韓国ダイソー 売上高も・クレームも増加
韓国ダイソーは健康機能食品やビタミン剤など大衆医薬品を販売しているが、薬局や薬剤師たちが反対し、医薬品メーカーへ問題提起、その圧力に納品しているいくつかの医薬品メーカーが撤収を決断したという。
ダイソーでは、薬局で3万~5万ウォン台で販売されていた栄養剤を3000~5000ウォンで販売。 大熊製薬、鍾根堂などと協業してビタミン、ミルクシスル、ルテインなど人気栄養剤を全国200店舗で販売していた。
ダイソーでは、医薬品メーカーとタイアップし、こうした機能食品などを買いやすいように小分けしたり、ダイソー販売用に体裁を変え、低価格で販売していた。
ただ、中小の医薬品メーカーは、ダイソーとの取引を継続したり、新規取引を開始したりする動きがあるという。
ダイソーの売上高は、(2025年3月10日の為替相場は1ウォン:0.1011円)
2021年は2兆6,048億ウォン、
2022年は2兆9,457億ウォン、前年比13.0%増
2023年は3兆4,604億ウォン、前年比17.4%増
2024年は4兆ウォン(未発表で推定)、 前年比15.6%増
日本のダイソーは資本撤退
日本のダイソーは2023年12月、持分株を約5000億ウォンで売却し、韓国ダイソーから資本を引き上げている。2001年に4億円(持分比率は約34%)を出資していた。韓国ダイソーは現在、「牙城ダイソー」が全株を所有している。
ダイソーの昨年の売上高は約4兆ウォンと推定されている。
物価高、消費不況下、低価格のダイソーに客が集中しており、化粧品メーカーやファッションメーカーもあの手この手でダイソー向け商品を開発して販売している。
2024年はクレーム件数も急増
しかし、売上高の増加とともに消費者の不満も増加、昨年は500件を突破しているという。
大手がダイソー向けに商品開発して販売する分はメーカーの信用問題もあり、問題はほとんどないだろうが、中小のメーカーも多くを納品しており、品質にバラつきが生じる可能性は大きいともいえる。
韓国消費者院によると、昨年ダイソーと関連して提起された消費者相談は504件だった。
2020年は378件
2021年は330件
2022年は313件
2023年は317件
2024年は504件、前年比59%増。
今年1月にもすでに50件近くの不満を受け付けたという。
消費者の不満は、
「品質」が157件だった。
韓国ダイソーは1000~5000ウォン台の安い均一価格が強みだが、低価格品市場が大きくなり不満を感じる消費者も増えたためと分析されている。
「契約不履行」は前年111件から昨年83件に急増し、「請約撤回」も同期間26件から63件に跳ね上がった。
消費者院側は「ダイソーが電子商取引(Eコマース)事業を育てながら配送が誤っていたり、払い戻しや交換が円滑になされなかった部分が契約不履行と請約撤回と集計され、関連件数が増えたものと見られる」と説明している。
業界は不況の中で超低価格を前面に押し出した市場が大きくなり、関連事件·事故と不満が多くなったと見ている。
コスパを前面に出した中国アリエクスプレスもやはり韓国内の消費者相談件数が最近2年間で3倍以上増え、昨年673件に達している。
「不況型消費」が増え続け、韓国ダイソーの売上は毎年大幅に跳ね上がっている。
韓国ダイソーの2024年は、コスメ・ビューティー、文具、インテリア品目が急成長し、売上高が4兆ウォンに迫る。
韓国ダイソーは新コロナ不況や消費不況の中、低価格を売りに2桁成長を続けている。
また、ダイソーは商品群も急速に拡大中で、そうした中で前述の健康機能食品問題が表面化している。
昨年はビューティー領域を広げた。
低価格のリドルショット、物光パックなどを発売し、ソーシャルメディアを中心に人気を集めた。
化粧品大手のアモーレパシフィックやLG生活健康なども、ダイソー専用ブランド用意して発売している。
現在、ダイソーに入店した化粧品ブランドは59ブランドで、商品アイテム数は450種余りを販売している。
最近はファッション品目もさらに強化、昨年の冬には発熱肌着、起毛マンツーマンTシャツ、フリースなど冬物衣類を5000ウォンで販売して大いに売れた。
ネットのオンライン事業も急速に強化している。3月に入り、ソウル江南·瑞草·松坡区の一部地域で「今日配送」のテスト運営に入っている。今日の配送は近くの売場で商品を準備して当日配送してくれるサービス。年中無休で運営され、送料は5500ウォン。 全国の約1500店舗を基盤に、クイックコマース事業を本格化する見通し。
物流にも力を入れている。
2025年には京畿道楊州ハーブセンターを完工し、2026年までに世宗ハーブセンターを建設する予定。 急増するオンラインショッピングモールの注文需要に対応する。
以上、
韓国の企業は、後先考えないイケイケドンドン型がほとんど、そのバイタリティは波に乗り急成長させる原動力となっており、今の韓国の財閥の多くはそうした成功事例から生まれている。
日本のダイソーは韓国ダイソーの販売商品領域が拡がれば、出資している関係で品質や健康・信用問題が直接影響を受けることから、出資金の引き上げは正しい選択だろう。
日本のダイソー店舗は、今や1000円の商品もあり、高いのやら安いのやら分からなくなっている。ただ、大型商業施設に入居している大型店舗では、その販売用商品点数の多さに圧倒され、たまに社会科見学に行くほどだ。