アイコン 中国共産党の金融規制部門、厳格な監督を通じて経済安定を追求


中国共産党の金融規制部門は金融機関に対し、党の価値観を守り「過度」で「無謀」なリスクを回避して経済に貢献するよう求めていく考えを示したと20日、人民日報が伝えた。
共産党中央金融委員会の事務局と中央金融工作会議は共同で発表した記事で「われわれが築きたいのは中国共産党の指導の下での社会主義金融強国だ」と表明した。

「安定した金融の発展は厳格で厳しい監督によって保証される」との認識を示した。
市場関係者に対し、無謀な行動を取らず「事業、業績、リスクについて正しい見通しを立て、負担能力を超える過度のリスクを回避する」よう求めた。

金融セクターにおける汚職との戦いに勝利することを決意しているとし、金融機関に「市場ルールと職業倫理」を順守するよう呼び掛けた。
また「技術革新を実体経済への貢献に集中させ、自己満足的な偽の技術革新に関与しない」よう警告した。
以上、ロイター参照

 

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中国当局はこれまで何回ともなく金融機関を締め付けたり緩和したりして、景気の鎮静化や景気回復に利用してきた。金融機関に対する中央銀行の預託金の増減・金利の増減が代表的なもの。2015年の株暴落を前後して流動性資金の不足・外資不足・シャドーバンキング問題が表面化、金融機関に対して徹底的に融資や社債の引き受けを報告させ、管理強化を図った。

住宅価格の高額問題
これについても政府は購入者側の規制を強化したり緩和したりして過熱化を防いできていた。しかし、米中貿易戦争により、景気に陰りが生じ、勢いがなくなり、不動産規制が長らく執行されなくなり、不動産価格は上昇の一途、法的に離婚までして不動産転がしに奔走し不動産富裕層を大量に創出してきた。
民間どころか地方政府も参入、それも中央政府の規制対象外となる第3セクターの不動産会社まで設立させ、不動産開発に狂騒した。

<共同富裕論>
一方、2017年ころから習近平政権は共同富裕論を旗頭にし、ネットを包括的に規制強化・監視強化を図っている。
ネット億万長者たちに対して圧力行使、学生等に対する高利のネット貸付監視強化、高価なネット塾の規制強化、ネットゲームの包括的監視強化、暴力・戦争殺戮ゲームのネット配信禁止と販売禁止、少年のネットゲーム使用時間の規制など数々の規制強化を実施してきた。一方で、新疆ウイグル族の弾圧・去勢化、香港の本土との統一化推進、台湾への軍事的圧力を強めている。
習体制は2022年10月、胡錦濤前国家主席が反対する中、禁断の3期目に突入した。
それを醸成するために、習政権は長期にわたり不正・腐敗を口実に政敵のほとんどを失脚させてきた。
国民に対しては、高騰した住宅価格に対して共同富裕論を打ち上げ、3期目への国民の承認への宣伝となった。

2020年の三条紅線による不動産会社弾圧
2020年に唱えられた三条紅線、同年秋から金融機関に実施させた融資限度額の設定。
ところが、いきなり導入されたことから、もともと他人資本に依存する体質の不動産開発会社にあり、新規開発どころか、工事代金さえ支払えなくなり、工事中断マンションが全国に溢れた。その数は数十万戸に及ぶ。
一方で、こうした事態に、中国の不動産購入制度は着工時のモデルルームで契約され、支払い契約もその時に行い、契約金の支払いのほか銀行ローンも組まれてしまう。そのため何十万というマンションを購入契約した国民がマンションの建設が途中で頓挫し、被害者になるとともに、シャドーバンキングが大量に抱え、一般国民に販売した不動産会社の高利回りの社債もその償還問題を抱え、デフォルトおよびキナ臭い状態が続いている。

習氏は3期目に入り7奉行(中央政治局常任委員)も習シンパのみにしてしまい独裁・強権振りが際立ってきており、米国のみならず、欧州国も嫌い始めており、奢られる者は久しからずの国際政治環境下にある。

<習長期政権の弊害>
新コロナロックダウンから経済全般が疲弊し、一方、新コロナで消費が凍結され預金残高は増加、ウィズコロナ策で一気に不動産投資に資金が動いた。特に賭博や投資が限られる中国にあり、不動産投資が唯一の成金術にもなっている。そうした資金が不動産市場へ流れ込み続け、不動産価格を高騰させてきた。
今回の不動産規制は、これまで購入者側の規制であったものが、今回は開発会社への融資規制であり、まったく次元が異なる。

地方政府の財政にも影響
中国は土地の個人所有は認められておらず、地方政府は長期契約の利用料を締結し、その収入は地方政府の大きな財源となっている。
不動産業の低迷により、不動産利用権の買い手はなく、地方政府の財政収入不足に大きく影響している。地方政府は収入が減ればインフラ投資に向ける財源は限られ、景気刺激策のインフラ投資も限られることになる。

「三条紅線」:
習政権が金融期間に対して、下記3点に基づき、不動産会社に対し融資するよう命じた融資限度額。
1、「前受金を除いた総資産負債比率が70%を上回らないこと」
2、「純資産負債比率が100%を上回らないこと」
3、「手元現金に対する短期借入額が100%を上回らないこと」

長期政権は奢れる者久しからずで独裁型になってしまう。
当然、取り巻きも御用聞きばかりになってしまい意見する者など皆無。
それに歳を取れば取るほど老人性頑固病が身を覆い、国家をとんでもない方向へ進ませてしまう。
結果、ロシアのように危険な国家となる。
長老支配、長老ご機嫌取りが続く日本の政治にも言えることだ。

 

[ 2024年2月21日 ]

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