アイコン 地球物流大乱 スエズとパナマ


スエズ運河はスエズへ至る紅海で、紅海に面するイエメンの武装勢力フーシー派(イラン支援/サウジ主導アラブ連合軍とは休戦成立)が航行する船舶をミサイルやドローンなどで攻撃、被害も出て、大型タンカーやコンテナ船、LNG船は襲撃を避け、アフリカ南端の喜望峰経由に切り替え、運航日数増で物流費用が高騰している。
フーシー派はイスラエルのガザ攻撃に対して、イスラエルに寄港や関係する船舶を攻撃しているとしているが、そうでない船舶も攻撃を受けており、危険な状態が続いている。

インド洋⇒アデン湾⇒紅海一帯では、これまでアフリカのソマリア武装勢力が海賊行為を行っており、以前から各国が軍艦を派遣して一帯を警備している。しかし、こうした武装勢力とはまったく異なり、フーシー派は国軍規模であり、装備もロケット弾やミサイルを豊富に保有している。そうしたフーシー派が攻撃しているもので、身代金目的ではないため直接攻撃も激しくなっている。
先日は、米英軍がフーシー派の拠点を大規模空爆している。

欧州は露制裁により天然ガスや原油を安価なロシア産から、高価な米国産や中東産に切り替えている。

 

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中東産が喜望峰経由となれば、物流経費増で更に高価な燃料を購入することになり、燃料高で打撃を受けている欧州の経済や国民に更に負担となる。
米国産が増加し、米国のユダヤ財閥の原油・天然ガスメジャーが喜んでいる(露制裁まで欧州はほとんど米国から燃料を輸入していなかった。いまや大量の燃料が米国から欧州へ輸出され、それも拡大し続けている。ウクライナ戦の裏側の経済戦争でもある)。

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<パナマ運河は・・・>
一方、パナマ運河は異常気象と乱開発の影響を受けている。
熱帯雨林のパナマでは雨季終盤(昨11・12月)に雨が降らず、また一帯の熱帯雨林の乱開発により通過するガトゥン湖に自然貯水が減少、パナマ運河の船舶航行に支障をきたしている。
(現地では昨年はエルニーニョで平年より▲30%減の雨量で100年に一度の少雨だったという)
パナマ運河を使用できなければ、南米チリ-アルゼンチンの南端マゼラン海峡へ迂回することになる。カリブ海・大西洋から太平洋へ、太平洋から米東岸へ

パナマの気候は熱帯性気候で季節は、
12月半ば~4月までは乾季
5月~12月半ばまでは雨季
に分かれる。
雨季の午後には激しいスコールが降り、年間降水量は2,000mm~3,000mmに達する。
世界平均雨量は880mm、日本は1,700mm前後

パナマ運河(総延長77キロ)では、
海抜26mの世界最大の人口湖・ガトゥン湖を航行させるため、
3つの閘門で標高を上げるため1隻通航するたびに平均約1.9億リットルの水が海へ放出されている。
1日に通航できる船舶は36隻
近年は平均24隻と少なくなっているという。

もともとチャグレス川を堰き止め、人口湖のガトゥン湖を造り、3つの閘門を設け、湖を航行し大洋へ出る。
人口湖へは北部に大きな湖があり、その湖からも人口湖に流れ込んでいる。
人口湖であり平均して浅く、水面からの深さは最浅12メール(喫水線)とされ、それ以上の船舶は一旦荷を降ろす必要もある。
通常、航行に10時間、待ち時間含むと20時間必要。
雨による大幅な貯水量増のほか人口湖の浚渫も必要となっている。

これまで、拡張計画は何回も施されているが、最新は2018年までに拡張工事が完了している。しかし、肝心の雨により、湖や人口湖に貯水ができなければ、拡張した分、更に航行が限定されることになる。

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↓バルチック海運指数、高低に付き日付ランダム

バルチック海運指数

バラ積船の価格指数

19/12/27.

1,090

20/5/29.

504

20/9/25..

1,667

21/10/8.

5,526

22/21/28.

1,381

22/5/20.

3,344

23/2/17.

538

23/12/1.

3,192

24/1/2.

2,093

24/2/2.

1,407

24/3/7.

2,251

 

[ 2024年3月 9日 ]

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