トヨタと日産 九州にEV用バッテリー工場建設へ パナ社はスバルと群馬県大泉に
トヨタは先に2026年のEV生産台数をこれまでの130万台から30万台減らし、100万台生産するという。
30万台は同社でも大きな工場の年間生産台数に匹敵する規模だが、ボルボも2030年までに生産全量をEV化する方針を撤退している。
EVはインフラ整備問題と高価格問題、リチウムイオン二次電池でも韓国勢の3元系より3割安価なリン燐酸鉄系(LFP系/中国が生産パテント独占)を導入するか、別途安価な二次電池を開発するしか現在の3元系の高価格のEV車両のコストを下げることができなくなっている。
各国政府がEV購入補助金を付けてもHV含む内燃機車より高いことが難点、また耐用年数も問題となってきており、バッテリー保証期間は8年もしくは16万キロ、バッテリー交換ではコストがかかりすぎ現実的ではなく、米国での内燃機車の平均車両使用年数12年からしてもコストパフォーマンスで大きく劣る。
安価な中国製改LFP電池は、米中貿易戦争での高関税により米国での実際の搭載は不可能。
世界の先進国政府が地球温暖化抑制のためにEV宣言しているが、急激なEV化は、かえって、地球環境を急速に悪化させている。その材料生産に置いて、最悪の地球温暖化促進策ともなっている。
また、地球温暖化防止と言いながら、ウクライナ戦争では欧州のほとんどの国が安価なロシア産天然ガスを購入しなくなり、多くはコストが安価な石炭発電に切り替え、ポーランドでは石炭どころか、最悪の褐炭で発電している発電所もある。(生きるか死ぬかの戦争を前に地球温暖化など何も意味をなさない。)
地球環境の諸悪の根源は石炭にあり、石炭の消費量を抑えることが地球温暖化の抑制策の最強の政策でもある。その次に原油があり、次に天然ガスとCO2発生数は減少する。
石炭はさらに硫黄酸化物を地球に撒き散らし、大規模触媒を取り付ければコスト高となり、見せ掛けの触媒しか取り付けていないのが現実。東シナ海の西日本の太平洋岸の酸性化が進んでいることが報告されている。独仏の石炭コンビナートによる酸性雨によりドイツ南西部のシュバルツバルトの森が枯れ廃墟になった歴史は今に生きている。
日本の発電でもいまだ30%が石炭に依存。中国は発電の60%が石炭、また中国は世界の半分以上の粗鋼生産国、溶鉱炉にも大量の石炭由来のコークスが大量に使用されている。電炉用の電気にも石炭発電の電力が使用されている。
政治家が自己満足のため、利用しやすい自動車をターゲットにするのではなく、石炭を生産自体を制御することの方がどれほど地球環境に有効だろうか。
<本題>
福岡県は、トヨタと日産が、EV=電気自動車向けの電池を生産する新工場の建設を県内に計画していることを明らかにした。
これは福岡県の服部知事が6日臨時に記者会見を開催して発表したもの。
うち、トヨタは北九州市の東に隣接する苅田町(日産苅田工場もあり、港湾が整備されている)の「新松山臨海工業団地」にEV向けの次世代電池を生産する工場の建設を計画している。
次世代電池は現在の車種に搭載しているものより、航続距離やコスト、それに充電時間などの面でより性能を高めたもので、2028年の生産開始を予定している。
(EV用電池は全固体電池も含め自社製なのか、国内で提携しているパナ社製なのか、米国で提携しているLGとの合弁生産会社が生産するのか不明。内容からして4680電池/パナ社とテスラが共同開発した電池を搭載する可能性が高いが・・・、先立ってパナ社は和歌山県で4680電池を生産すると発表していた。パナ社×テスラ社の米合弁工場でも4680電池はまだ歩留まりが悪く、改善中のはず・・・)
また、日産も、2028年に軽EV搭載用の二次電池の開発と量産を計画していてそのための新工場を福岡県内に建設する計画。日産はAESC社が茨城にEV用バッテリー工場を建設中。
日産はNECと組み、長年自社製電池を搭載してきたが、自社で生産するにはコストがかかりすぎるとして、ゴーンカッターにより切り捨てられ、現在の日産EVの搭載電池はAESC社から購入して搭載している。
日産は自社のEV用バッテリー部門社を2019年までに中国企業のエンビジョングループに売却、結果、エンビジョンAESC社(日本本社:座間市/エンビジョン80%+日産20%の資本構成)が生産している。英国では日産が器の工場を造り、生産はエンビジョンAESC社が担当している。
福岡県によると2つの新工場の稼働に伴い、数千人規模の雇用が見込まれるという。
服部知事は記者会見で「自動車産業が転換点を迎える中で、福岡県が新たな産業の一大生産拠点へと発展していく新時代が幕を開けるといえ、大きなビジネスチャンスととらえている」と述べている。
<追加>
9月6日のパナ社が公表した内容は。
パナソニックエナジーがスバルと合弁で群馬県大泉町で、EV用円筒系電池工場を新設する。総投資額は4630億円、政府補助金最大1564億円活用、生産開始は2028年。2030年には16GWhを生産する。なお、円筒形電池は現在最強とされる4680型電池なのかは不明。スバルは2028年にEV生産に入る計画。
また、パナ社はマツダへのEV用電池の供給用に大阪府内の2ヶ所の電池生産工場を増強し、電池セル生産増強、2030年段階で6.5GWh分を増加生産する。総投資額は833億円、政府補助金283億円も活用する。
パナ社は現在、米国の2ヶ所はテスラとの共同事業、さらに現在、3拠点目のカンザス工場を建設中、納品先は確定していない。日本勢もいよいよEVへシフトしてくることから、パナ社も生産拠点を日米両軸作戦を取る。
経産省の供給確保計画、補助金の巻では、トヨタの電池子会社2社が次世代電池や全固体電池の開発や生産に2450億円を投資する計画に対し、最大856億円を助成する。
リン酸鉄リチウムイオン電池の開発や量産を行う計画の日産にも、投資総額1533億円に対し、最大約557億円億円を支援する。
リン酸鉄リチウムイオン電池=LFP電池を独自開発するのは興味深い。改造版は2020年に開発され、2021年から納品開始、CATL等中国勢の独壇場、韓国LGエナジーも2021年に改LFP電池を開発するとしたが 3年経ってもまだ開発されていない。先行した中国勢がパテントを張り巡らしているものと見られ、独自製法を編み出すしかない。
政府のこうした日本版CHIPS+IRA用補助金は総投資額の34%前後となっている。





