解決されないEV火災、火災の履歴一覧、安全問題は後手後手か 製造工程に難
○2021年、GMF車両炎上からシボレーボルトEVを14万3千台をリコール、リコール費用20億ドル、LG負担はうち9割。
○2021年2月、韓国では多くの車両炎上から現代自は世界でコナEV約7万6千台など8.2万台をリコールした。搭載バッテリーのメーカーはLGエナジー製。LG負担は7割の700億円(当時)だった。
○2022年6月、フォードが約5万台のEVをリコール、搭載バッテリーのメーカーはSKオン。
米NHTSA(米国道路交通安全局)は「高電圧バッテリーが高い充電状態にある時、バッテリー内部でショートが発生する可能性があり、これにより火災が発生する可能性がある」とし、「高い充電状態で陰極アルミニウムタブと陽極の電極物質が接触してショートが発生し、火災が起きたと思われる」と推定結論を発していた。当推論はサプライヤーチェーンの生産工程における偏差に起因しているとしている。
フォードの旗艦車種であるビックアップトラックのF-150ライトニングのEV版の初出荷における生産完了車から出火、同社は販売機会を失し、EV大増産計画に大打撃、EV版の生産停止に追い込まれている。
○2022年6月、BMW-EV-「i4」と「Ix」が炎上の可能性があるとして計83台をリコールした。これは米NHTSAが指示したもので、「サプライヤーが指定通りに製造しなかったバッテリーパック」の搭載に起因し、製造時に電極を破損させ異物が混入したものと結論付けた。バッテリーはサムスンSDI製だった。
★ 韓国勢のバッテリー問題は、2020年当時、韓国内でも現代コナ車などから出火が相次ぎ、LGなどメーカーとともに政府系研究所が原因究明に当たっていた。しかし、原因を究明することができず、米国のGMやNHTSAがメーカーの協力の下、原因を究明していた。
半導体のような不良品の徹底した検査装置は、2010年のソニー後のリチウム電池が、品質に煩い日本勢ではなく、韓国や中国企業が主導し、余計なコストをかけたくないEV電池メーカーの経営姿勢により確立していないようだ。ただ、問題が発覚すれば、リコール費用の7~9割は搭載した電池メーカー負担となり、大きな代償を払うことになる。
○2022年2月、ドイツから米国へ向かっていた三井商船系車両運搬船「Felicity Ace号」が、大西洋ポルトガル領アゾレス諸島沖で出火、VWグループのEV含む3965台を輸送中で8日間燃え全焼。出火元はEVとされ、VWグループを相手取り保険会社等が「火災はポルシェのタイカンEVのバッテリーから発生したもので、VWはその危険性を知りながら適切な予防措置を怠った」として訴訟を起こしている。同船にはポルシェ1100台、ベントレー(ロールスロイスの姉妹車)189台、ランボルギーニ、アウディ、VWの車両を搭載していた。
○2023年7月、ドイツからシンガポールに向かう正栄海運(今治)所有の車両運搬船「M.V. FREMANTLE HIGHWAY号」(川崎汽船チャーター)がベンツなど2857台搭載(うちEV25台)して、オランダ沖で火災、全焼した。出火はEV近くで発生、そのためEVが出火原因と見られている(ベンツEVの報道もある)。
○2019年~22年間の韓国でのEV火災は・・・駐車場で11件、空地で2件、一般道走行中15件、高速道走行中2件、その他道路で1件、トンネル内で1件の計32件発生している(韓国消防庁)。
○2024年1月~7月末までに韓国で発生してEV火災は32件(韓国消防庁)。(販売台数増・使用EV増加で大幅に増加している)
○2024年3月、現代・起亜は韓国内の両社製EV約17万台をリコール。ただ、問題は統合充電制御ユニット(ICCU)のソフトウェアの不具合であり、改善プログラム更新で問題は解決される。
○2024年7月、ステランティスは火災により、2.4万台のPHVのクライスラー「パシフィカ」約2.4万台をリコールした。 ステランティスと組んでいるサムスンSDIが製造したバッテリーを搭載している。
