アイコン ミャンマー・クーデター 日本からの進出企業


昨年11月に選挙で8割を獲得して圧勝した国民民主連盟(NLD)、しかし、選挙に不正があると軍がイチャモンをつけ出し、今回のクーデターとなった。もともと軍がNLDを認める際に25%の議席は自動的に軍議席になっており、憲法改正もできないようになっており、それでも軍寄りの政党がほぼ全滅したことに怒り、不正選挙を持ち出した。当然、ロヒンギャなどに対する選挙権もない国でもある。

ミャンマー軍は2月1日午前、国営テレビを通じて、非常事態宣言を発令し、期間は1年間だと発表した。
ミャンマー軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官が大統領権限を持ち、国を統治するとし、大臣と副大臣24人を解任、国軍は新たに大臣と副大臣を含む政権幹部11人を任命したと国営メディアで発表した。

なお、軍も海外勢を意識したのか、アウンサン・スーチー代表やウィン・ミン大統領は自宅に軟禁されていることが確認されている。ビルマ軍関係者は、アウンサン・スーチーおよびウィン・ミン大統領など政府関係者やいくつかの市民活動家が逮捕された後に次の発表をなしたという。
軍最高司令官室は、停戦と永続的な平和のため、新しい平和交渉委員会の設立を発表した。
委員会は中将の・・が議長を務める。Aung Lin Dwe中将が秘書で、SeinWin中将がメンバー。イェアウン中尉; ティンマウンウィン中尉; ミン・ナウン中将とエイ・ウィン中将と共に再編成された。

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委員会は、全国停戦協定(NCA)の道をたどり、NCAに署名した民族武装グループとの平和のために働き続ける。

交渉は、NCAがまだ署名していない民族武装グループに署名できるようになるまで続き、永続的な平和が終わるまで続くとしている。(ミャンマーは各地に部族がおり武装部族も多い、中国との国境線、インドとの国境線にも多くの武装部族がいる。中国がこうした部族を意識的に利用している。こうした武装部族の武装解除を進めているが、ロヒンギャのようにISの息がかかった武装集団もおりなかなか進んでいないのが実態)

ミャンマーでは、国民民主連盟(NLD)系の事務所は施錠され閉鎖されており、国から州政府に至るまで知事や議長など含むNLD系政治家は全員拘束されたようだ。

2月1日、国民民主連盟は党首のアウンサン・スーチー氏の名前で声明を発表した。事前に用意されていたと見られる声明文で「人々の支持により選ばれた議会や政府が憲法を無視する軍によって破壊されてしまった」、「国軍の行動は、この国を独裁政権下に引き戻すものだ」と批判し、「人々がこうした行動を認めず、軍のクーデターに対して心から抗議することを強く求める」とロイターに伝えたが、国民へは情報手段が軍により完全遮断されており、国営メディアから軍の発表しか入らなくなっている。ミャンマーのメディア各紙はすべて閉鎖されている。

こうした事態を受け米国は、
バイデン大統領はサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)から情勢の報告を受けており、サキ報道官も声明を出し、ミャンマー国軍らに「民主的規範の順守と、拘束者の本日中の解放」を強く促した。そのうえで、事態が改められなければ「責任のある者に対して行動をとる」と述べ、対抗措置を強く示唆した。

今後は中国しだいだろうが、中国もこれ以上米国とこじれたくない思いが強く、以前のようなミャンマーの軍事政権に対する後援態度は示さない可能性もある。それでなくてもロヒンギャ問題で欧米から投資が途絶、スーチー氏自ら中国へ支援を求めにいく現実下にあった。
米国も仏教国のミャンマーのスーチー政権が、ミャンマー西部のイスラム教徒のロヒンギャ問題を抱えたままになっており、対応に苦慮することだろう。

一方、軍はロヒンギャのISの息がかかった武装勢力の根絶に向け、大規模掃討作戦に入る可能性もある。避難民のロヒンギャ民族は100万人超、すでに70万人あまりがバングラデシュへ避難、バングラデシュからも一部は追い出され、バングラデシュの無人島へ強制移住させられている人たちも多く、国連の支援で生き延びている。

東南アジアのISは、ミャンマーやマレーシア、インドネシア、フィリピン西部のイスラム居住区の僻地や島嶼に根を張っており、連結することもある。

ロヒンギャ問題はそうしたロヒンギャの武装勢力がIS化し強化したことにより、ミャンマー軍との抗争も激しくなり、避難民が大量に出たもの。その際、ミャンマー軍はロヒンギャ住民も見境なしに殺戮、強姦し放題で大量の避難民を生んだ。旧日本軍を規範としたミャンマー軍の質も世代も代わり大幅に落ちているようだ。

結果、70万人も避難民が生じているにもかかわらず、ミォンマー軍との板ばさみになったのか、スーチー氏自信がロヒンギャ問題を認めず、国際社会から批判されている。
ただ、今回のクーデターは、2010年から10年間も統治しているスーチー氏が、自らのNLD強化ばかりに務め、軍の懐柔策をとってこなかったことにも起因していよう。

日本もすでに多くの企業が進出しており、社員は自宅待機させ事態を見守っている。日本はミャンマーに対して巨額借款金をチャラにした経緯がある。それでも日本は政治的に圧力をかける力は0に近い。そうした人材もいない。

ミャンマー政府が設定した「ティラワ経済特区」と「ダウェー経済特区」には外資から多くの投資が集まっており、日本からは2017年10月1日時点でミャンマーに進出している日系企業数は438拠点。他のアジア諸国と比較すると拠点数は少ないが、インフラの整備とともに超安賃金に急増している。
その内訳としては、ミャンマーの現地法人が249拠点(本店132拠点・支店等23拠点・合弁企業72拠点・日本人が海外で興した企業37拠点)となっており、日本企業(現地法人化されていない日系企業)が164拠点(支店103拠点・駐在員事務所および出張所61拠点)となっており、その後も増加しているものと見られる。

タイは軍事政権が政権掌握したまではよかったが、居心地がよい軍はそのまま居座り、選挙をしたものの、国民に絶対信頼がある政治不可侵の王様まで軍が有利になるよう口を出し政権を掌握、国民は今では政権に加え、これまで禁忌だった王様批判まで行っている。
現在の王様はドイツに豪邸を構え豪遊し、ドイツで過ごすことが多く、昨年、ドイツ政府から自国に帰れと追放された経緯がある。これまでの王様は国民の間を歩き国民を助ける姿があり、絶対的な信頼感があったが、現在の王様は豪遊大好きのトンでもない王様になっている。そのための資金作りを軍に頼っている。
そうしたタイの軍施政権を横目で見ていたのだろうミャンマー軍も。

 

[ 2021年2月 2日 ]

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