5日更新分

1回目

98,487,956

77.8%

123,820,000

44.8%

2回目

92,556,990

77.1%

77,690,000

28.1%

未接種者数

未接種者数

28,162,044

22.2%

153,580,000

55.2%

未完了者数

34,093,010

22.9%

199,710,000

71.9%

累計感染者数ほか

 

感染

死亡

感染

死亡

累計

1,723,703

18,309

4,247,721

143,534

 

[ 2021年11月 8日 ]

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