アイコン 中国GDP前四半期比0.8%増 冷え込み中 青年失業率21%


中国の4~6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、前年同期比プラス6.3%となった。ただ、前3ヶ月間と比べた伸び率としてはプラス0.8%にとどまり、「ゼロコロナ」政策の終了を受けた景気回復の勢いは減速している。
昨年の第2四半期は上海ロックダウン等でGDPは0.4%(前年同期比)に落ち込んでいた。その反動で今年の第2四半期の6.3%と伸び率は高くなっているが、現実は青年失業率21%に至るほどの減速している。

国家統計局が17日に発表した第2四半期のGDPの試算によると、2023年上半期の国内総生産(GDP)は59兆3,034億元、前年同期比前年6.3%、第1四半期より0.8ポイント増加した。

 

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産業別にみると、
第一次産業の付加価値は3兆416億元(シェア5.1%)で前年比3.7%増、
第二次産業の付加価値は23兆682億元(38.9%)で4.3%増、
第三次産業は33兆1,937億元(シェア56.0%)で6.4%増加した。
四半期別にみると、
GDPは第1四半期が前年同期比4.5%増、
第2四半期が6.3%増となった。
第2・四半期のGDPは前期比で0.8%増加した。

<うち鉱工業>
今年上半期、指定規模以上の工業企業の付加価値は前年同期比3.8%増加し、第1四半期より第2四半期は0.8ポイント加速した。

主要3部門では、
鉱業の付加価値が同1.7%増、
製造業が4.2%増、
電気・熱・ガス・水道の生産・供給が4.1%増。
機器製造業の付加価値は6.5%増、
指定規模以上の全産業の付加価値よりも2.7ポイント上回った。
経済タイプ別にみると、
国有持ち株企業の付加価値は前年同期比4.4%増、
民間・株式会社の企業は4.4%増、
外国投資企業および香港・マカオ・台湾投資企業は0.8%増。
結果、民間企業は1.9%増加した。
製品別には、
太陽電池が54.5%、
新エネルギー自動車35.0%、
産業用制御コンピュータが54.5%
産業用システムの生産が34.1%増
6月の指定規模以上の産業の付加価値は、前年同月比4.4%増、前月比0.68%増となった。
6月の製造業購買担当者指数は49.0%、企業の生産・運営活動期待指数は53.4ポイントだった。
以上。

↓固定資産投資額の推移
住宅や商業施設・工場などの固定資産投資額が減り続けている。3期目を狙い習政権が2021年8月に打ち上げた共同富裕論により、民間不動産開発会社潰し、多くの民間デベロッパーが倒産に追い込まれ、いまや(地方)政府系不動産デベロッパーしか生き残らず、野心的な投資もなく、中央政府が不動産規制を大幅緩和したにもかかわらず萎えるばかり。固定資産の投資は経済波及効果も高く、内需経済を牽引するのであるが・・・。
民間デベロッパーの破綻では、中国民の多くが被害にあっており(建設途上の契約段階で全額支払い、個人投資家の多くも購入しており損害を受けている)、国民の政府の政策への不信感も覆っている。よほどの梃入れ策を講じなければなかなか回復しないだろう。また、回復にも時間を要するものと見られる。

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国家統計局によると、主要70都市の新築住宅価格(政府支援住宅を除く)は前月比▲0.06%下落した。中古住宅も0.44%値下がりした。5月の新築住宅価格は0.1%上昇していた。

↓四半期ごとのGDP推移(前年同期比)
前年同期は上海ロックダウン等で大幅に落ち込んでいたことの反動により6.3%となっているもの。

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↓青年失業率
青年の就職率が高いのはサービス産業や大規模工場、電子製品産業も沈滞し、世界の年間携帯電話販売数も落ち込み続けている。青年失業率の高さは、服飾、化粧品、外食産業などのサービス産業へも大きな影響を与え、悪化のスパイラルに陥る。
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[ 2023年7月18日 ]

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