12月の米経済状況 悪化鮮明だが家賃・サービス上昇止まらず
FRB=連邦準備制度理事会が18日、最新の経済報告を公表し、物価はほとんどの地区で上昇したものの、多くの地区では上昇のペースが鈍化していると指摘した。経済活動は前回と変わらず、5地区で僅かに拡大、6地区変わらず、1地区で減速。
12月のインフレ率は総合で21年10月以前の水準まで下がったがCPI指数は上昇の一途、12月は特にエネルギー価格が米景気悪と中国新コロナ混乱で大幅に下げたが、原油価格は再び80ドル前後まで上昇している。
1月31日からFOMCが開催され、2月1日に新金利が発表される。0.25%上昇で4.75%が予想されているが・・・。生活に直結する食料は、高いままであり、家賃も上昇が続いている。
これまでの金利上昇をストップさせれば、その反動で再インフレの可能性もあり、難しい選択を迫られる。
インフレ退治は、米国では高い金利水準が続き、ドル高・他国の通貨安が当面続くことになる。
インフレ退治は3大経済圏の米欧中同時に執行しなければ時間がかかると見られる。まだ、ロシアはきな臭いままであり、何が発生するかもわからない。
12月の米生産者卸物価指数(PPI/米労働省発表)は、
12月0.5%低下、パンデミックが始まって以来の大幅低下、
主にエネルギーと食品価格が下落、コアPPIは前月比0.1%上昇/前年同月比5.5%上昇している。
12月の小売売上高(季節調整済み)は
前月比▲1.1%減、2ヶ月連続減。市場予想の▲0.8%減より大きく、自動車や各種商品(モノ)の売上減が響いた。個人消費や経済全体が弱含んでいることを示した。
12月の鉱工業生産指数は
前月比で▲0.7%低下、11月も速報値0.2%低下から▲0.6%低下に下方修正された。
12月の製造業の生産指数(FRB発表)は
▲1.3%低下、市場予想は▲1.2%低下だった。11月は速報値▲0.6%低下から1.1%に下方修正された。
借入コストの上昇が商品需要の打撃となり、製造業の勢いが急速に失われていることが示唆された。
12月の住宅建設業者指数は
全米住宅建設業者協会(NAHB)が発表した1月の住宅建設業者指数は4ポイント上昇の35となり、市場予想中央値の31を上回った。
前月までは12ヶ月連続で低下しており、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて落ち込んだ2020年春を除けば12年6月以来の低水準となっていた。
11月の企業在庫(商務省)は
前月比0.4%増と10月の0.2%増を上回り、市場予想に一致した。金利上昇により販売が減少した。前年同月比では15.1%増加した。
スクロール→
米国の各種インフレ率 インフレ退治金利 |
|||||||
|
金利 |
インフレ率 |
|||||
全体 |
食料 |
コア |
家賃 |
サービス |
エネルギ |
||
21/9月 |
0.25 |
5.4 |
4.6 |
4.0 |
3.16 |
3.20 |
24.83 |
21/10月 |
0.25 |
6.2 |
5.3 |
4.6 |
3.48 |
3.65 |
29.97 |
21/11月 |
0.25 |
6.8 |
6.1 |
4.9 |
3.84 |
3.77 |
33.29 |
21/12月 |
0.25 |
7.0 |
6.3 |
5.5 |
4.13 |
4.01 |
29.30 |
22/1月 |
0.25 |
7.5 |
7.0 |
6.0 |
4.36 |
4.58 |
26.98 |
22/2月 |
0.25 |
7.9 |
7.9 |
6.4 |
4.74 |
4.80 |
25.55 |
22/3月 |
0.50 |
8.5 |
8.8 |
6.5 |
4.98 |
5.12 |
32.05 |
22/4月 |
0.50 |
8.3 |
9.4 |
6.2 |
5.14 |
5.37 |
30.27 |
22/5月 |
1.00 |
8.6 |
10.1 |
6.0 |
5.45 |
5.74 |
34.06 |
22/6月 |
1.75 |
9.1 |
10.4 |
5.9 |
5.61 |
6.22 |
41.62 |
22/7月 |
2.50 |
8.5 |
10.9 |
5.9 |
5.70 |
6.25 |
32.93 |
22/8月 |
2.50 |
8.3 |
11.4 |
6.3 |
6.24 |
6.81 |
23.81 |
22/9月 |
3.25 |
8.2 |
11.2 |
6.6 |
6.59 |
7.37 |
19.80 |
22/10月 |
3.25 |
7.7 |
10.9 |
6.3 |
6.90 |
7.20 |
17.60 |
22/11月 |
4.00 |
7.1 |
10.6 |
6.0 |
7.10 |
7.20 |
13.10 |
22/12月 |
4.50 |
6.5 |
10.4 |
5.7 |
7.50 |
7.52 |
7.30 |
・コアインフレ率はエネルギーと食料を除いたもの。 |
|||||||
・食品とエネルギーを除くコアインフレ率は下がってきている。 |