アイコン 米FOMC 0.25%金利上昇させ5.0%に インフレ退治優先 危うい米金融機関一覧


米国では銀行破綻が相次ぐ中、3月21日・22日開催した米連邦公開市場委員会=FOMCで、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会の政策金利を0.25%引き上げ、下限4.75%~上限5.00%に決定した。
金融システム不安が燻るなかでも、インフレを抑えこむ決意を打ち出した。

先立ってイエレン財務長官は金融機関の不安に対して、資金供給の緩和措置策をとると表明し、バイデン大統領もFOMCに対して牽制球を投げていた。
元FRB会長のイエレン氏はもともと労働経済政策の専門家、いつの間にかどっぷり政治家になってしまっている。

今回のFOMCでは金融機関の破綻を受け、据え置かれるとの観測が強かった。そのため証券市場は情報が交錯する中、午後3時48分(32,748ドル)まで前日比で高くなっていたが、利上げ決定のニュースに急落し、32,080ドルで引けた。

米国では2行が破綻し、1行は親会社が整理した。欧州でも老舗のクレディスイスが破綻した。
しかし、米国では下記のように出来高を伴って株価が下落している金融機関や金融サービス会社が多くあり、不安心理が連鎖している。
金融機関はすでに引き締めにかかっており、今後、借入金や投資ファンドの資金に依存する不動産関係、特に投資家から資金を集め不動産投資するRIET市場に飛び火する可能性が高くなってきている。

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なお、当局はFRC(ファースト・リパブリック銀行)の信用不安について、破綻させず、大手11行項が、FRCに預金して流動性を確保させると決定したが、株価の下げは止まっていない。当局から要請された支援行も出資ではなく、預金することで支援(政府保護)するという軟弱な支援となっている。

すでに新コロナから回復途上にあった2021年春、バイデン大統領は新コロナ経済対策に1.9兆ドルを執行し、同年秋にはインフレのギアが一段と高まり、露制裁前の2022年2月には、すでに7.9%に達していた。それにウ侵攻でプーチンが輪をかけた。

インフレ退治の高金利の効果は、その効果につき、多くのバラ付きが発生し、米国のようにGDPに占める消費が7割と多くを占める国では、購買力を減退させるしかなく、失業者を大量発生させ、就業者数を減少させるしかない。
消費が活発であり、サービス産業に勢いがあり、人手不足、賃金上昇、家賃上昇を招いている。

さらに、バイデン大統領のインフレ助長政策もある
1、ウクライナ戦争における米軍需関連産業のフル生産状態の継続、
2、CHIPS法+IRA法による巨大工場の建設ラッシュ。

 

↓危うい米国の上場金融機関(判明分のみ)
問題のファースト・リパブリック・バンク(FRC)ほか
相場が3月8日に比べ22日までに半分以下になった金融機関もまだ
ある。


スクロール→

3/22.出来高を伴い下落した米金融機関・金融サービス会社の株価

 

FRC

FFWM

FHN

FITB

MCB

3/8.

120.00

15.00

24.00

36.00

54.74

3/22 .

13.33

7.91

15.89

26.72

34.91

当日

-15.4%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PACW

SCHW

TFC

USB

WAL

3/8.

27.00

80.00

48.00

48.00

70.00

3/22 .

10.96

56.26

32.49

34.79

31.91

当日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ZION

KEY

HBAN

CFG

 

3/8.

50.00

18.00

15.00

42.00

 

3/22 .

30.12

12.05

10.66

30.96

 

当日

 

 

 

 

 

0323_01.jpg

↓食料・家賃・サービス・エネルギーのインフレは生活に直結する。
日本と異なり、米国では不満がほとんど生じていないのは給与が上昇していることにある。それがまたインフレをもたらしているのであるが。これまで多くが高い物価上昇率となっており、前年比で示すインフレの伸び率は下がっても、労働コスト、生産原価か上昇しており、価格は据え置かれたままになり、日米賃金格差も飛躍的に拡大している。
 日本の食料自給率は38%(カロリーベース)過ぎず、財界に依存した政府のグローバル化政策により低下し続け、今般の国際価格の上昇に加え、超円安でその輸入価格も急上昇させている。
 
米国のエネルギーインフレは23年2月5.2%まで伸び率は鈍化しているが、昨年2月25.6%も上昇しており、その上での5.2%上昇となっている。
原油価格は21年2月61.50ドル、22年2月は93.5ドル、今年2月は77.1。現行70ドル前後まで下落しており、エネルギーインフレ率は3月からマイナスになる可能性が高い。ボッタくりのOPECと反バイデンの米シェールオイル軍団が市場を弄ばない限りであるが・・・。エネルギー価格には天然ガスも入る。


スクロール→

米国のインフレ推移と金利

金利

年月 

全体

コア

食料

家賃

サービス

エネ

0.25

21/9

5.4

4.0

4.6

3.16

3.20

24.8

0.25

21/10

6.2

4.6

5.3

3.48

3.65

30.0

0.25

21/11

6.8

4.9

6.1

3.84

3.77

33.3

0.25

21/12

7.0

5.5

6.3

4.13

4.01

29.3

0.25

22/1

7.5

6.0

7.0

4.36

4.58

27.0

0.25

22/2

7.9

6.4

7.9

4.74

4.80

25.6

0.50

22/3

8.5

6.5

8.8

4.98

5.12

32.0

0.50

22/4

8.3

6.2

9.4

5.14

5.37

30.3

1.00

22/5

8.6

6.0

10.1

5.45

5.74

34.1

1.75

22/6

9.1

5.9

10.4

5.61

6.22

41.6

2.50

22/7

8.5

5.9

10.9

5.70

6.25

32.9

2.50

22/8

8.3

6.3

11.4

6.24

6.81

23.8

3.25

22/9

8.2

6.6

11.2

6.59

7.37

19.8

3.25

22/10

7.7

6.3

10.9

6.90

7.20

17.6

4.00

22/11

7.1

6.0

10.6

7.10

7.20

13.1

4.50

22/12

6.5

5.7

10.4

7.50

7.52

7.3

4.50

23/1

6.4

5.6

10.1

7.88

7.60

8.7

4.75

23/2

6.0

5.5

9.5

8.10

7.60

5.2

5.00

23/3

 

 

 

 

 

 

 

[ 2023年3月23日 ]

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