住友金属鉱山 23/3月決算 車両用資源株 銅・ラッケル・金
同社は当期について、米国における利上げ幅の縮小及び日本における長期の金利の変動許容幅拡大による金利差縮小、欧米の銀行破綻による金融システム不安の高まりなどにより円高傾向となったものの、米国の利上げ継続見込みなどから当期末にかけて再び円安傾向となり、平均為替レートは前期と比べ大幅な円安となった。
主要非鉄金属価格については、
銅価格は中国経済の停滞による需要減少への懸念などにより下落し、その後上昇に転じたものの、平均価格は前期を下回った。
ニッケル価格は、前期末にかけて上昇した後、景気回復に懸念が生じたことなどにより急落したものの、脱炭素化を背景に電気自動車の需要が堅調であったことなどから一時的に持ち直した。その後供給増加の見込みなどにより下落傾向に転じたものの、平均価格は前期を上回った。
金価格は、米国の相次ぐ政策金利引き上げなどにより下落した後、利上げ幅縮小などにより上昇したものの、平均価格は前期を若干下回った。
材料事業の関連業界は、電気自動車の需要が増加しており、車載用電池向け部材の需要は堅調に推移した。一方、景気減速などに伴い中国をはじめとした世界におけるスマートフォンの需要が減少したことなどにより、電子部品向け部材の需要は縮小した。
このような状況のなか、当期の連結売上高は、大幅な円安、ニッケル価格の上昇、車載用電池向け部材の販売が好調なことなどにより、前期に比べ1,638億98百万円増加し、1兆4,229億89百万円となった。
連結税引前当期利益は、前期に計上したシエラゴルダ銅鉱山の全保有持分の譲渡に伴う売却益及び同鉱山に係る持分法による投資利益が当期はなかったことなどにより、前期に比べ▲1,275億24百万円減少し、2,299億10百万円となったとしている。
銅はEVではモーター類など多くを使用し、これまでの内燃機車より3倍あまり多く使用するとされ、リサイクルされるまでの2035年までEVでの銅の必要量は増加し続けるとされる。
ニッケルもEV用バッテリーに必要であるものの、いろいろな次世代EV電池が開発されており、コバルトフリー、ニッケルフリーのEV用バッテリーが登場する可能性もある。現行、出力が強い三元系リチウムイオン電池が主流、コバルト、ニッケルが必須アイテムとなっている。
ペルーのセロ・ベルデ銅鉱山(稼働中)
米国のモレンシー銅鉱山(稼働中)
フィリピンのCoral Bay Nickel Corporation(ニッケル系)
フィリピンのTaganito HPAL Nickel Corporation(ニッケル系)
菱刈鉱山=金鉱(鹿児島県)
チリ国のシエラゴルダ銅鉱山(22/3期に権益全部譲渡)
スクロール→
5713 住友金属鉱山 23年3月期 IFRS方式 |
||||
連結/百万円 |
売上収益 |
税前利益 |
同利益率 |
株主利益 |
19/3期 |
912,208 |
89,371 |
9.8% |
66,790 |
20/3期 |
851,946 |
79,035 |
9.3% |
60,600 |
21/3期 |
926,122 |
123,379 |
13.3% |
94,604 |
22/3期 |
1,259,091 |
357,434 |
28.4% |
281,037 |
23/3期 |
1,422,989 |
229,910 |
16.2% |
160,585 |
前期比 |
13.0% |
-35.7% |
|
-42.9% |
24/3予 |
1,366,000 |
77,000 |
5.6% |
42,000 |
24予/23実 |
-4.0% |
-66.5% |
|
-73.8% |
2023/3期 セグメント別 |
|||||
|
売上高 |
粗利益 |
粗 |
||
/百万円 |
売上高 |
前期比 |
粗利益 |
前期比 |
利益率 |
資源 |
172,427 |
9.6% |
76,443 |
-63.3% |
44.3% |
精錬 |
1,073,038 |
13.9% |
117,866 |
2.7% |
11.0% |
材料 |
317,425 |
14.2% |
17,323 |
-37.3% |
5.5% |
調整 |
-139,901 |
|
18,278 |
|
|
合計 |
1,422,989 |
13.0% |
229,910 |
-35.7% |
16.2% |
製品生産量 |
|||
23/3期 |
単位 |
生産量 |
前期比 |
銅 |
トン |
447,163 |
6.8% |
金 |
㎏ |
17,869 |
7.2% |
ニッケル |
トン |
52,817 |
0.7% |
フェロニッケル |
トン |
10,143 |
-17.7% |