アイコン アフガンでチャイニーズホテル襲撃される ISKP


現地紙はアフガニスタンの首都カブール中心部で中国人客が多いホテルが武装勢力に襲撃されたと報じた。
イスラム主義組織タリバン暫定政権のムジャヒド報道官は襲撃者3人を殺害したと発表した。外国人宿泊客の死者はなかったが、宿泊客2人が逃げる際に負傷したという。

地元メディアによると、周辺住民は現場で大きな爆発音が響いた後、銃撃音が聞こえたと話しているという。ホテル内に武装勢力が侵入し、銃撃したとみられている。
このホテルは中国人利用客が多く、地元では「チャイニーズホテル」と呼ばれていた。アフガンでは外国人を狙った武装勢力による攻撃が相次ぎ、9月にはカブールのロシア大使館、12月2日にはパキスタン大使館が襲撃されている。
中国政府はタリバン政権と良好な関係にあるが、中国が主導するカブール近郊のアイナク銅山の開発で中国関係者の入国が増加していた。
以上、

 

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流れ
中国共産党とタリバンは、中国がタリバンを支援する代わりに、タリバン(アルカイダも含む)は中国への浸透を図らないという暗黙の了解ありは周知の事実。
しかし、現在、こうしたアフガンを襲撃しているのは、アフガン・パキスタン、中央アジアの一部で暗躍するIS系(イスラム国ホラサン州(ISKP/2014年設立でIS後発))、タリバンと共通の敵である米国が撤退したことにより、タリバンとはもともと宗教の違いから敵対関係にある。さらに新疆ウイグル地区でイスラム教徒(ISと同じスンニ派)を弾圧し続ける中国に対しても敵意をむき出しにしてきている(先日、闘争宣言を発していた)。

トランプ米政権時代の2018年前後、米国はタリバンと停戦交渉に入っていたが、タリバン内で反対する有力な強硬派がタリバンを離脱してISに合流したとされ、現在のアフガンでも強硬姿勢を貫いているようだ。(当時、タリバンは多くの強硬派を抱え、その中の一つと見られる)。
かつて支配していたアフガン-パキスタン国境付近は、この間、タリバンの掃討作戦で拠点をなくし、一時1000人程度まで減ったとされていた。しかし、最近は勢力を再び盛り返し3000人以上になっていると国連が警告している。

中国は中東と関係強化して同じイスラム教スンニ派の新疆ウイグル地区に関与させないよう分断工作を図ったとされているが、当時、一帯はタリバンが米国相手に主導権を握っており、米国が逃げ出た現在、タリバンは中国と手をつなぎアフガンを掌握、ISKPはそのタリバンや中国をターゲットにする可能性も高くなっている。

旧タリバン政権時代にはイランに近い地域のシーア派(アフガン人口の10%)を迫害したが、現在のタリバンは、イラン革命防衛隊の支援を受けているとされ、アフガン内のシーア派住民を攻撃しているのはIS(イランと仲良しなのは中国、米制裁に関係なく、原油を輸入し続けている)。

今回はそうした一連の流れのISKPによる襲撃事件と見られる。

(中国はウイグル地区に100万人収容の強制収容所を作り、軍隊の管理下、イスラム教のウイグル人たちを共産教に強制改宗させている。モンゴル帝国も含め中国の歴代の王たちは侵略した国の宗教には触れなかったが、習王朝はチベットもそうであるがまったく異なる。)

現在、サウジは中国と迎撃ミサイルの共同開発を行っている。独裁政権のサウジの皇太子はエセ人権派の米バイデンを嫌っており、中国の習近平王朝の独裁政権とは馬が合うようだ。

タリバン政権再樹立、タリバンは反政府になった従来の政府関係者や軍および部族をパンジシール紛争で敗北させたが、ISKPはそうしたタリバン反政府勢力の残党兵を糾合し勢力を拡大しているようだ。

今後のタリバン政権にとって、中国はインフラ投資の最大の協力者、中国もその見返りに求めるのは資源開発、アフリカでもパプアニューギニアや南アメリカ、南太平洋の島国での常套手段。 また、アフガンに鉄道敷設でインド洋へ・イランへ、一帯一路戦略を進める上でアフガンは要所ともなる。
しかし、今ではIS最後の橋頭堡となっているアフガン、中東ISの流入もあり、中国のアフガン開発では山岳地帯が多く、これまでとは異なりいろいろ抱え込むことになる。

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[ 2022年12月13日 ]

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