【市政ウォッチ】梅本けいすけ通信
表面上の「健全財政」に潜むリスク
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― 長崎市、実態は“貯金取り崩し+借入れ依存”の綱渡り ―
表面だけの「健全財政」では市民は守れない
― 説明不足の広報、“隠れた赤字”に目を ―
『広報ながさき』6月号(14ページ)に掲載された「令和6年度の財政状況」を読んで、大きな違和感を抱きました。
市は「長崎市の財政は健全」と繰り返し発信していますが、実際は財政調整基金(いわば市の貯金)を前提に取り崩し、さらに一時借入金(短期の借金)を併用しないと資金繰りが成り立たない状態です。これは「貯金を削り、借金で暮らす」家計と変わらないのではないでしょうか。
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**“非常時の備え”に頼る平常時の財政**
財政調整基金は災害や不況など非常時に備えるべきもので、本来、平常時に頼るべきではありません。にもかかわらず、長崎市はこの基金を毎年数十億円単位で取り崩し、予算を組み立てています。
一時借入金も、税収が入るまでの「つなぎ」として使われるもののはずですが、これも常態化しており、資金繰りの綱渡りが続いているのが実態です。
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市債残高3,300億円超…「将来の投資」は誰のため?
市の長期借入金である市債も、「学校や道路などに使われる将来への投資」と説明されます。しかし、市債の残高はすでに3,300億円を超え、市民一人あたり約78万円の借金を抱えている計算になります。
さらに、元利の返済には年間200億円以上が費やされており、結果的に市民サービスを圧迫しています。市の「資産」も、維持管理コストが膨らみ、人口減の中では“財政の負債”になるリスクすらあります。
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**「収支均衡」の裏に隠れた構造赤字**
これらの現実を考えれば、市が説明する「財政は健全」「収支は均衡」といった表現が、どれほど表面上の整合性に過ぎないかがわかります。
将来、災害や税収減、金利上昇があればどうなるのか――そうしたシナリオへの備えは不十分なままです。
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**「本当のことを伝えてほしい」それが市民の願い**
市の広報が「正しい数字」を掲載していたとしても、それが市民に“真実”を伝えているかどうかは別問題です。
言葉の一つひとつが都合よく見えるとき、私たち市民は「信頼」よりも「不安」を感じます。
行政の役目は、耳障りのよい説明ではなく、課題やリスクも含めて市民と共有すること。
それこそが、「説明責任」だと梅本けいすけは考えます。