アイコン 人食いバクテリア 日本で急増中 劇症型溶血性レンサ球菌感染死亡 STSS


香港メディア・香港01は4月3日、日本旅行していた香港人1人が溶血性レンサ球菌感染の合併症で死亡したと報じた。

記事によると、香港人に人気の観光地である日本ではA群溶血性レンサ球菌の感染により生じる劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS/俗称:人食いバクテリア)の患者数が急増しており、3月25日までの約2ヶ月間の患者数が378人と昨年1年間(941人)の4割を超えていると紹介した。

そして、香港政府の衛生署が3日、香港人1人がA群溶血性レンサ球菌により壊死性筋膜炎を発症して死亡したことを明かし、規定された手順を踏まえて遺体を香港に移送すると発表するとともに、死亡した患者が感染に至った経緯や、基礎疾患などの高リスク要因の有無について調査を進める姿勢を示したと伝えた。

記事は、A群溶血レンサ球菌について、飛沫(ひまつ)や呼吸器分泌物への接触により感染し、感染後はしょう紅熱や肺炎、脳膜炎を発症する可能性があり、まれに重篤化してSTSSを引き起こすと解説。

現時点でワクチンは存在しない一方で、抗生物質による治療が有効だと説明するとともに、香港衛生署が「A群溶血性レンサ球菌による壊死(えし)性筋膜炎は通常、糖尿病などの基礎疾患を持った人が傷口から感染した場合に起こりうる。香港でも発生することがある」と紹介している。

2023年の劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」の日本での患者数は過去最多の941人、致死率は30~40%と非常に高いが原因は解明されていない。

 

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化膿レンサ球菌は、
健康なヒトの咽頭や消化管、表皮にも生息する常在細菌の一種であるが、GAS感染症(溶レン菌感染症)と呼ばれる各種の化膿性疾患や、産生する毒素による全身性疾患、あるいは感染後に一種の合併症として起きる免疫性疾患など、多様な疾患の原因になる。

<急性感染症>
化膿レンサ球菌自体がヒトの組織を破壊することによるか、あるいは生きた化膿レンサ球菌に対する免疫反応のために症状が発現する病気。但し、発生機序は未解明。
●急性扁桃炎 - 口蓋扁桃(いわゆる「扁桃腺」)に細菌またはウイルスが感染することによって起こる病気で、発熱や咽頭痛(のどの痛み)、いびき、鼻閉などの症状が出現する。細菌としては最も多い起炎菌が化膿レンサ球菌である。
●伝染性膿痂疹 - いわゆる「とびひ」のこと。
●壊死性筋膜炎 - 毒素性ショック症候群とともに、「劇症型溶連菌感染症」と呼ばれる、最も重症な病型。四肢の筋肉を包む筋膜に化膿レンサ球菌が感染するものであるが、外科的に病巣を切除することが必要であり、治療が遅れれば致命的となる危険もある。
●その他、蜂窩織炎(蜂巣炎)や化膿性関節炎、骨髄炎、結膜炎などさまざまな感染症を起こす。

<毒素性疾患>
●毒素性ショック症候群 - 化膿レンサ球菌が産生する毒素に対する免疫反応のために、全身性炎症反応症候群からショック、多臓器不全に至る。壊死性筋膜炎とともに、「劇症型溶連菌感染症」と呼ばれる。
●猩紅熱 - 主に乳幼児にみられる感染症で、化膿レンサ球菌の持つ毒素のために苺舌や発疹が出現する。

<感染症後遺症>
菌体抗原(M蛋白質)と生体組織の免疫的交差反応、或は菌体抗原と抗体複合物の生体内沈着により免疫反応によると考えられる疾患である。
●リウマチ熱 - 咽頭感染後2-3週間後に発症する(紅斑、舞踏病は約6カ月後)、皮下結節、発疹、関節炎、心筋炎、不随意運動が主要症状。原因としては菌体抗原(M蛋白質)と心筋組織の免疫的交差反応などの説がある。
●血管性紫斑病 - 四肢の皮下出血が主症状で、他には関節痛、腹痛、腎炎などが出現する。
●急性糸球体腎炎 - 咽頭炎の1-2週間後、皮膚感染症の2-3週間後に発症(発症率は1-5%)。症状は急性腎機能不全症状(血尿、浮腫、高血圧が3大症状)。主に小児に発症し、完治する場合は多いが、成人の場合は予後が悪く、慢性腎炎になることが多い。原因としては菌体抗原と抗体結合物が腎糸球体基底膜の沈着により炎症反応(Ⅲ型アレルギー)を起こすと考えられている。
以上、報道、ウィキ等参照


 

[ 2024年4月 5日 ]

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