アイコン 緊急告知!元検事の郷原信郎弁護士・落選運動と大石候補のシルエットチラシの違法性を講演する


日時:2月8日午後6時30分
場所;大村市東本町387-1
泉の里アーケド館

【長崎県知事選】限りなく「黒」に近い?~自民党長崎県連と維新推薦の大石候補陣営の選挙活動

郷原

 4期目を目指す中村法道知事と医師で元厚労官僚の大石けいご候補と会社社長の宮沢由彦候補との三つ巴の戦いとなった「長崎県知事選」(2月20日投開票)で、形振り構わぬ選挙活動が行われていた。自民党長崎県連と維新が推薦する大石氏を想起させるシルエットチラシが地元紙の折り込みで配布されていたのだが、公選法に詳しい元検事の郷原信郎弁護士が去年4月の参院広島選挙区再選挙で問題視した自民党公認候補のビラと瓜二つであったのだ。

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2021年4月24日付の本サイトの記事「【参院広島再選挙】限りなく「黒」に近い?~自民党の選挙活動」でも紹介したが、選挙戦最終盤に広島で講演をした郷原氏は、中国新聞の折込みで配布されたビラを手に次のように訴えていたのだ。
「中国新聞にこういう自民党のビラが入っていました。(表に)岸田さんが、県連会長のメッセージがある。裏に候補者のシルエットが入っている。ここに『39歳、自民党公認、広島市出身、被爆三世』と書いてある。プロフィールを書いてシルエットまで出して、候補者名だけが書かれていない。(ビラの中にある)『公職選挙法に規定により候補者の顔写真や氏名を記載することが禁止されているため、シルエットを用いています』と正直に書いてある。これは一体何ですか。

大石

 そもそも選挙期間中の政党のビラというものは、政党の政策を訴えるものでなければいけないし、候補者名をもろに書いたり、それを推測されるようなことを書いてはいけないのは、公選法のルールです。これは公選法違反そのもの、真っ黒になるかどうかは別として、相当に問題のあるやり方だと思います」
 二つのチラシ(ビラ)には共通点がいくつもあった。長崎新聞や西日本新聞の折り込みで配布された大石氏想起のチラシにも、表には小さい文字ながら「公職選挙法の規定により、候補者の氏名や写真を記載できないため、シルエットにて表示しております」と書かれていた。また大きな文字で「39歳医師」「コロナとたたかう医療専門家」「推薦 自民党長崎県連 日本維新の会」とも明記され、大石氏とすぐに分かる黒メガネ入りのシルエットもあった。

大石のサムネイル画像

 チラシの裏には、政策集から抜粋したという「新人知事候補公約」がずらりと並び、下の方には自民党長崎県連と日本維新の会の推薦メッセージが書かれていた。
 郷原氏に大石氏のチラシを見てもらうと、「参院広島選挙区再選挙の自民党公認候補のビラとほとんど同じで、非常に問題だ」と判定してくれた。「限りなく『黒』に近い?」と疑われるチラシを受け取った長崎県民の間からも「違法ではないか」との声が上がったが、問い合わせに対して県の選管は「富山県知事選などでもシルエットチラシが使用されたが、本人の写真ではないので問題ない」と答えたという。

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だが、先の本サイト記事ではこの県選管の主張を論破するような解説も紹介していた。今回のケースにそのままあてはまるので、やや長くなるが、再び引用することにする。<(参院広島再選挙の)折込みビラには「※公職選挙法に規定により候補者の顔写真や氏名を記載することが禁止されているため、シルエットを用いています。」という但し書きがあった。法律順守の姿勢を印象づける文言にはなっているが、郷原氏が「候補者名を推測されるようなことを書いてはいけない」と述べた通り、公選法は「氏名類推事項」(注)の掲載も禁止しているのだ。この部分を意図的に削除することで、違法行為ではないと印象づけることを目論んだ確信犯と疑われても仕方がないのだ。

注:国会答弁((第103回国会 衆議院 地方行政委員会 第1号 昭和60年11月8日)には、「公職の候補者等の氏名又は当該公職の候補者等の氏名が類推されるような事項」の、その「氏名が類推されるような事項の中には写真とかあるいは似顔絵とかそっくりの人形とか、そういうような、そのことを見ることによって客観的に候補者の氏名が想起されるような事項を含む」とある>。(2021年4月24日付の本サイトの記事より)

参院広島再選挙の折込みビラについて郷原氏は、こう指摘していた。
   
「シルエットの利用自体はグレーゾーンで、東京都知事選や北区区長選や富山県知事選でも問題になったが、この三選挙ではシルエットと共に併記している文字は候補者を匂わす程度にとどめており、本人のビラとは一応区別できるようにしていた。それに比べて今回の(参院広島再選挙での)折込みビラは、シルエットのイラストが候補者であることを明示し、年齢や細かい候補者のプロフィールまで載せており、本人の選挙活動用の顔写真入りのビラを、わずかに加工したかのようなつくりになっている。政党ビラとして一線を超えているように見える。『自民党は明確な公選法違法でなければ何でもやるのか』『自民党は限りなく黒に近い選挙をまたやるのか』と批判されても仕方がないだろう」

なお長崎県知事選で大石氏想起チラシを配布したのは、新人候補を応援する確認団体「新しい長崎をつくる会」。参院広島選挙区再選挙での折り込みビラは「限りなく黒に近い」と郷原氏に問題視されていたのに、長崎県知事選でも大石氏を想起させるシルエットチラシをばらまいていたからだ。

世論調査では、現職の中村知事が先行して大石氏が追う展開になっているが、「こんなことをやらざるを得ないところまで大石候補の陣営は追い込まれているのではないか」と郷原氏は見ていた。違法性濃厚の形振り構わぬ手法がプラスになるのかマイナスになるのか。20日投開票の長崎県知事選の結果が注目される。

インターネット長崎奉行・遠山金四郎こと中山洋次

 

[ 2022年2月17日 ]
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