アイコン 中国経済の現在地 24年GDP5%目標設定 「白黒猫論」から「共同富裕論」へ


不動産危機や消費の低迷、若者の高い失業率など、多くの問題を抱える中国について、ほとんどの経済学者は2023年の成長目標である約5%をクリアするとみていたが、現実は4.6%にとどまっている。中国は2024年の経済成長率目標を5%とした(何れも名目)。
だが、米CNNビジネスによると、この23年目標はコロナ禍以前の10年間の平均年間成長率約6%を下回るもので、2024年はさらに深刻な状況に陥ると予想され、今後数十年間は景気が低迷し続ける可能性があるとみている。

中道右派の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」の上級研究員デレク・シザーズ氏はCNNに、「中国経済にとっての2024年の課題は、GDPの成長率ではない」と指摘している。同氏は、「課題は、(24年から)先が下方のみということだ」と続けた。
 同氏は、大規模な市場改革がなければ、中国は経済学者が言うところの〝中所得国の罠〟にはまる可能性があると予測している。
その〝罠〟とは、多くの新興国が経済発展により1人当たりのGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。

 

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 一部の経済学者は、バブル経済崩壊により1990年代に始まった日本の「失われた数十年」との類似点さえ指摘している。
また、中国政府は10年前に不動産開発主導の発展から内需主導型の成長に経済を移行すべきだったが、それを怠ったと批判する見方もある。そのため政府は、消費を拡大し、経済の不動産依存を減らすと宣言。金融機関に対し、不動産開発からハイテク業界への融資に転換するよう指導している。
以上、

「白黒猫論」から「共同富裕論」へ50年ぶりに大きく方向転換 鄧小平から習近平へ
ハイテク産業は外需度合いが大きく、内需は外需も関係するパソコンやスマホなどに限られている。いきなり、2ナノChipsやAIを導入しても現場は徐々にしか立ち上がれないのも現実だ。米中のソフト格差はまだまだ大きい。
中国のハイテク産業には著名な創業者たちが列を成したが、今では彼らの動きはまったく聞かれない。それは習政権がそうした創業者たちのほとんどを拘束して思想教育「共同浮遊論」を打ち上げ、1979年の鄧小平来の白黒猫論から大きく方向転換したことにある。

これまでは成功した創業者たちは、立ち止まることはせず、次の領域へ進化させ続け、ほかの創業者たちを刺激し続けてきたのだが、そうした中国の創業者パワーが、習近平氏により制裁され、また習氏に何から何まで集中し、ほかの6奉行たちも習派一色、ヨイショはするものの触らぬ神に祟りなし、身動き取れなくなっている。気に食わなければ、1年せずして国防相や外相でさえ更迭する。任命責任もある。

中国経済において、これまでの景気対策は、常にインフラ投資と不動産がセットになり、冷えれば規制緩和・拡大、加熱すれば規制強化・縮小を行ってきた。

その大黒柱の不動産を新コロナでダメージを受けている最中に実施、不動産失速の影響は著しく、不動産業界だけではなく、多くの完成待ちの数十万人の購入者が被害にあい、ファイナンス業界・投資家にも影響を与えている。
中国民の預金は新コロナを通して増加する一方となっており、米韓民と異なり、預金性向の強い国民だけに、国民に被害をもたらした不動産政策の失敗など現在の治世に対して不安を覚え、以前の倍以上の増加ペースで預金残高が増加し続けている。

こうした事態に、中央政府は不動産会社に対して融資を緩和するよう通達を出したが、舌先が乾かない間に「(金融機関は不動産会社に対して)節度ある融資をすべきだ」と大釘を打ち込んでいる。三条紅線は習政権の「御触れ」であり、決して撤回しようとはしない。
中国は新コロナロックダウン等により景気が悪化している中で三条紅線を実施したことがすべての始まりとなっている。当然、習氏の3期目突入が原因している。
ハイテクも不動産も民間活力を殺ぎ、政治主導で発展させるには、経済音痴の政治家や頭でっかちの官僚たちだけで成功する可能性は限りなく低い。
習氏は経済政策をこれ以上失敗すれば、国民の不満も高潮し続け、その掃け口に侵攻問題が現実味を帯びてくる。

<不動産政策の失敗事例・韓国の場合>
2017年5月韓国に登場した文在寅左派政権の不動産政策の失敗。任期5年間でマンション価格を下げるどころか、マンション価格を倍にしてしまった。
これは、左派経済学者(元大学教授)だった張夏成を大統領府の経済政策責任者に抜擢、実務経験なし、スタッフも総入れ替えで経験者ほぼ0、左派政権らしくソウル首都圏の再開発をことごとく中止させ、それでいて、不動産価格の上昇を抑えるべく、多くの施策を講じたことが原因となっている。
しかし、バカでも理解できる需給破綻、ソウル都市圏でのマンション開発が、前朴政権時代の5万戸台からこうした開発規制により3万戸台まで落ち、需給が逼迫し、不動産価格が高騰、ましてや購入制限・規制までしており、銭持ちの投資家たちが買い漁り、5年で倍にしてしまった。

 張は初心者マーク以前の問題の左派経済学者、文氏は張を経済政策の責任者に就任させた。2018年に最低賃金を16.4%引き上げ、低所得者を賃金を大幅に増加させ所得増を図り、内需を活発化させ、経済を浮揚させるとしたが、現実は個人事業者や小企業者が最低賃金を支払えず、従業員数の削減に動き、忙しい時間帯だけのパートに切り替えるなどして、低所得者の収入が増加するどころか、低所得者の数が増加するという、100%期待外れの結果となった。
一方で、不動産価格は上昇し続けた。
張は、下層数の増加データを公表した統計庁の長官(女性閣僚2人のうちの一人)を文政権に忖度しない統計資料を公表したとして更迭させ、2019年も最低賃金を10.9%上昇させた。統計庁長官を更迭させた張もまた、経済は回復するとしたものの回復せず、更迭された。しかし、文氏はその後、張を中国大使に任命していた。
経済学者でありながら経済音痴と北朝鮮の代理人(ブルームバーグ論評)が合体し、経済を破壊し、条約も反故にするなど、とんでもない政治を行う見本を世界に知らしめた。

(賃金は景気が良いときに上昇させるものだが、日本は景気に関係なく定期昇給も反故にし、ベースアップもほとんどない状態を30年間続けている。小泉政権時、非正規雇用拡大=労働コスト減で企業利益を大きく押し上げたが従業員に還元させることはなかった。アベノミクスでも上場企業は総じて空前の利益が出したが、従業員の報酬を上げないどころか、生産性向上の投資もせず、株主還元策に巨額を奔走・浪費していた。)

ただ、こうして見ると国に関係なく、経済に常識も原則もなく、将来の絵も書けない時の権力者により80%の国民同様好きに操られる分野であることが窺え、将来、デノミも見えてくる。


 

[ 2024年3月11日 ]

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