【決算分析】梅の花グループ、2期ぶりの赤字転落 高コスト時代に揺らぐ「上質ブランド」の戦略
外食チェーン「梅の花グループ」(本社:福岡県久留米市)が6月16日に発表した2025年4月期の連結決算は、最終損益が3億円の赤字(前期は10億円の黒字)となり、2期ぶりの赤字転落となった。売上高は前年比1.3%減の294億円にとどまった。
背景には、コメなどの原材料価格の高騰、水道光熱費や物流コストの上昇といった“コスト高”の三重苦がある。さらに、昨年8月の台風による一部店舗の臨時休業が売上を押し下げた格好だ。
原材料・エネルギー高が直撃、価格転嫁に苦慮
梅の花グループは、湯葉や豆腐を中心とした和食業態を主力とし、「上質な食と空間」を提供する中価格帯〜高価格帯の業態で知られている。だが、今回の赤字決算は、外食産業を襲う“コスト高時代”の厳しさを象徴する内容となった。
企業としても、価格転嫁の必要性を認識しながらも、ブランドイメージとの兼ね合いから思い切った価格改定には踏み切りづらいという事情もある。客層の多くは中高年層で、味やサービスに厳しい目を持つ固定ファンも多いためだ。
一方、価格を据え置いたままでは、採算性がますます悪化していくジレンマも抱えている。
自然災害のリスクも顕在化 地方発企業の課題
加えて、2024年8月に発生した台風の影響で一部店舗が臨時休業となり、売上にマイナス寄与した。地方を中心に出店している企業にとって、台風や地震といった自然災害リスクは年々増しており、事業継続計画(BCP)や多地域分散の経営戦略が今後さらに重要性を増しそうだ。
価格改定と収益構造改革へ 黒字回復はなるか
同社は2026年4月期に向けて、価格改定などを通じて黒字転換を目指すと明言している。だが、単なる値上げだけでは消費者離れを招くリスクもあるため、業態の魅力や価値を再定義したうえでの納得感ある価格戦略が必要となる。
また、今後の成長にはコスト構造の見直しも不可欠だ。原材料の調達方法、物流体制、エネルギー効率の向上といった改革にどこまで踏み込めるかが、持続的な収益力を取り戻すカギになる。
締めくくりに:変革を迫られる「中価格帯」業態
今回の梅の花グループの赤字転落は、外食業界のなかでも「高品質・中価格帯」の業態が今、最も大きな変化圧力にさらされていることを示唆している。単価を維持しながら満足度を高めるという戦略の限界が、コスト高という現実の前で露呈しつつある。
外食市場全体の動向を占ううえでも、梅の花グループがどのようにこの難局を乗り越えていくかは、大きな注目点となるだろう。