<直近のEV火災>
●2024年8月1日、韓国仁川の団地地下駐車場でベンツEV「EQE」(2022年生産開始)が未明に出火、車両40台が全焼、ほか100台あまりにも損害が生じ、1580世帯が停電した。搭載バッテリーは中国の孚能科技(Farasis Energy)製の3元系バッテリーだった。
●2024年8月7日、韓国京畿道の立体駐車場で起亜EV6が火災・全焼、搭載バッテリーはSKオン製で充電中だった。
●2024年8月16日、ポルトガルの首都リスボン郊外の空港近くのレンタカー駐車場で火災、200台が全焼、現地では原因はテスラ車が火元と報じられている。
(バッテリーメーカーは不明、テスラは米国ではパナ社製が主で、米国外ではCATL製やLGエナジー製などを搭載している。
●2024年8月17日、韓国京畿道龍仁でテスラ車が火災・全焼
<EV用バッテリーの構造>
EVのバッテリーに用いられるリチウム二次電池は、陽極(+)と陰極(-)、両極を遮断する分離膜、イオンの移動を助ける電解液で構成される。
充電時はリチウムイオンを陽極から陰極に、放電時には陰極から陽極に移動させるため、不安定な状態になるが、過充電や過放電状態になると不安定性が強まる。
リチウム電池は、陽極と陰極が接触すると火花が散るショート(Short circuit)現象が発生し、瞬時に温度が1000度以上に急上昇する熱暴走につながり、電池が爆発する。また、リチウム二次電池は熱・水分・外部の衝撃などに脆弱、EVはデコボコ道を走りぶつかりやすい。管理をしなければホコリも入りやすいため、火災の危険性は常に存在する。
(GMのリコールでは、原因はLG製バッテリーの製造工程による不純物混入だったと結論付けられた。どういう条件化で不純物が熱暴走をするのかなどは判明していない。ただ、2005年のソニーのパソコン等のバッテリーの火災では全世界で960万個をリコールしたが、その原因も不純物混入(ニッケル)であった。)
<消化問題>
EVのバッテリーは、車体下の奥深いところに、金属やプラスチックの箱の内部に密閉されている。外部から消火器で水をかけても消すことはできない。煙が出たり火花が散り始めた場合は、可能な限りすぐに誰もいない場所に車を止めて逃げるしかない。私たちが日常的に使用する乾電池の大きさはAAとAAAだが、EVの電池の大きさはD(長さ58.0ミリメートル、直径33.0ミリメートル)程度。そのような電池が数百個も積まれている。電池1つが爆発すれば横にある電池も続けて爆発し、これを熱暴走と呼ぶ。
ソウルの地下鉄の大峙駅の事故のときは、熱暴走が起きるまでに時間が少しかかり、その間に人々が電池をすぐに移動して水槽に入れて火を消した。しかし、多くの場合EVバッテリーは運転席と分離されているため、走行中に火災が発生しても、運転者が短時間に火災を識別することは難しい。運転者が火災状況を早期に認識できるよう、EVメーカーがバッテリーの構造を変更すれば、大火災のリスクを減らすことができる。
韓国当局は度重なるEV火災で、EVの全販売会社に対して、搭載のバッテリーメーカーを開示させた。韓国で販売されているEVの7割が韓国製バッテリーで3割は外国製だとされるが、中韓以外EV用バッテリー搭載車を韓国で販売していることは考えにくく、ほかは中国と断定できる。
↓8月1日早朝、韓国・仁川の30階建てマンションの地下駐車場でベンツEQE(監視カメラの映像で煙が最初に出た車両)から出火、延焼して全焼した車両 約40台。
高熱にさらされ、爆発もしていると思われ、建物は大丈夫だろうか?
何時間高熱にさらされたかでも柱や床・天井の耐久性・耐熱性は異なる。
当駐車場では出火から6時間で大方鎮火していた。
耐火モルタルは1400℃(ピザ釜など)
耐熱パテセメント系の耐熱性は約1000℃。
通常のポルトランドセメントは450℃で白化しもろくなる。
EVバッテリーの熱暴走温度は約1000℃
ガソリン車の燃焼温度は700度前後






